すべてのおすすめ
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ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ
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明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
....
天井の隅には
蜘蛛の巣があるけん
蠅のばあちゃんが教えてくれた
台所の窓にはヤモリがおるけん
近寄っちゃいかんばい
婆ちゃんは
何でも知とると
だけん
長生きしとるばい
この家の ....
優しさの詰まった袋があったら
ひとつでいいから分けてほしい
哀しみの詰まった袋があったら
僕の哀しみも入れてほしい
沢山の傷と
少しだけの笑顔
僕の人生の袋には
何が詰まって ....
オタマジャクシが
ぼくのまぶたの裏側に棲みついてしまった
けれど、だれからもみえない
ぼくにも
影の輪郭しかみえないが
たしかに棲みついて動きまわっている
....
明けがたに仕事を終えて
20分だけ男のひとに会った
くちの中に
たんぱく質の味を覚えながら
台所で立ったまま桃を食べた
うす暗く うす寒い からだのなかに
うす甘い桃が
ぬまぬま ....
わたしは
鬼を育てている
小さくて可愛い
鬼を育てている
百年を わたしは三つに分け
大きいものは土に埋め
小さいものは火で燃した
一つ残った手まり程のを
わたしはするりと飲み ....
うすら寒い夜にはホットジュピター
地球人はずっと宇宙人を探していたので
まず宇宙人のいそうな星を探すことにしました
ぼんぼこ燃えてる恒星よりは
生命体には惑星だろうと
まずはカニ座の55 ....
あつかましいとか
じぶんをしらないとか
いうことだけはごたいそう
とか
....
あなたはとても照れくさそうに笑うそれを見るとわたしは無性にいとおしい気持にあふれる
(わたしたちの愛に余裕はないのだから)
偶然だねとかいっしょだねとか聞くとどうもその手には弱いみたいあな ....
人の声がしていた
気のせいかもしれない
聞かなければ、
聞かずにすむのかもしれない
鬱蒼とした密林の獣道らしかった
薄日の差し込むそこは、鳥が時折 過ぎていく
朝ならばもう、あたしは学 ....
夜明けを待ち
闇とともに消え去る
我が魂よ
抜け殻の肉体だけが
賛も否もなく
ただ うなづくのみ
群れに馴染めず
術を知らぬ
愚 ....
もう解約したはずの
父のメールアドレスに
メールを送る
すぐに返事がくる
なんだ
やっぱり生きていたのだ
Delivery Status Notification (Fai ....
いまは夏でも秋でもありませぬ
軌道上のリセットスイッチを
昨夜、弾きましたゆえ
どうぞ、お持ちの未練など
そこな小川で流しなされ
間もなくこの野にも人が溢れますゆえ
どうぞ、お急ぎなされ
....
久しぶりに実家へ行った
1年ぶりのことだ
改装したとは聞いていた
ただいま
真新しい 木目の引き戸を開け
急な階段をずんずんと
上がっていった
あれ?
あたしの部屋で ....
誘惑に楔を打ち込んで
眠る時間まで起きていると
耳元で死に際を忘れた
昆虫が床に爪を研いでいる
仕事の量で計るものでは
ないのかもしれない人の生に
僕はまだ何も成し遂げていない
長い ....
水に汚れた草花
ヒトは抗弁を繰り返す
木漏れ日の中
黙とうの中
唇と弾とが交わる
契約は成立したのだった
外側からしか見えない
古い木枠の窓辺に
あなたが車椅子に座ったまま ....
滴り落ちる朱が
脳の闇を呼び覚ます
隠れていた魔物が
『逝けよ 逝けよ』
と騒ぎ立てる
ネジの緩んだ僕の体は
ぎこちなく葬送ワルツを踊り出す
ここにはない何かを求めて
魂は ....
娘が幼稚園に入るまでに
通園バッグを縫わなければならなくなった 我が家では
まず 寸法を測って キルト地などを裁っては
思わされる 間違って絶ってはいけないと。日本語があまり
得意ではない ....
電話がかかってきて
行ってしまった
幸せになるんだ
といって
コケリンドウの
花をみつけた
ちいさな青
の付け根のあたり
淡く
消えそうなものに
私はいつも憧れる
たくさ ....
他人の死は見ることができ、
自分の死は見ることができない。
他人の表情は見ることができ、
自分の表情は見ることができない。
自分の何かはすべて想像だけで、
鏡に写った自分が本当に自分 ....
台湾人がやっている置物屋で買った
誕生石にまつわるブレスレットを腕に巻いていたら
霊能者にさんざん罵倒され
軒下に巣食っていた日除けの蜘蛛
ジリジリ逃げる
堕胎した子を洞穴まで連れて ....
真夜中に揺り起こされた
見知らぬ男が側にいた
男は声を潜めて、島を焼く、と短く言った
これから島を焼くのだという
どこへでも好きなところへ逃げろ、そう呟いて ....
僕たちは見ていた
星を
夜の
空の
それぞれの 星を
見ることで
何かが晴れ渡るわけではないけれど
僕たちは星を見ていた
夜の暗さのどこにも
それぞれの気持ちを投影す ....
動物は恐いな。だって、言葉が通じないんだもの、わかりあえないよ。でも僕が恐いと思うのはライオンさんとかで、僕がライオンさんとかを恐いと思うのは、僕は食べ物じゃありません、っていう人間の勝手な理屈が通 ....
骨のコツコツ鳴ります
糸の編むように眠ります
サバ缶とサケ缶の区別はつきます
お尻から椅子に座ります
迷路の続きにまた迷います
....
プロポーズは
提案なのだ
コンフェス
告白でも
意を決した
まなざしでもない
明日
映画は何にする?
って
当たり前の
昨日と今日の
あわいに
そこに咲いている
....
音もなく湧き上がる
心の機微
見えずとも確かな証は
間違いなく刻印された
過去に犯した過ち
見失った想いたち
今日に繋がるためだったか
と
胸に染み入り
心に刺さる
....
そして私は歩くのだ
そこに 誰もいない 街を
レンガのように ああ
壁の 中を 黒っぽくなった
そうして 新聞を持って
ひとり 私は歩いていこう
言葉にされたそのあたりに
....
愚痴を聞いてくれる「誰か」
グロッケンを演奏する「誰か」
一緒に登校する「誰か」
会ったら手を振り合う「誰か」
優しくしてくれる「誰か」
思いきり罵れる「誰か」
愛している「誰か」
....
べつに
どうということはない
どうということはない
どうということはない
どうということはない
どうということはないものが
日暮し座敷で首を伸ばして
どうということはないものを
ど ....
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