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グッバイ、グッバイ、わたしの少女
いつの間にか髪も伸びて
いつの間にか真珠のような肌
暗がりをおそれていた少女は
星がきれいだからわたしは平気、なんて言って
怖ろしくも美しい月までも ....
遠いものたちが
ばらばらになって
散らばり
それぞれに互いがわからなくなると
世界はいったん
完成されたような
そぶりを見せる
燃えたあとの灰のように
のこったまま
離れを保って
....
.
あなたは出題する
あなたが謎であるかのように
あなたは謎ではなく
あなたが謎をかけているだけなのに
.
だからぼくはあなたの出題を読む
ふりをして あなたを盗み見てい ....
庭のむくげが猛暑で負けた
腐った水密桃のようになって
庭の隅がわくらばで参った
燃えるごみの置き場所のようになって
「風」がうなだれている
「光」は怒鳴り散らしている
「時」も ....
溢れ出る言葉
消えていく言葉
伝えたかった想いは
半分も伝えられなくて
言葉は木の葉に当たる雨粒
弾けて細かい粒となり
散り散りに飛散する
きっと一滴の涙の方が
よほど饒舌 ....
久々に実家に帰省したのだった
父は朝と晩にサプリメントを大量に噛んでいた
母は髪が抜けて
いよいよレディースアートネイチャーが必要なのかもしれなかった
「おめ、売れでんのか」
父が言 ....
誰かを踏み台にするなんてこと
あの頃の俺は考えもしなかった
「誰にも縛られないし
誰も縛らない。」
尻の青いロックンローラーの常套句を
恥ずかしげもなく仲間に話したっけ
時は流れ
....
ひとは
寂しいふりと、狂ったふりが上手です
全員ではないけれど
大半は、そんな気がします
彼女は論文を書きます
自分が、自分に出した課題で
原稿用紙を何枚も埋めるこ ....
私が殺した父母の名は
何度も産み直そうとした起源
月が満ち止め木が外れ流れ出す
無数の零の残骸
反芻する昨日の
無限に続く今日の
家族を殺して先へ先へと
何者にも成れぬまま
アプリ ....
夜が暗いから 僕は首が伸びていく
伸びた首が 電線の周囲を回転していくので
僕を中心とした渦巻きが 昨日いた鳩の骸を齧りだす
若い女性に人気があるクレープを
男子高校生たちは売ろうと決意した
クレープは売る前に
クレープは包むものだ
経営観は強気の攻め一本
結果については勝つか負けるか
の二分法
若気の ....
成層圏の上は
光も音もない
暗黒の宇宙
そこでは
法則の中で
星々は
存在している
晴れも雨もない
ふいに現れる
ブラックホール
吸い込まれる惑星
あたしは
....
脳漿の絨毯の上を
俺は歩いていた
それが誰のものなのか
なるべく考えないようにした
靴の底の感触は
あまりなかった
ただ
ときどき
ところどころ凝固したジャムのよう ....
午前0時
時計が動き出し
違う誰かになって行く
影を置き忘れて
朝を待ち
昼になり
夜になる
目が冴える
鳥達が目覚め
パンを食べ
ジュースを飲む
目の下に隈ができる。
....
三ミリ
ほど
白い部分が見えるまで伸びた爪
を
今日も放置した
自分の
体
に
誰かの爪が
食い込んだ
自分の爪より大きく厚い/turn off.
痛みには種類が、
....
西の国での日没は遅い
けれどもやがて
海にも陸にも火がともる
夕闇の中
黒々と大きなシルエット
あれは火力発電所
もう止められて久しいけれど
取り壊されない
原発に何かあった時 ....
ホタテの貝柱は
何故太いか知ってるかい
ホタテは死んだら貝柱を天に伸ばして
天空を支える役目があるんだよ
でもほとんどのホタテは
寿命が来る前に食べられちゃう
だから天空はその ....
今夜も
Shaggyの声を背に
夕食作るよ
昨日よりも
美味しく
なりますように
お尻
ふりふりふりふり
パパちゃん
美味しく
食べてくれますように
お尻 ....
息づく、生命の、青い匂いを嗅ぎ、言葉と、言葉の
隙間から洩れる、かなしい喘ぎに、くるしい、胸が
くるしいよ、思い出していた、おれは遠い ....
僕は、それを、思います
それ、は、空、を、思います
空、は、雲、が、浮かびます
雲、は、遠く、に、流れます
遠く、に、心、が、向かいます
心、が、きしり、と痛みます
きしり、と、君を、思い ....
今朝、ベランダの鉢植えから
見たこともない形をした花が
頭を覗かせていて
わたしは
この町に越してから
数ヶ月ぶり、に
カーテンを開いた
カラーボックスの大半 ....
用を足すだけなんだけどね
うら寂しい公園の片隅にあるのは決まって便所ってやつで
おおむね和式の便器しかなくて
紙なんか無くて
げげげのお友だちなんかの手が暗闇からぬらりひょん
べ ....
ボイラーマンとはわけが違う
そうさそうなのさ
ニュージーランドのキウイの中から
ぽっこり生まれたような
インザミラクル
この瞬間に立ち会えて良かったね
後悔はしないよ
そうさそうなのさ
....
右手が
左手を透り先へゆく
何かに触れる
何かを透り
さらに先へ
おおら おおら
ときく ときく
揺れに満ちる水
すきまなくすきまなく
兆しではなく ....
おかあさんだからって
人を愛せて当たり前なんて
人間は
人間を生むと優しくなれるの?
おとうさんだからって
人を愛せて当たり前なんて
人間は
人間を創造すると優しくなれるの?
....
胸の奥深く
茂みになったその向こう
木々、そのこもれびに
獣が棲んでいる
愛した女に、泣きながら、喰らいつき
肉を引き裂く
したたる血に、自身が切りつけられながら
喰らい、泣く
....
ベランダで
入道雲に向かって
指揮棒を振るおかあさん
白いシャツはヴァイオリン
大きいシーツはティンパニー
弟のズボンがフルートで
私のワンピはトランペット
晴れた日の
洗濯物 ....
ひもとくこと
ひもとくことを おぼえよう
ねこのみみ鳴り
蜘蛛の巣のひかり
淡くて せつない
綿菓子のような
こはるびよりの
あさひを浴びて
わたしのしっぽは
大きくふれる
幹をい ....
死んだ少女の手を取って
「タリサ、クミ」とイエスは言われた
少女よ、起きなさい
へべれけにされマワされて
中学生の少女は自殺した
夏の未明、背伸びの季節には
恋に恋する期待もあっただろう
....
革命的な言葉を口にしながら
麦わら帽子の海賊たちが船出する
追い風 あふれる秋色の陽光
夏をふりかえらない はしゃぎ声に
バルーンの剣を空に 掲げ、
略奪のためでも
自己の利益の ....
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