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気まぐれな風が 鏡の水面に木の実を落とす
広がる波紋は 臆病な栗鼠の目に少しの不安を
それでも 冬支度の手を 休めることなく
すぐに静まって 平穏になるとわかっているから
羊飼いの ....
時が経っても たぶんきみはきみのままで
あたしは ラッシュの人波に流されて溺れて
年老いた患者の愚痴を聞きながら
磨り減って 川下の石みたいに 丸くなる
そうして彩色されていく
....
大正生まれだった祖父が
復員してきた時 涙を流した
巻き鍵をお守りに持って 出征した
古い柱時計 曾祖母も大叔母も涙を流した
父は物持ちが良く
ガラスが黄ばんだ腕時計を
引き出 ....
年老いていく 秋は黄昏の川に
燃え残った夢の残骸は 流れて
それでも 生きなければ ささやかな
喜びのために あてにはならない
忘れられた郵便ポストに 投函した
出しそびれた手紙 ....
水絵具で描いた 月の光
宵待草の恋は セピアの思い出に
茶色い時代の かざぐるまが回った
夜店の裸電球に くっきりと影を作って
夏が去っていく 風と花を連れて
公園の片隅に ぶら ....
「夏風邪,気いつけや」
マスクをしたあたしに
チューブだらけの 彼が言った
ぶっきらぼうに 頼ってくれた
無愛想さも 衰えていく 痩せた腕
二つに引き裂かれそうだ
「先生,顔色 ....
突然の夕立が
アスファルトに湯気を立てて
逃げ込んだ バス停の屋根
あたしはスカートを拭いていた
飛び込んできた
雷の音と いっしょに
きみの白いカッターシャツ
どきどき ....
透明な大気に満たされていた
谷あいの小さな あの村に
あたしの夏は いつも帰っていった
斜面のトマト畑で 見上げた空に
悲しみはなかった 日暮れの蜩の声にさえ
秘かに憧れていた ....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン
もう 彼の故郷に行 ....
穏やかな気持ち
鏡のあちら側にいる 羊
軋む階段の踊り場から
見下ろしている 外は月夜
白いドレスの裾は ひらひらと
ドアの隙間から洩れる
蝋燭の揺らめきに合わせて
昼間の庭 ....
青空を集めている
あじさいのつぼみ
青いガラス瓶
明るい陽に揺れる
痩せ細った手で
筆の先から
搾り出したような 一枚の絵
淡い青のあじさい
木立に濾された光は
揺れる葉 ....
りゅうのあくびさんの藤原絵理子さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
あたしの平和
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藤原絵理 ...
自由詩
13*
15-9-24
卒業写真
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藤原絵理 ...
自由詩
9+
15-4-26
発条
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藤原絵理 ...
自由詩
14*
14-9-22
秋の向こう
-
藤原絵理 ...
自由詩
8*
14-9-15
ゆく夏に
-
藤原絵理 ...
自由詩
11*
14-9-8
仕事場で
-
藤原絵理 ...
自由詩
5*
14-9-4
夕立の後の香り
-
藤原絵理 ...
自由詩
6
14-8-17
夏の歌
-
藤原絵理 ...
自由詩
8
14-7-17
ノクチュルヌ
-
藤原絵理 ...
自由詩
7*
14-6-12
月夜のプリズム
-
藤原絵理 ...
自由詩
9*
14-6-3
あじさい
-
藤原絵理 ...
自由詩
7
14-5-28
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