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春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている

からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
乾いてゆく風があった
薄れてゆく光もあった
綺麗にされた夏だった

目の前に拡がる
どこか懐かしい景色に
なぜかふるい歌を思い出し
海に腕をさし入れる
かなしみが群れているのは
きっ ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
はつ夏は今年も空から降りてきた
すこし遅参だった
寄り迎える雨と

春の安らぎは訣せられ
季節の溜りから
そっとこぼたれ

そぼ濡れる外火のふるえながら吐息する
犬も女もさみだれ ....
子どもたちのかおり水はかがやく
わたしの足をのみさらうもの
それはとても自由な戯れに見えたけれど
目をとじて 耳をすませば
ひとつの韻律をかんじるわ
わたしもむかしは うたでした

 も ....
はじめて春の木漏れ日をデッサンする人は
黒いスポーツキャップをかぶっている
背骨のひとつひとつが明瞭で
白い服をさらさらいわせ
にぎやかな空白に
筆をさしこむ

そしてパレットの虹は ....
ことばは
かけらだ
かき集めて
かき集めて
つくる砂の城が
ひかりを浴びて
窓に飾る花の叫びだ
レースがひるがえり
それは、かけらだ


宿酔いだから
洗濯に行こう
宿酔 ....
コーラやガンジャが
ふみ潰されたコンクリートの上で
カーテン越しの光も
橙になってはだか

コニャックの上等も
空になっちまえば
抱かれ果てた
おんなの腰の辺りみたいだ

そう、あ ....
 最果で
 今年最後のさくらが咲いている


あの日、工場の辺りにはやっぱり同じような工場がたくさんあってね、その中ひとつの敷地に桜の大木が並んである。
バスも届かないくらい、おおきな桜だ。 ....
 エスカレータで夢を見る

ふわふわの風船、逃げられて
いまにも泣きだしそうなおんなの子
ジャンプして捕まえた糸に端の輪をつくり
ひとさし指を通してごらん
これで赤色どこへも行かなくて
 ....
山川駆けて 広いおとこに
影陽捕まえ 強いおんなに

薪をかさねて 干したら眠れ
井戸のくみ水 かかえて帰れ

鯉が釣れたら 背に垂らせ
花を摘んだら 額でかざせ


白川の流 ....
あの暖かい日
お前が何をして過ごしたのかわかる
なぜその足あとが
ところどころ途切れていたのかも
今ならよくわかる
廊下から部屋へ曲がるあたり
眺めて拭く気になれなかった

魚がコ ....
青いひかりテーブルでぽつり
グラスのふちに残された
口紅をぬぐうと砂糖の甘さ
部屋のすみずみで
とけ切らずゆれていた
おまえの唇に映る模様
グラスの底の乾き

俺はいつも眠たくて
 ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら

その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
それは、冬の公園で
午後の風はきみのもの
ちぎれてひとつ、またひとつ
木々を背にしたベンチから
息を吹きかける
胸がふくらみはじめた
一輪車で少女がすぎる

空をうつした水たまり
 ....
ルナクさんのsoft_machineさんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フランス人形- soft_machine自由詩20*08-3-29
乾いてゆく風があった- soft_machine自由詩16*07-10-13
いきづく花- soft_machine自由詩19*07-6-5
あゆみ- soft_machine自由詩14*07-5-16
わたし_うたでした- soft_machine自由詩29*07-5-3
春と夢を描くはなし- soft_machine自由詩13*07-4-29
かき集めて- soft_machine自由詩31*07-4-24
さびしさについて- soft_machine自由詩14*07-4-23
最果の春- soft_machine自由詩23*07-4-18
ふたり、夢を見る- soft_machine自由詩10*07-3-13
肥後童唄- soft_machine自由詩6*07-3-11
ぐるぐう- soft_machine自由詩7*07-3-10
マシュマロの首飾- soft_machine自由詩8*07-3-8
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
そめられる鳩- soft_machine自由詩15*07-3-3
それは、冬の公園で- soft_machine自由詩14*07-2-24

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