ねぇ、知ってる？
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界

（レプリカ、と言いたい？
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ

（きみの胸もパプリカ？
なによ、喧嘩売ってんの？
あんたなんか
ぷぅー、とふくらんで
ぱちん、とはじけちゃえばいいんだわ

私の胸の内側には
いま、とってもせつない植物の香りが
うすうく広がっているのよ

そうして深呼吸すると
パプリカの白い子供たちは
くすぐりあって笑うの
（パプリコ？
あら、わかってるじゃない

パプリコたちは
生まれることの
よろこびを知ってるの
もちろん
悲しみも知ってるけど
そんな曖昧なこと
出会ってからでいいじゃない

私の空色の虹彩に映る、パプリカ
つまりパプリカから見た
パプリカの世界は
透明な膜のかさなりで
それは何もない、ってことと同義なの
わかる？

（あー、みえるぞ、俺にも

ちなみにあんたは
パプリコのパプリカってとこね
ふふふ