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いつの頃からか
崖の上から見下ろす
ささくれだった土の
触れると血が止まらなくなるような
眼前に広がる荒野の地表
反吐が出る光景を
瞬きもせずに見つめるのが
当たり前だと思っていた
震 ....
眠くなって
土の毛布を被り
静かに横たわるきみの
物言わぬ墓石の前で
祈りを捧げる
すっかり春が過ぎてしまって
もう暑いくらいで
着ていたシャツの袖を捲り上げて
それでも額にに ....
新学期もだいぶ昔の話になった
はにかんだ太陽の
頬の赤さで温まった公園で
突き抜ける青さをどこまでも
視線で追いかけるぼくの
穏やかでない心を
春の風が忙しく通り抜けていく

 ....
普段は感じることもないのに


きみが
はいつくばりながら
痛みに耐えて
立ち上がろうと
人々の冷酷さを映し出す
透き通った青空に向かって
手を伸ばした時
ぼくの心に潜む
奥底で ....
足りないものを
埋め合わせるために
ぼくはきみと
折り重なって
土を被って
ゆっくりとひとつに
混ざり合う


きみに足りなかったものを
ぼくが持っていて
ぼくが望んだも ....
きみのこころが冷たくなった夜
横たわった気持ちを抱え込みながら
静かに目を閉じて仰向けなきみを
見下ろしてぼくは見ているはずの
きみの輪郭をおぼろげにしか
コピーすることが出来ない
 ....
草原に降り始める雨
傘のない子供たちのため
世界に向けてそっと差し出す
そんな素振りで
行き場を失った
すっかり冷えて
寒さに震えるぼくたちの
気持ちを凍えさせたくなくて
きみ ....
あなたが自らの正義を
拠り所に雷のとんかちを
振りかざしている時
それを目の当たりにしたぼくは
自分の心が間違っていないと
土ぼこりが舞い上がる砂漠の
泣き叫ぶ子供たちを前に
た ....
騒がしすぎる街角の雑踏を
見渡せる場所にあるベンチから
晴れやかな薄曇りの下を
右に左に行き交う人を見てる
たくさんの方向から浴びせられる会話
待ち合わせの時刻を気にして先を急ぐクラ ....
人々の不幸を暴き立てるために
睥睨し荘厳に昇る太陽の光を
紅い白目の中に取り入れ
嘆き悲しむきみの背後で
ぼくは聞こえないような小さい声で
きみの悲しみを言葉に置き換える
今まで生 ....
暗闇を切り裂く
鼻先の照明に浮かび上がる
寂れたプラットフォーム
ぼくの降りる駅
冷ややかなコンクリートに
足を下ろすと
確認したように電車のドアが閉まる
振り返るとぼくの存在を ....
遠い島の語りべよ
のびやかで、ゆるやかな
民族のうたを聴かせておくれ


たとえ
ぼくらの耳が難聴で
そのうたを聴き取れなくても
心をこめてうたっておくれ


その悲しみ ....
昨日十六年連れ添った
黒毛の雌猫を失った
土へと還すため
スコップを右手に穴を掘る
彼女がいなくなったというのに
空は相も変わらず
いつか遠足の日に海辺で見上げた
ソフトクリーム ....
もう何年も
目的を見出すこともなく
時間を無駄に撒き散らしてきた
あなた
ここいらで
自分自身を見つめ直してみてはいかが
非常に簡単なことです
自分の暗闇に沈んで澱を積み重ねる
 ....
木枯らしがわがままに通り過ぎる新月の夜
きみとぼくは人気の疎らな
寂れた駅のプラットフォームで出会う
互いにはにかみながら
それでも幼少期からそばにいる
竹馬の友を真似た笑顔で
触 ....
言葉が語る悠久は
その中身を満たすことが出来なくて
時間がいつまでも空洞のまま
波打ち際で形を変える砂の
不確かさに似た悲しさを伴う


二人手を伸ばして誓う永遠も
伸ばした手 ....
居間に
恭しく飾られている
モノトーンの写真
声も仕草も知らない
かろうじて
自分と父親を繋ぎとめていた
血脈以上の何か


十代の頃
鏡に映る自分が
架空の登場人物めい ....
オレは
うまい詩を書くより
うまいごはんが食べられれば
それでいい


オレは
詩に対する対する向上心より
人間性に対する向上心を持つことが出来れば
それでいい
見えなくなる薬をくれ


僕が飲んだら他人が
見えなくなる薬をくれ
嫌いな人間が透明に
見えなくなる薬をくれ
僕の大好きな彼女も
見えなくなる薬をくれ
息が詰まりそうだから
 ....
酒を飲んで暴れる親父が嫌いだ
人の言うことを聞かずに
好き勝手放題
周りから忌み嫌われる
子供の頃から
こいつにだけはなりたくない
そう思って
自分を律して生きてきた


 ....
窓から忍び足で差し込む
不躾な月光に映し出される
三原色な部屋の中で
目を閉じると
白い影の男が気配なく
同じポーズで座っている


頭の引き出しをかき回して
口元に浮かぶ言 ....
起きる
 食う
 働く
休む
 働く
 食う
働く
 休む
 働く
つかる
 食う
 遊ぶ
遊ぶ
 遊ぶ
 遊ぶ
 寝る・・・・・・


 ....
目の前で
人が血を流すのを見ると
自らの肉体が滅びる
と感じるくせに
ブラウン管の向こうに
押し込められた命の破片を
せんべいを食べながら
眺めることが出来る僕


死ぬか ....
TV画面から
無造作に飛び交う
紛争地域の凄惨な映像
脳内に映りこむ
絨毯爆撃を目の当たりにして
数ヶ月前
彼の地を訪れたことを思い起こしていた


そこにはまだ
戦車も戦 ....
会社で毎日のルーティーンワーク
すると
ぼくの肩を叩いた同僚が
ぼくを名前で呼ぶ
生きてきてから今まで
慣れ親しんだ響きじゃなく
初めて耳に飛び込んできた名前
驚いて振り返ると
 ....
乾 加津也さんの寒雪さんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
案山子- 寒雪自由詩311-11-22
祈りの在り処- 寒雪自由詩311-6-25
過ぎる季節- 寒雪自由詩311-5-29
- 寒雪自由詩111-3-15
混ざり合う- 寒雪自由詩211-3-7
言い表せない- 寒雪自由詩211-3-1
- 寒雪自由詩111-2-23
正義- 寒雪自由詩111-2-20
Solitude- 寒雪自由詩311-1-18
役立たずな- 寒雪自由詩311-1-2
プラットフォーム- 寒雪自由詩210-12-30
しまうた- 寒雪自由詩110-12-20
比喩- 寒雪自由詩210-12-8
仕様書- 寒雪自由詩110-12-4
別離の風景- 寒雪自由詩310-11-29
悠久- 寒雪自由詩210-11-19
- 寒雪自由詩410-11-17
芸術紙上主義- 寒雪自由詩510-11-1
くれ- 寒雪自由詩110-10-31
血脈- 寒雪自由詩110-9-29
対話- 寒雪自由詩110-9-28
平日の遊園地みたいな- 寒雪自由詩110-9-15
死ぬわけない- 寒雪自由詩210-9-14
God_Bless_You- 寒雪自由詩110-9-6
偽者と本物- 寒雪自由詩110-8-25

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