真昼の月
石畑由紀子

 
いつものことだけれど
早々に月がやってきたので
まだ授業は始まらないわよ、と
太陽に聞こえないように
こっそり耳うちした
けれど
待つのは嫌いじゃないから、と
頭をぽりぽりかきながら
自分の机に座って雲をながめている
あんなふうに言うけれど
実は教室一番乗りにこだわっていることを
私は知っているのだ


出席簿に
「○」
を付けて
三時の紅茶をいれにいく





自由詩 真昼の月 Copyright 石畑由紀子 2004-02-20 21:49:39
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