日々ノ契約 
服部 剛

「 この世の外なら何処へでも ! 」 
という最後の詩句を読んだわたしは 
「 転居先 」について考えていたが 
そんな場所は、何処にも無かった。 

日常から逃れるほどに 
毎夜訪れ 
わたしをすっぽり包む「 牢獄 」の暗闇  

眠れぬ夜は羊より 
若くして「 この世の外 」へ逝ってしまった 
幾人かの友を指折り数える 

暗闇に浮かぶ ? のみを残して 
皆何処かへ、消えてしまった。  

この牢獄の小窓からは 
明日も光の剣が射すだろう 
朝の気だるさを、貫くように。 

机の上に置かれた 
汚れた表紙の日記帳 

灰色の日々をつづった
ノートの余白に描かれた 
ひとつの手は 
ひかりの小指を立てており 
わたしは自らの小指を 
その手と結んだ 








自由詩 日々ノ契約  Copyright 服部 剛 2007-06-02 20:37:14
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