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波打つ薔薇の夢
その影で僕は首を吊る
そのとき
腐った肉の太陽が僕を照らし続けるだろう
すべての愛はワインに還元され
僕の脳髄を金魚が泳ぐだろう
ダイヤにとまった蝿
地面を愛撫す ....
(鈍色のニキビが気味悪いきみのビキニ/胸の谷間に宗教性を感じる/低気圧の随に彷徨う亡骸を救えば吸殻/戯言を睦まじく詰る間柄に豪雨/砂利道を慎ましく辿る先は賽の河原/幾何学模様に引篭もる愛の裏腹/「 ....
雁という鳥を
私は飼っています
しかし私が
雁について知っていることは
雁という鳥は漢字でどう書くのか
それだけです
その鳥はどういう容姿をしているのかだなんて
....
指の味がしそうな塩水というはなしを書きはじめると、たばこ屋のシマさんが居酒屋おかるの前で足をとめる。月面にでもロシアにでも辿り着けそうな路地を、がに股で歩いているような男が、でてきて、着ている ....
こどもたちの柔かい足のうら
パンのくず
魚、いるかな?
丸い5つの指を持つ足のうら
太古の感動を砂に記し
波の中の気泡に笑う
こどもたちの小さな足のうら
血管の美しくすきとおるそ ....
熱帯夜が明けた
翌朝の駅前通り
ハンカチを頬に押し当てながら
駅へ向かう街路樹の下に
無数のセミが落ちていた
電車を気にする私や
数歩先を歩くYシャツの人の
慌ただしい靴音が ....
暑い夏が好きだった
手に言葉を添えると時間が生まれた
時間に風味を添えると
愛の形が出来上がった
若さとは手品師だ
思いのままに時間の入れ替えができ
時間の繰越ができる
暑い ....
ひかりより速い存在に
乗ってあの星にゆけるのなら
二人してまた未来つくれるよ
ひかりより速い存在に
乗ってあの星にゆけるのなら
ひかりより速い存在が
発見された ....
高いところから
こぼれた水が
だんだんとぬくもりながら
流れおちていく
その
さいごのひとつぶが
目がしらに発見される
水は
いつもさみしがるから
海と
出会わなくちゃ
....
二子玉ライズの空中歩道は
向かいの広大な更地へ伸びるらしいが
この世界不況下
行き先の着工が遅れに遅れて伸び悩み
曇天の早朝
工事途中の突端には
長い銀髪の天使がしゃがんでいる
....
「君は自分の脳漿をデザインするんだ」と68歳のミック・ジャガーが新しいチームと共にずっと俺に話しかけている。月曜日の覚醒は雨。追悼の様なぽつぽつとした雨だ。午後に一度上がると思ったのに ....
ヒグラシの虫かごを片付けながら
また来ますよ と夏が言ったので
私は わかってますよ と返した
入道雲と夕立も出ていくみたい
いつも 夏は勝手にやってきて
小さい 秋を残して ....
空にサカナ
真夜中の太陽
緑色のオレンジジュース
永遠の幼児
逆向きの時間
現代の恐竜時代
金持ちだけの社会
命の定義
音楽のない世界
秋葉原の、ケンタッキーフライドチキンに並んで、
ポテトつきの、セットを買う。
つわりのひどい人が、ケンタのポテトだけが食べられた、
というのを雑誌で読んだから、
個人差があるので、単純参考には ....
たった1年で
大人になった猫は
春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり
夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり
秋にはふ ....
1
私がプラネタリウムのいちぶぶんになるとき、
それはわたしがプラネタリウムの一部分になるとき
それはわたしがプラネタリウムの一部分になるときの、
きみと、わたしのプラネタリウムの一部 ....
窓を開けて
春の風が入ってきて
ピアノの鍵盤ひとつ
押して消えてく
そんな嘘のような
ことがあったなら
それはきっと君の
優しさのせい
窓を開けて
流れ星が入って ....
アキアカネ つ、つ と飛んで
サルスベリの花は墓場に相応しい
しろい花 あかい花
手に取れば 鷺草、彼岸花に似て
柿の実色づく帰り道
家々に祭禮提灯
横腹の赤三つ巴 火の玉舞うに似 ....
青空には
嘘だってとけている
綺麗だとおもったのなら/君が
手を伸ばせばいい
逃げたいのなら
真一文字に切り開け
この空を
真ん中を
こぼれた光りに
僕も吸い込まれよう
....
何の前ぶれもなく
一ヶ月間もの眠りについた
眠っていた間
・・・記憶がない
まさかと思い
すぐには信じられない
目前の人をいぶかしげに見たが
こちらに向ける
彼の視線はまっすぐだ
....
重みのみ
かたどられて
古びたソファに
なお
居つづけるものあり
存在しないことの
実在
居つづける
無きもの
その日の窓枠が低すぎたので
思惑どおり
その人は落ちて ....
幾世紀もの家族がつながった半島の先端
岬はいつもそこにあって
空と海の高さを測り
見知らぬ明日の水平線を描いてきた
海を渉る鳥たちのために
半島に帰る人びとのために
灯りの落ちた ....
{引用=一}
地面がないときは歩かない
そう決めてたっていうのに
地面がない
地面がない
地面がない
ぼくはこわくて ひたはしる
足がないときは歩けない
そう思ってたっていうの ....
君がまだ小さい頃
仕事が一段落すると
すこし秋めいた アスファルトを歩いたっけ
まだ うまく喋れない君の
小さな手を引きながら
やっと歩くことのできる君にあわせ
二人で歩いていた
あたり ....
思い返せば、
みじかい言葉でした
苛立ちも
かげぐちも
願いでさえも
今となっては
レンズのない顕微鏡のような
役立たない、とは
言わないけれど
言えないけれ ....
雨を眺めていると
胸の奥が軋みだす
いつかの転んだ日の傷を思い出して
こんな日に新しい服なんて
着てくるんじゃなかったと ....
やまないあめの
のきしたでまっている
おじぞうさんが
むかえにくるまで
ひとがてのひらを
あわせている
いのちが
あめになるまで
{引用= 精液が夜に喪い、形のようなものを、
鮮やかさに押し込めるために、闇を乳白
にしてゆく、スローに叩かれるエンター
キー、ポットで黙るコーヒー、まだ幼い、
少 ....
この頃はパソコンを筆の代わりにしている
指先だけが大きく成長して脳の一部は退化してしまったが
それでも老いの防止にはなるからと
漢字などの変換機能に思考の一部を委ねている
....
君は素足でやって来る
秋の降る中を
夏の匂いを僅かに残して
僕は茫然として立っている
秋の野に火がつくのを見つめながら
まるで古代の儀式のように人が
人を殺して ....
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