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ふりむくな ふりむくな
うしろには夢がない
── 寺山修司
紫陽花や今日も明日も通る道
紫陽花や毎日通るこの家も
....
時計の針が前にすすむと「時間」になります。
後にすすむと「思い出」になります。
── 寺山修司
紫陽花に雨近づくや曇り空
もどり来て ....
笑うか笑わないかは個人差があります。
その点はご了承下さい。 敬具
真面目な俳句 九句
紫陽花の季節いつものその家も
紫陽花をもうしばらくに見て ....
それしかできない
ごめんねと 書く
── 羊文学
夏のバス不審なぼくを皆避ける 🚍
決められずプリンとゼリー混ぜて食ふ 🍮
おっぱいにチップ ....
雨の朝土曜目覚めてまた伏せて
それは神様でも
たぶん知らなかった
── hound dog
何か言ひ残すかのやう春の雪
やがて散る花もたしかな今を咲く
鶯や健やかに ....
散る音も転がる音も枯葉らし
寒のみを老野良猫に感じたり
木枯らしや葉っぱ転がる二歩三歩
{ルビ皸=あかぎれ}が嫌がらせする小指かな
ランナーを真似てか岸辺走る鴨
それぞれ ....
🎅 クリスマスサンタさんゐる包装紙
🦌 クリスマスサンタ{ルビ来=こ}ぬ子に{ルビ4=ヨン}タ来る
🎅 降る雪も音符{ルビ奏=かな}でる聖夜かな
🦌 クリスマス真っ赤な服でピザ屋来た ....
コーヒーをやめて{ルビ白湯=さゆ}にす冬の朝
小春日の電車園児に満たされて
ふくよかな大根足の{ルビ娘=こ}もいいね
その音のパリッと淋し踏み落葉
シュッとして冬のゴキブリ安楽 ....
大根断ち白き純情現はるる
鯛焼の尾までうっすら{ルビ餡子=あんこ}かな
鯛焼屋客の多さに目が泳ぐ
鴨のんき見るぼくも又のんきかな
くるりんと体丸めて鴨潜る
{ルビ灯火=と ....
街角でティッシュ渡され冬の空
この冬は{ルビ暦=こよみ}通りの寒さかな
からころと下駄を鳴らして湯ざめかな
掃く人の去りて落葉がまたひとつ
野良猫も老いの歩みや落葉道
「 ....
詩の様に小花に秋の小蝶ゐて
食ふ顔も干柿に似るおばあちゃん
靴置き場{ルビ紅葉=もみぢ}もふたつ並びをり
妖精が紅葉を履いてやって来た
ぷるぷるの中に歯ごたへ橡の餅
干柿 ....
大福の舌打つ甘さ稲光
秋逝くも大福食うてのんきかな
大福の豆噛み殺し菊供養
品切れで焼き芋を買ふ焼き芋屋
焼き芋や思ひ出はみなほの甘く
この小銭さて豚まんか焼き芋か
....
ごみ箱にポンと紙くづ冬隣
秋蝶の影消え風の軽くなる
つぶやけば淋し野菊といふ語感
うつむけば青空の色{ルビ牽牛花=けんぎうくわ}
それぞれに名の美しく秋の草
団栗のひと粒 ....
げんこつの様な顔して虫が鳴く
猫じゃらし風とくすぐり合ひにける
まだ夢を見てゐる様に蟬の殻
やきいもを割ればその湯気天高く
永遠に感じ栗むく指痛く
主人待つ仔犬繋がれ冬隣 ....
やきいも屋マイカー磨く冬隣
{ルビ瓢簞=へうたん}の立たせてもまた転びけり
セクシーに腰くびれたる{ルビ瓢=ふくべ}かな
秋蝶の翳りありける小花かな
果たしたき夢まだありて残り ....
つなぐ手に夕陽の映えて赤とんぼ
ゲームにて地球を守り星月夜
野良猫の痩せたるを見て冬隣
防犯のカメラにピース菊の紋
風にまた雨音かはり破れ蓮
さつまいも料理出来ぬが生もら ....
{ルビ蜻蛉=とんばう}の消えて濃くなり空の色
もぐ人に青空近し青蜜柑
虫食ひもまた可愛らし初紅葉
秋の蝶止まる小花の定まらず
切り株に燃え移らむと苔紅葉
名を知らぬ風 ....
秋の蝶どこからか来てどこかへと
砂時計落ち切りて午後{ルビ酔芙蓉=すいふよう}
蟬の殻この世の何にしがみつく
宿題の夜長消しゴム転がす子
得た夢と失った夢蟬の殻
始ま ....
秋蝶の影を失ふ小花かな
ほやほやと優しき言葉ふかし{ルビ藷=いも}
鍋の中小さな{ルビ喧嘩=けんか}芋と芋
三日月に負けずバナナの曲がり方
きっと地球見てる人ゐて天の川
....
夕暮れや紅葉を冷やす雲の影
流れ星窓に腰かけハーモニカ
色めくは雲のみならず秋夕焼
朝顔に歩み緩めて二歩三歩
朝顔や隣にまはす回覧板
登りきりそよ風のさき初紅葉
彫 ....
風香り木犀と知る曲り角
木犀の香る風折りポケットに
夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ
空蟬に{ルビ未=いま}だ命の気配あり
木犀の香り初恋思ひ出す
ぴくりともせず蓑虫はお留守か ....
心の地図にのってない場所へ
出掛けてくると君は言う
──UA
手紙書くきれいな気持ち小鳥来る
秋風を連れ去るもまた秋の風
鳥渡り{ルビ ....
描き出すもの
愛も欲望も全部絡まっていて
──Grapevine
赤とんぼ夕陽と共に籠に入れ
虫の音やそのお姿は置いといて
名を知 ....
梅雨晴れ間 産声あげる 我が詩集
いまは無い
おでんの屋台
何処いった
焼き鳥の
匂いが誘う
帰り道
チャルメラは
スピード上げて
走り去る
もつ煮込み
野菜だらけで
吐息つく
コンビニに
行 ....
酔い覚めて
一杯二杯
もう一杯
寝起きは夜中でもまぶしく
かたちがある白桃
出れば開けた土地に霧
秋気は強烈な感情しかしわたしのではない
他人にも自分にも向かわなければ天に向く
朦朧さではない秋の意識の ....
風の叫びを きけ
魂からの雄たけびで 一撃
露骨が過ぎる 猫なで声
やってくる秋 去っていく夏
浜辺に行って 貝を集めたい
聞かなくても わかるカンケイ
男転が ....
曖昧な横顔秋の海
社会の腕力から逃れて逃れて秋めく
階下に運ぶ珈琲のように長い時間をこぼした
それぞれの孤独を持ち寄って孤独なままでいる
空が斜め渡り鳥
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