親知らずが生えてきているらしい。レントゲン写真には横向きに生えた奥歯が白く輝いていて、このまま処置をせずに伸びれば隣の歯に突き当たってしまうのが容易に想像できる。今のうちに抜いておいたほうがいいだろう ...
命、光輝く
命を生け贄として
幸せ、花開く
不幸せを養いとして
どんなに喜びの深い海にも
一粒の涙が
溶けていないということはない
*谷川俊太 ...
ファスナーが馬鹿になった。
昨日までは天才だったのかもしれない。
私の心に一匹の
ジョン・コルトレーンが棲みついて
ジャズを聴かないときも
詩を書かないときも
離れることがない
雲がわくわく湧く
体の外にはみ出して
空に入道雲が
その中に腕を突っ込ん ...
雨滴は弾かれて、空へと帰る。
雨音を一つ一つ、数えている。
ああ、そんなこともしていたんだね……
(タンバリン? そう、それとも?)
都市の空隙を埋める、──
人工のノイズ。
...
梅雨が割れて、──あの灰色のあたり、あそこから落ちてくるのだろう。靄った街のあいだに。そこここに光、それは人の気配であるのだけれど、私を通過していく。私は薄い闇だけを見ている。グレーの綿。あれが灰色 ...
落下するのです。あれは私たちとは別の世界。
誰かが言ったわ。
「生きるためには仕方がないから。
死にたくないのであれば、相手に悪いなどと思う必要はない」
……そうなのかしら、
とその言葉を ...
蛾がおびただしく舞う
古い白熱電球のもとに
私はうずくまり
鉛の玉を抱えていたのだった
来たる冬はすでに失踪し
魚眼のように現実を見つめている
そして体内に大発生した虫
幼虫の尖 ...
愛する由梨絵さんへ
お元気ですか。そこにいるだけでまわりを爽やかな風が吹きはじめるようにしてしまうあなたのこ
とですから、きっと幸せに暮らしていると思います。わたしを養女としてくださった富 ...
愛する由梨絵さんへ
水坂由梨絵さん、今は杉谷由梨絵さんになりましたね。幸恵さんから届いたお手紙で、あなたが幸
せであることを知りました。わたしたちも優しい養親になった蒼太郎様のもとで楽しい ...
親愛なる由梨絵さんへ
心のこもった丁寧なお手紙、有難うございます。
まだ、杉谷家の娘になったばかりで緊張の毎日だと思いますが、あなたはそれを素敵で優しい言葉
にして送ってくださいましたね ...
職場で仕事をしたり
恋をしたり夢を語ったり
それらをするのがすべて男だったら
登場人物は少なくてすむ
コンパクトに世界をつかめる
つかんで世界と折り合っていける
...
その産声も周囲の空気を震わせて
その場に居合わせた何人かの鼓膜に音を伝えたに違いなかった
その時の周囲の人間の喜びと安堵がどれ程のものであったかと想像しても、すべては遥か昔話だ
本日、選 ...
ひたひたりと障子の裏
板張りの縁側を歩く女の影があった
夢だということはわかっていた
ずいぶん前に引き払ってしまった
もう祖母しか住んでいなかった一軒家
広い仏間には掛け軸も
どこ ...
月の裏に池があったの
あなたは覚えている?
私はクッキーを焼いて
ラズベリーソースをのせた
初めての恋だった
でもあなたは行ってしまった
あの星に種を蒔くと言って
枯れた池を見に ...
パリの妖精
第9話「セーヌ川の妖精」
誰が流してくれたの
子供だろうか恋人かもしれない
マロニエの葉が一枚
セーヌ川をいく
マリー橋の欄干から妖精が
舞い降りて横になり
...
? × ラ 々 Z
I D ラ 木 流
多 川 リ △ ∩ ⊃ 也
2 夏 3 圖
木 乃 伊
亞 儒
2 ヶ
/
閒
/
1 ...
宇宙のむこうへ
理想のむこうへ
灰色のむこうへ
迷路のむこうへ
バスのむこうへ
孤独の向こうのかなたへ
道理の向こうのかなたへ
もう少し向こうのかなたへ
思いの向こうの ...
オートバイには
バックギアがないからね
ライダーは前向きにしか
生きられないんだ
オートバイには
ボディがないからね
ライダーは覚悟して
生きているんだ
ライディングでね
人 ...
並木道で
二つに分けた
落ち葉を触れるたび
どんな言葉や
温かい声も
包めなくなった
身体が痛い
過去にしたくないと
思った時
似たような葉っぱ
並べて見える
隙 ...
一旦、ザルにあげておきなよ。
生活に疲れたなら、旅に出たっていいよ。
小枝から千切れた葉を
風が小川に運ぶ
妖精が降りてきて
流れる金色の葉で昼寝
キキョウもリンドウも
カエルもアメンボウも
メダカもカジカも
二度とない秋の昼休みを
空の下で味わ ...
悪魔の囁きをきく事がある
て
言うよりか
私の正体そのものが実は悪魔で
普段は人間の囁きに耳を傾けながら
生活していると言うべきなのかも
しれない
当然
私の中では
たえず悪魔と ...
知り合いに実に可哀想な男がいた。
俺と同様に洋食のコックだった。東京の下町のレストランで見習いから始めて、そこに十年近く働いた。
なんとか一人前の職人になった頃、父親に呼ばれ郷里の町で父親の資 ...
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた
りーん
ちりーん
光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ...
ドリアン♪ドリアン♪
ドリアン♪うんちくさい~♪
ホテル(バンコク)近くの
スーパー行ったら
店から臭うあなたがいた
赤ちゃんうんちのような
軽くて甘い汚物臭
ときめく出会いに鼻は
...
何匹や尽きるまで鳴く蝉の声
得意気にスタッカートでカラス鳴く
渓谷や湧水足りず鴨歩く
やさしさは沁みる消毒液の中
おひたしやほうれんそうの思うつぼ
帰り道たまやとぽつり遠 ...
穢以上に汚れて青春の夜
勿体ぶって擦ったマッチの数
試しにその女の頬を
思い切り
ほら平衡感覚が
後から貴方の住所を食べて
鏡の奥に薄れゆく踊り
穢以上に転がって
全くつまらない子供た ...
アンテナから滴り落ちるホルスの朝
遠くかけがえのない自分たちの微笑み
難いだろう?
間違えてしまったんだね
ああ
後悔の海はまるで泥沼かコールタール
その上さらに熱帯の豪雨
昔覚えた煙草 ...
綺麗にしてたつもりなのに
悲しみの中に蜘蛛が湧いた
わたしは掃除機をかけた
ただ、黙って、掃除機をかけた
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
抜歯の周辺
春日線香
自由詩
2
19/8/26 18:36
命、輝いて*
ひだかたけし
自由詩
8+*
19/8/26 16:56
ファスナー
クーヘン
自由詩
6*
19/8/26 11:33
supreme
やまうちあつ...
自由詩
1
19/8/26 11:19
(無題)
la_fem...
自由詩
2*
19/8/26 8:54
あれが灰色の海であれば
〃
自由詩
3*
19/8/26 8:51
コーヒーだけなんです
〃
自由詩
2*
19/8/26 8:50
野紺菊
山人
自由詩
4*
19/8/26 6:24
紫衣からの手紙
コタロー
散文(批評...
0
19/8/26 0:20
初香、琴葉からの手紙
〃
散文(批評...
0
19/8/26 0:20
幸恵さんからの手紙
〃
散文(批評...
0
19/8/26 0:19
多能工時代のせれなーで
函館ドラゴン
自由詩
1
19/8/25 23:50
自分が産まれたのって、いつだっけ?
こたきひろし
自由詩
3
19/8/25 23:36
ひたひたり
Seia
自由詩
1
19/8/25 21:59
ラズベリーの妖精
丘白月
自由詩
1
19/8/25 19:50
セーヌ川の妖精
〃
自由詩
0
19/8/25 18:52
凪
墨晶
自由詩
1*
19/8/25 17:41
果て、より
AB(なかほ...
自由詩
1*
19/8/25 16:55
バックギアはいらない
イオン
自由詩
2*
19/8/25 16:24
赤面
ミナト 螢
自由詩
0
19/8/25 13:44
ザル
クーヘン
自由詩
7*
19/8/25 10:54
過去を知らず未来を思わず
丘白月
自由詩
0
19/8/25 8:35
悪魔の囁き
こたきひろし
自由詩
4
19/8/25 7:13
可哀想な人たち
〃
自由詩
2
19/8/25 5:33
風鈴
七
自由詩
17*
19/8/25 1:54
ドリーアン
花形新次
自由詩
0
19/8/25 0:09
短い夏休み
TwoRiv...
川柳
3*
19/8/24 23:44
穢
腰国改修
自由詩
0
19/8/24 23:03
ホルスの朝
〃
自由詩
0
19/8/24 22:46
悲しみの中に
印あかり
自由詩
12*
19/8/24 22:28
998
999
1000
1001
1002
1003
1004
1005
1006
1007
1008
1009
1010
1011
1012
1013
1014
1015
1016
1017
1018
1019
1020
1021
1022
1023
1024
1025
1026
1027
1028
1029
1030
1031
1032
1033
1034
1035
1036
1037
1038
加筆訂正:
まねごと――夏から秋
/
ただのみきや
[19/8/25 10:18]
さらに二か所訂正しました。
まねごと――夏から秋
/
ただのみきや
[19/8/24 23:07]
指摘を受け「燃ゆ」を「燃ゆる」に修正。
4.58sec.