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実家のタオルの匂いは幼い頃の記憶を呼び覚ますね
僕らは何で大人になってしまったんだろう
排気ガスの臭いに汚染されてしまって
世界は今日も嘆いているというのに
僕らは自分のことしかできない
大 ....
群れから飛び出していった記号たちに
生ぬるい視線がからまった
ひとつも理解しないまま頷く作業に戻って
なんとか息を整えた
たぶん
あの博物館には虹を作る機械が展示さ ....
知らないこと、
知っていること、
パンダ中継、
わたしはここにいないことになっている、
願望、
とその逆の事実、
実態、
謙遜と、
彼の左目、
リップグロス、
観たくもなかった戯曲 ....
雨の夜に思う 秋の初めの未だ残る緑の葉
鋭く細長い葉を纏った 細長き胴の先
風に振り乱だされる 白髪が如き穂
星も月も無く 徒に寂しく暗い野で
薄よ お前は そぼ降る雨に打たれ ....
私に優しいあなたは
私じゃなくても優しい
それが悔しくて
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は
心を{ルビ蝕=むしばむ}む
胸が苦しいの
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
「木の物語」
きょうもまた
あの木のてっぺんにいる
あれは多分ぼくだ
ぼくの知らないぼくがいる
忘れていたのかもしれない
ぼくがすっかり忘れていたぼくがいる
だから懐かしい
....
おりかたがわからないんですと云ったあとの沈黙はこころを動かし
剥き出しヌードなことばは
ふたりのあいだに壁をつくり
今夜うさぎだからって
はげしくなついてなめたものは殻
問いは訪い、 ....
嫁さんと周に駅まで送ってもらい
仙台行きの新幹線に乗る前
待合室で一人になって、はじめて
(今日で周は一歳か)という
思いがじわり・・・と胸に広がった
毎日嫁さんのやりくりで ....
路上
たぬきが死んでいる 今日
のどを空に見せて
堂々たるもんだ
左右に列なす車の真ん中を
雲を逆さに見下ろして
脇腹を少し赤く割って
動かないで
見に行こうぜ いっしょに
....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい
いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする
大人になるって
迷わ ....
兵士を4000率いるのが司教で
大司教だと5000
魔司教で8000
大魔司教だと10000
と
いま
かんがえた
レッサーパンダは食べ物の一種ですか
ということも
よくつぶやく
やたらめったら起こる奇跡を奇跡と呼びたくない
書き留めた春は儚くて
夢香のように消えてゆく
さえずる鳥は初夏を待ち
孵ったあの日を忘れてる
きらきら、と
ではない夜の星も
さやさや、と
ではない風の声も
きらきら、として
....
美術の造形で手の形のを作った。
更衣室で皆で
蹴って遊んでいた。
そうしたら私の蹴ったのが
友達の目の上に
当たってしまった。
縫ったそうです。
傷は一生残っている
とても大切 ....
9月からアメリカの小学校に入学した娘
2日目の朝吐き、早くも欠席
3日目お腹が痛いと昼前に早退
4日目から毎朝目が覚めると学校に行きたくないと、泣くようになった
「なんで行きたくないの?」 ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く
そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも
ただしい角 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
いもが
なきごえ
だったら
いもむしが
いもいも
いって
はっせいきかんが
どこに
あるのか
いんどの
ぎょうじゃが
いもいも
いって
なにか
くうかんてきな
きょり ....
秋が始まる頃
ようやく
旅人が帰ってきた
ちょいと
長い散歩だったかな
と
悪びれもなく
おかえりというのも
待ち焦がれていたようで
まったくもって
しゃくなので
おみや ....
たりたりたりと
私の何か少し足りていない
ミリデシリットル分の
たりたりたりが
足早に私のうしろをついてきて
影に交じりながら
陽をよけて
たりたりたりと
....
あなたの言葉にいつまでも続く永遠を感じ
あなたのぬくもりに限りある生命を想う
ズッキーニ、セロリ、ピーマン、トマト、玉葱、茄子、コンビーフ、ローリエ、カレー粉、しょうが、サワークリーム、レモン、
ぼくの体力、
ズッキーニ、セロリ、ピーマン、トマト、玉葱、茄子、コンビ ....
夏に焼かれた街を労わる雨音
一粒一粒、世界に触れ、砕け
私の胸を静けさに連れていく
夜、ひとり聞き入るこの音に
なにもかも許された気がする
帰っては来てほしくない
波もいつかは帰ってくる
それが自然の営みで
逆らうことなど考えるな
と記された記憶のそこの
谷間にはあるのだろうか
あの町が
揺れる稲穂が不似合いに
原 ....
{引用=冬のきみがすきだった
冬のきみがきらいだった
ひややかな恋のまま
ずっととおりすぎて
しまいたかった
あの ....
ココロのコエは
悪夢のような
繰り返し
始まりは遠く
際限はなく
ココロのコエは
真っ白く
しろくしろく
燃えつきたけど
なおしずかにひびく
ココロのコエは
今ここに ....
思いをこめた白球を、無心で投げる。
霧の向こうから返ってくる白球を、両手で捕る。
霧の幕が開いてゆく――空白の明日を見据え
もう一度、白球をにぎる。
都会のカラスは金色 銀色
国
という言葉がいま浮かんだけれど
どうしたものか思案している
一ヶ月近く洗っていない
ランチョンマットには三箇所の染みがついているが
それでも洗 ....
ぶさいくは
せいかくが
わるいと
おもって
いたけれど
なにか
それは
ちがう
ことが
わかって
たとえば
なにか
けが
はえて
いて
からだ
の
はいめん
に ....
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