しみ
次代作吾

たましいの背中に
ひとつ
ふたつ
しみがある

ちきゅうが
完全なる球体では
ないように
たいように
黒点が
あるように
つきに
海が
あるように
くるまの
ハンドルには
あそびが
あるように
五円玉に穴が 
空いているように
心にも
穴があくように
みじんこの
背中に
羽が
生えているように
言葉が
雨だれ式に
左に
進むように

トロルが
がらがらどんに
蹴散らされるように
やぎの兄弟が
草を食むように
その目つきのように
はるめる
ほんとうのことを
串刺しにして
海が
ふくらんで
さらっていくように
夕暮れどき
染まる
うすいブルーがきれいで
向こう側
ポピパペポ鳥が飛んでいく
ベランダの洗濯物が
風に揺れていやいやを
するように
かわいた風に吹かれて
おしるこが
あくびをするように
心のきしむ音で
踊ろう
朝がくるまで
しみだらけの羽を
たたんで


自由詩 しみ Copyright 次代作吾 2016-12-27 02:59:56
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