夜に喫茶店に誘われるというのも珍しいし、この時間に開いている喫茶店も珍しい。ここに誘った男が力説するこの店のよさについての話に、大袈裟な相槌で新鮮な驚きを演じながら聞き入る振りをする私を、さっきから ...
(世界は、針の骨を隠して生きている)
その身にさくり、
前歯を立てる。
雪のような淡白な
甘味のある肉の味が
春の風を呼んでくる。
けれどもその下で
支えている鋭い骨は ...
列車のベルが心臓直下で響きわたる
蒼白い片道切符を握りしめた駅
朝露で濡れた手は容赦ない
初夏の日、快晴、音楽、赤血球
揺すりあううちに まとめて角がとれて
本能が吹きすさぶ山頂のこの駅 ...
ザッザ ザッザ
足音、響き
さ迷う人
その心中に
微動だにせず静か佇む
確かな凝視、
サヤを剥く
さ迷い人の惑乱を
さ迷い人の心魂を
裸にして、裸にして。
さあ お菓子を持っていきなさい
ぜんぶ持っていきなさい
キャンディーにチョコレート
クッキー マシュマロ おせんべい
袋いっぱいにつめて
ほらポケットにもまだ入るから
これは魔法のキャ ...
1 本を読む三十分ペラペラと百二十頁で付箋
2 アニメ観る可愛い女惚れちまう知らないうちに最後まで観る
3 ビートルズジョンレノンの若い頃古いライブを繰り返し観る
4 扇 ...
あなたの身体に触れたいの
つのる想いを手が感じるの
階段で躓いた
手を取ってくれた あなたの感触が忘れられないの
後ろからそっと手を伸ばし ギュッとしたいの
おどけた素振 ...
> 山奥支店の皆様へ
> お疲れ様です、本社の高田です。
> このたび、今月30日をもちまして一身上の都合により
> 退職させて頂くことになりました。短い間ではござい
...
どの業界にも妖怪はいる
そういうことだ
バケツいっぱいになった涙を
今夜こそ ぶちまけてやる
そう思ってから幾日たっただろう
涙はバケツから溢れて
私の全身はびっしょりと濡れている
もう涙なのか 小便なのかも
定かではな ...
生前の叔父は奇妙なものを食べていた
林から掘り出してきた一升瓶を
土まみれのまま縁側に持ってきては
ブリキのたらいに中身をあける
おそらく獣肉を熟成させたものなのだろうが
なかば液状化したそ ...
鋼鉄の街には鋼鉄の光が降り注ぐ
街路樹の柔らかな緑も
公園のしっとりとした土も
すべて鋼鉄でできている
もちろん電話線を流れるのは
情報と化した鋼鉄であり
行政組織も警察組織も ...
白い平面に産み付けられた
色とりどりの有精卵が
液体の飛沫に刺激され
静かに食いやぶられる
ひかりながら溶液にまみれて息をする
数々のかたちの違う幼生虫が
白い平面を徘徊する
飛散し ...
必要な出逢い
必要な別れ
繰り返し強くなる
出逢いの予感が強くなる
良い出逢いであるほど嬉しい
人とのコミュニケーション
深まっていく関係が
環境を良いものに変える
別れは ...
すっかり秋色に染まった道を歩いていた。
足元を覗くと落ち葉にも色々な色があることに気づく。
こんな事にも気が付かなかったのか。
秋は徐々に深まってゆくのだ。
最初から難しい ...
三丁目の彼は
四丁目の彼女を知らない
こんなに
想って、も
諦観を知らない彼女は
痛みをくりかえし
懲りずに
想うことをやめない
天も地も人も
味方をしない
一 ...
真夜に向かってどんどん
冷めてゆく ひとの体温
あつめて 作り上げた
ここは 四丁目のカフェ
四丁目のサンクチュアリ
入り口は木製のドア
古いふるい西洋の、
お城の廃材から 作っ ...
ご近所の
あまり繁盛はしていない
お花屋さん
三代目とか、で
商店街に下りる 区からの予算で
やっと 食べている……
って
三代目だから 役員をしていてね
お店を開いているだけで
暮 ...
毎月だったり3か月おきだったり冬は来なかったり
よくわからない頻度でそのバンはやってきて
5人と書かれた確認票にサインを強請ってくるので
私は大体黙って苗字を書く
/
テーブ ...
出逢った
それだけで幸せだと
あの時は
本当にそう思った
でも人って欲深いんだね
笑っていられる
それだけで
心がホッとしたのに
今では
笑おうとするだけで
涙がこぼれそうになる
...
なみなみと
注いだ水が
溢れ逝く
別れた白湯が
私の重さ
あんみつの
甘さにまけぬ
君恋し
みつに絡まる
いくばくの豆
一人部屋
雨音の部屋
湿った部屋
花咲かぬ部屋 ...
「いつかは死ぬんだ。」と理解をしたら
そこにいたはずの父が居なくなっていた。
「これからは、家族と力を合わせて生きてゆきなさい。」
墓前に背を向けた直後
三人姉妹の耳元で
父は確かに ...
安らぎの場なんて
何処にもないってこと
思い出させてやるぜ
この世の地獄からは
誰も逃げられやしないんだよ
ガハハハ
コラッ!玉太郎!
また、そんなところに
落書きして!
あれほ ...
孤独な猫だった
丸焼けの鳩だった
まわらない風ぐるま
一等星へ続く坂道を
駆け上がってく自転車 ふたり乗り
後輪ナットにハブステップ 君は立ち乗り
スカイツリーはバベルの塔じゃない ...
夜明け前に仕事を始める
様々な場所から様々な理由で運ばれてきた壺が
庭に無数に置いてある
それをいくつか隅に転がしていき
思いきって頭上に持ち上げた後
ふっと力を抜いて地面に叩きつける
こ ...
あの楡の巨木の根元に君を座らせ
モノクロ写真を撮ったね
あの川の傍らで
いきなりの雷鳴に
君は慄き
ぼくの腕を掴んだ
豪雨がぼくたちを襲ったのは瞬間のことで
やがて空は晴れて
...
霧の彼方に映る影
父母の面影が遠くなる
夭折した妹と弟の面影が遠くなる
そこに近づけるのは何時のことだろう
やがては逢えると信じている
輪廻の果てに
きっと逢えるだろう
そうした ...
すくってもすくっても水溜まりにうつった虹をすくいとれず、ぽたぽたとおちるのは汗と涙ばかり。最近、元気のないかあさんに見せてあげたかったのにとぼくは途方にくれ高い空をみあげた。もちろん虹はとっく ...
確かではない静寂に
ぼくらは包囲されている
心配することはない
ナイフはある
鋭利ではないが
脆弱な肉体でもかま(わ)ないたくましいたましいがあれば
あたりまえにすべき ...
中島恭二(島中充)
プロローグ
気が付くと四角い格子の箱に入れられ菫の花に囲まれた駅前広場にいた。衣服を脱ぎ、こげ茶のタイツをはき、海水パンツをはき、広げると蝙蝠のようになる ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
Miz 8
深水遊脚
散文(批評...
2*
15/10/10 18:46
さわら
あおい満月
自由詩
7*
15/10/10 15:19
光のプラットホーム
ありか
自由詩
17*
15/10/10 15:02
自我
たけし
自由詩
3
15/10/10 13:35
老いた魔女の歌
ただのみきや
自由詩
17*
15/10/10 13:06
短歌集
陽向∮
短歌
6*
15/10/10 11:32
ボディーアタック
佐白光
自由詩
2*
15/10/10 9:16
Re: 退職のご挨拶
イオン
自由詩
1*
15/10/10 9:06
業界ウォッチ
〃
自由詩
1*
15/10/10 9:05
IKB
小川麻由美
自由詩
1*
15/10/10 8:56
遺品
春日線香
自由詩
2
15/10/10 7:50
鋼鉄
葉leaf
自由詩
2
15/10/10 6:43
コロニー
山人
自由詩
3*
15/10/10 6:06
出逢いと別れ
夏川ゆう
自由詩
2
15/10/10 5:53
友
ヒヤシンス
自由詩
8*
15/10/10 4:52
想い
もっぷ
自由詩
2
15/10/10 3:37
サンクチュアリ
〃
自由詩
2
15/10/10 3:31
四丁目の花屋さん
〃
自由詩
2
15/10/10 3:17
浄化槽
ブルーベリー
自由詩
2*
15/10/10 2:21
前を向いて
文字綴り屋 ...
自由詩
1
15/10/10 1:36
さいかい
帰る
短歌
1
15/10/10 1:32
さようならの前に。
梓ゆい
自由詩
2*
15/10/10 1:26
キンタマ王子、悪魔になる
花形新次
自由詩
0+
15/10/10 1:21
さよならを言うつもりはない
北大路京介
自由詩
20
15/10/10 0:16
たつき
春日線香
自由詩
2
15/10/9 23:50
あの日
レタス
自由詩
1
15/10/9 23:46
マラソンランナー
〃
自由詩
4
15/10/9 22:55
空が落ちてる
阿ト理恵
自由詩
3*
15/10/9 22:51
サイレントジャック
〃
自由詩
7*
15/10/9 22:48
公務員に成れなかったコックローチ
島中 充
散文(批評...
3*
15/10/9 22:20
1750
1751
1752
1753
1754
1755
1756
1757
1758
1759
1760
1761
1762
1763
1764
1765
1766
1767
1768
1769
1770
1771
1772
1773
1774
1775
1776
1777
1778
1779
1780
1781
1782
1783
1784
1785
1786
1787
1788
1789
1790
3.89sec.