抽斗の中のメモのきれはし
道草次郎

コオロギ

ぼくという
幼子がいなくなっても
コオロギたち
しばらくは まだ
地球に
いるのですか



音たち

しずかと思われても
時計の秒針
鈴虫の声
サーキュレーターのかすかなうなり
そうしたもので
夜は
たえず なにか を
もしかしら
日付け変更線 なんかを
キープ
している





ごめんなさい 服
あなたに腕をとおすとき
心は ここに在らず
ばかりだった






靴 いつも乱暴につっかけてばかりいた
でも 君は
ぼくをひとりぼっちにしなかった
たまには
歩くよ

裸足で




自由詩 抽斗の中のメモのきれはし Copyright 道草次郎 2020-08-16 18:35:55
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