I あがないの子羊



I・I 刺すいばら、苦しめる棘


その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
  

僕が森に行くのは
そこに隠れている夕焼けを
あの日の夕焼けを見たいからで
森に行けないときは
こうして目を閉じている
できれば
君の息が聞こえるくらい静かな場所で
静かな気持 ....
あ、風くる、風くる、土曜日の公園で急に磁石のように方角をかえて真鴨の黄色いクチバシのように極端に長い、先の尖ったヘルメットが思わずぼくの眼球にぶつかりそうになる。そんな被り物をした一人の中年のメガネ男 .... その人は 軀がうすく
流れをまとい あたたかくして

偶然まとまった
誠実な想いや 花のかおりなど
求めなかった
誰にもひらかない
固くひき結んだ 白い口を
譲らなかった

 遠ざ ....
駅前で少し遅めの「朝定食」を食べる。
ご飯、焼鮭、大根おろし、味噌汁、生卵、漬物という定番だ。
客も少なく静かなテーブルに座り、ゆっくりした朝を過ごした。

バス停がある時代を生きている。僕は ....
今年もうぐいすが鳴いた
うぐいすが
うぐいすであることを誇るような
透明の声は
命の分身
離れてしまえば
もう本体に戻ることはない
永遠に

たとえば
意に沿わない風にも
うぐい ....
道は一つだけじゃない
キミは一人ぼっちじゃない

誰かの足跡
草を踏んだあと

その後に続け続け

来た道 引き返したくなる
時たま しゃがみこむ

いいんだ それでいい
 ....
新じゃがいもをたくさんもらったので
ご近所さんにお裾分けした
お返しに、と
果物をいただく

蜜柑のようでちょっと違う
きめ細かいすべっとした黄色い皮は薄く
手でむけそうだ
現れた果実 ....
 京都駅構内のアスティロード商店街を抜けて
 おもてなし小路を行くと連れの彼女が独りごちる
 「うわ、六百十五円やて!」

 何事かと 彼女の視線みると
 老舗珈琲店の店先ショーケースにはり ....
焼き物の詳しい知識持ってないただ純粋に魅力に触る

七宝の魅力伝える展示会大作を見て奥深さ知る

寒々と冷たい風に襲われる厚着をしても擦りぬけてくる

焼き飯の美味いと分かるその香り空きっ ....
さっきから何を探してる
SNS片っ端から使って

ただ静電気のような胸の痛みが
どこかを意識してるから
やめることができない

思いがけないエメラルド
それが小さな画面のどこかにあ ....
 コーヒーを飲み終えられたベルゼバブさまは、机の上に置かれたアルコールランプを手元に引き寄せられると、指を鳴らして、火花を発して火を灯されました。すると、ベルゼバブさまの前に坐らされておりました老人が ....  
 ボードレールの作品世界に通底している美意識は、詩集『悪の華』(堀口大學訳)に収められた詩の題名によって捉えることができる。たとえば、「不運」、「前生」、「異なにほひ」、「腐肉」、「死後の悔恨」 ....
目覚めると昇る朝日に向かって
手を合わせる
夕暮れには沈む夕日に向かって
手を合わせる
感謝に始まって感謝に終わる暮らし
ああ!美しい70代ここにあり

金もうけも勝ち負けも名誉も捨てて ....
ねーもし美容院がプールだったらどーする?(水着きて行くね)じゃーもしはーちゃんのほっぺがなくなっちゃったら?(ほっぺ早く生えてくるようにごはんたくさん作らなきゃだね)もし女の人同士が結婚したかった .... よく聞こえる耳はいらない
なんでも見分ける鋭い目も
もっと聞きたいと思うこころ
飽きることなく見つめてしまう
忘我の時をいつまでも
得ることは失うこと
あらたな構築と古きものの破壊
たえ ....
キュウリが好き
スモウが好き
みんなそう?

よくわかんないけど
じっぱひとからげに
カッパまとめて
カッパヒトカラゲ

そして僕は
カッパヒトカラゲに
カッパが好き
そんなきみは本当はぼくじしんのたたかいだった
シデムシマンよ
きみはぼくのひみつの友達
きみは黒い上翅のマントをひろげ青空のどこからかやってきて
急降下でキャタピラーのタイヤにしょうとつしたか ....
人間は個として
およそ同じ体積の中で
古い身体を処分し 新しい身体を作り 生きている

樹木というものは
死んだ古い身体の上に 新しい身体を重ねながら
体積を増やし続け 太く大きくなってい ....
木々の枝葉が大きく揺れる

熱風が吹いているのだな

濃緑の群れが青空に
美しく浮き出すようになびく

熱いうねり 風景をかき混ぜ

世界が立ち現れる、
引き伸ばされた瞬間の光景と ....
目の前に大きな山が聳えている
あんなに高い所まで登れるんだろうか
と思っても
一歩一歩登っていくと
必ず頂上に着くから不思議だ
どうしてわざわざ苦労して山なんかに登るんだよ
という人がいる ....
幻想が消えていく

私の人生を彩っていた 夢の中の人々

私のために 私が作った 私の家族たち

さよならも言わず なんだか笑顔で遠ざかる

私は泣きながら立っていた



窓 ....
時を隔てて人は変わる
人が変わると街が変わる
街が変わると想いは募る

変わるのは人の心なのかそれとも街なのか
思い出は深く胸に刻まれ
けれども風景は変わっていく

思い出してごらん
 ....
 {ルビ十重奏=デクテット}な鈴虫の競い鳴きに
 飲んだアイスコーヒーのグラスもそのまま微睡む 
 日暮れ前

 曇りならば昼間でも鳴く
 それは{ルビ八重奏=オクテット}から{ルビ七重奏= ....
黒いズボンに白いシャツ
僕はパンダぽくなれたと思う
のに のだが 
誰もわかってくれない

シュッとして見えるせいかなって
足を上げて見せたら
足が短いってびっくりされた

びっくり ....
もう もどっては こないよって

あいつは いった

ぼくのことなんか ほっといてよって

あいつは いった

ツチノコ ツチンコ シタリガオ

また どこかで会えるって? ....
孤独を分かち合う
人はいる?

私にはいない

抱きしめてくれる腕も
名前を呼んでくれる人もいない

孤独とともに
いるしかなかった

あの頃
ねむっている
きみの頬
それは言葉のない絵本のようなもので
とてもカワイイ
きみの夢のなかで
そのやわらかな 二枚のページは
そらにとばされた
あかいふうせんとなり
おいしそうな
あ ....
痕がある
誰にも知られたくない痕がある
痕が疼く度に
歯を食い縛る
今はそれだけしか出来ない
やがて痕が
わたしを生かす為の
糧と成る事を祈る
 一年間の努力と忍耐の成果を確認する時がやって来ました

 朝食は抜きですよ

 背伸びなんかしてないで

 体重は減らせないでしょう

 深呼吸して下さいの言葉と

 ブーー ....
足立らどみさんのおすすめリスト(1418)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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かぐや- soft_machine自由詩323-5-27
通行人1- 空丸自由詩1023-5-27
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__その後に続け続け____2020年8月11日制作__20 ...- ルルカ自由詩323-5-24
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アップルパイ- リリー自由詩8*23-5-23
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エメラルド- 木葉 揺自由詩523-5-22
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『斎藤茂吉=蠅の王(ベルゼバブ)論』。- 田中宏輔自由詩13*23-5-22
美しい70代- ホカチャ ...自由詩4*23-5-21
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カッパヒトカラゲ- 日朗歩野自由詩2*23-5-19
シデムシマン_ライジング- 本田憲嵩自由詩4*23-5-19
樹木のように- 日朗歩野自由詩11*23-5-18
祝福の瞬間- ひだかた ...自由詩6*23-5-18
山に登ると- ホカチャ ...自由詩6*23-5-18
さよならも言わず- 短角牛自由詩9*23-5-16
雑踏にて- 久遠恭子自由詩423-5-15
アンサンブル- リリー自由詩7*23-5-15
なりたい自分になる- 日朗歩野自由詩5*23-5-15
ツチノコ_ツチンコ_シタリガオ- 田中宏輔自由詩12*23-5-15
共存するしかなかった__2012年頃のもの_2023年5月1 ...- ルルカ自由詩2+*23-5-14
あかいふうせん- 本田憲嵩自由詩623-5-14
飛翔- 渡辺亘自由詩323-5-14
健康診断- 佐白光自由詩1*23-5-14

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