すべてのおすすめ
(私の全ての時計が止まってしまって時間が解らないのです。)
この街には時計は無いよ。
過ぎる時を気にしたって仕様がないからさ。
ブザマだよ。
ごらん、あの軒下。
子猫同士の小さな ....
「なんのために生きて、飯を喰ろうているのでございましょうかね」と
おれのなかに住む坊主に問うたら
「ここでごちゃごちゃ言うても詮無いことです」などと
こましゃっくれたことをぬか ....
川面で光の魚がはねている
春と霞を点描で描くのはぼくではない
土手の並木の樹勢のなかを
グングンふくらみ育ってゆくもの
ふくらみみもだえて勢いを増してゆくもの
樹 ....
原発に嫌気がさしちゃった諸君
原発を無くしたいかい?
そりゃ本当かい?
本気で原発を無くしたかったら
金出しな
デモに参加も結構だ
しかしこれまでデモで政策が
変わったことなど見たこ ....
機上で
伯母は落下し脳挫傷で眠る孫の為に
満腔の震えを帯びた痩躯を折り
瞑目で何やら呟きながら手かざしを始めるのだった
高度1万2千メートルからの この上なく真摯な神通力が
ポリカーボネイド ....
人生が黒歴史
みたいに思える瞬間をどうにかやり過ごす
グッドバイ
教習所に金払っちまったじゃねぇかと言う軽口で人を滅茶苦茶に切り裂ける現実
私なんか止めてしまえと言い放つその言葉の行き ....
ずうっと前に
プレゼントしたカップ
貴方は割ってしまったから
新しいカップを
選びます
もう誕生日も
過ぎちゃったから
照れかくしに
娘のカップと
一緒に選びます
....
{引用=――淋しい鳥の夢をみた、
あなたは一体誰ですか}
シーガル 夢をみたの
お前の心臓はとても温かかった
わたしとあわせるとちょうどぴったりして
シーガル 夢だと知りながら
お ....
窓辺に飾られた
一輪のチューリップが
ひとり言をしている
叶えられなかった夢について
叶えられた些細な願い事について
自分がここにあることの意味について
そしてその無意味さについて ....
110412
ふしだらな
感じやすい
企みを
ひそかに抱き
か細い悲鳴をあげて
かわは流れてゆく
拡がる景色の果て
外国船が汽笛を鳴らし
風が凪いだそ ....
道の遠くから
何やら呟き続ける男が歩いて来る
すれ違う瞬間
「答は{ルビ空=くう}だ、答は{ルビ空=くう}」
繰り返す呟きは背後に小さくなってゆき
遠ざかる彼の背なかも小さ ....
私の脳内で指揮者は独り、無人の観客席
の闇に向かって、手にした棒を振ってい
ます。青く浮き出た血管の手がくるり、
棒を一振りすれば、観客席の暗闇に、幼
年期の幸福のしゃぼんが一つ、二振りす
....
少し前から
気づいてはいたけれど
僕のナイフは錆びている
もうリンゴの皮すら剥けないし
エンピツを尖らすこともできない
誰かの心を抉るどころか
靴の踵にこびりついた昨日を
こそげ ....
死をやる
と決めたので
いろいろなものとうまくやっていくことが
もはや困難になってしまった
死をやると決めたので
折りあいつかなくなってしまった
そのようにしか生きられなくなった
内 ....
眠りすぎたアルマジロが
夜、買い物に出かける
満月には人のロケットが
数本突き刺さって
何かをお祝いしている
店は既に閉まっているので
丸まって待つ
冷蔵庫の中のように寒いけれど
....
生け囲い、小さな
妻の花壇
春の花々は
勢いよく
そろいて
青空に、光満ち
そよ風に
テント揺らぐ
茶を呑むひと時
春はたけなわ
卯月、二人して
....
カーテンの隙間から伸びる
白い光の筋をたどって
窓の外へ出てみたら
青々とした緑の芝生が
朝露に濡れて笑っている
裸足のままでその上を
歩けばきゅっきゅっと足の裏
草の葉と根が撫でて ....
買っとけ
....
くるくるまわる
風ぐるま
くるくるまわる季節の風
目の前にないにしても
鈍くちらちら光る
まわる羽の色
あのやすっぽさに感じいる
匂いたつ沈丁花の
垣根の道を
するする進み
....
何十年も会っていない
友達を まだ友達と
呼んで良いか どうか
分からないけれど
年に一度、その友達と
年賀状を交わしている
お互い会おうと言わず
メールはせず
電話もしない仲なの ....
水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔
こちらの様子が気になってしかたないのか
大きくなったり小さくなったり
*
わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
....
むかし、「なんきょく」というおおきくて
さむいくにに、ぺんぎんのこどもがすんでいました。
ぺんぎんのこどもは、こおりのうえを、よちよちとあるくのですが、
まわりにいるほかのぺんぎんた ....
たしなめるように
胸に手を当てる
自分の手のひらを感じる
まだ大丈夫です
あなたへそっとつぶやく
だれかががんばるから私もって
それが機動力にならない
そんなお昼前の私はまた
....
だれの心にもあるの?不安が
外ではきらきらと太陽が輝いてる
一瞬忘れたい
なんて思うそれはいけないこと?
桜がまた咲いたよ
花びらは同じじゃないけど
あなたの悲しみ ....
落合選手は、凄い。
原選手の引退試合でしっかりと
糸を引くようなセンター前ヒットを、打った。
(そのバットは刀の光で、瞬いた)
王選手は、凄い。
刀で宙吊りの紙を
切り裂 ....
いつもきらきらしていたくて
ラメをかぶってみました。
目に入って
涙がいっぱいでてきました。
みんなは笑ってた
もっともっと笑ってほしいな
このまま東北の方へいこう ....
蝶の羽根を持つ馬の
たてがみは 毛糸で編まれている
影絵の後ろ 電池の照らす
いななきが 廊下の溝土を蹴る
さなぎに 芽生えてしまった馬は
何もかもが理不尽で
本当の蝶より 大きく美し ....
調子に乗っている女の子に
ゴリラみたいだねといいたい
あと
ねずみみたいだね
といいたい
そのあとドレッシングをあたまからかけて
たべる
海老を
アゲハの幼虫を飼ってたら
蜂が出 ....
あなたが大きくなったなら
楽器のできない私のかわりに
ギターをきかせてちょうだいな
聴きたい歌なら沢山あるけど
あなたの好きな歌でいいよ
あなたと ....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように
恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161