天国を目指して歩くふたり

今夜は満月だな
森全体が巨大な影絵だよ
ほら見てごらん
ミントの影だって
虎のようじゃないか

そう言って
小さなミントをからかった

ねえお兄ち ...
夏がきましたよ。蝉!(叫ぶむすめ)。
都立高校の窓から吹奏楽の演奏が落ちてくる。七月盆が終わって、売れ残った竜胆と蓮の葉。
水をはじいて光を跳ね返すような色の濃い夏の花たち。一年半とすこし働い ...
色とりどりの帽子で
睡蓮の葉を跳ねていく
波紋がぶつかり合って
カエルの背中にも響く

空木の真っ赤な花びらが
風に拾われて踊ってる

紫の帽子が黄色い帽子を誘う
ピンクの帽子は ...
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている

階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか

自由と自由の間に
履物をそろえる

わたしを取り去った世界とは
ど ...
宇宙の公園にいるみたい
あなたのまわりに
星だけが浮いている
すいこまれてしまいそう

あなたは優しくささやいた
ずいぶん待たせたね と
その言葉だけで
私はふるえがとまらない
...
眠れぬ夜はニベアの満月踊る
寂しさ忘れたら独り言で安らげなくなる
だって
ここは
打ち水
塗れの 蜘蛛の巣から近い墓場

だらだらTシャツを干したら
「千と千尋の神隠し」
が 神隠し ...
肌に髪に瞳に
映し纏ったあらゆる色を
脱ぎ捨てて
君は
真夜中の姿見に還る

それは潮の香り
それは海の遠鳴り

遥かわだつみに生まれた
嵐の激情に
抱かれる瞬間を待つ

無 ...
砂で顔を洗うような
痛みに慣れて来る頃

後悔が染みる
胸の奥でさえ
騒がしい夏の
夜空へ向かう

明日を忘れさせる
魔法の時に
終わりが来るから
背伸びをしたい

肌にくっ ...
夕方のにおい
泡と爪
捨て置かれた
水たまりの径


光を隠す蜘蛛の巣から
小さな蛾が何羽も生まれ
造りかけの橋が墓になるまでの時間を
ゆうるりとゆうるりと埋めて ...
喫煙者は自死を選ばない

喫煙者は自死を選ばない

喫煙者は自死を選ばない
 
シトラスの葉から
落ちないように
無重力の赤ちゃんが歩く

柑橘類の血を吸って成長する
妖精が蜜をたくわえた花を
森に咲かせて待っている

蝶は知っているだろうか
妖精は教えるの ...
やたら同情されて
善の象徴みたいに言われ始めたら
ちょっと引いて見た方が良い
というのが私の考えなのね

調子にのってると
どんでん返しがあったりするから

相対主義者のくせに
絶対 ...
ところで名前は何ていうの

僕はミントって言うんだ
ハッカ畑で生まれたんだって

ミントは
きっと前世は美しい
お姫様だったと思うよ

お姫様?

そうさ神話のメンテだったの ...
静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動

暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し ...
長いあいだ 恋もせずに
眠っていた

営みがいとなまれ
物語は癒着しきって

開かれず 湿った頁を
ほそい指が捲るとき

できるなら まだ
起きたくはなかった
長いあいだ 恋 ...
反省が将来の行動に関して

なんの有効性もない場合がある

なんとなれば将来同じ暴虐を繰り返すための

口実になっている場合がある

私なんてほんとに嫌な奴だったし

と言った時、 ...
肩で風きって社長より給料もらって

ヤクザの親分みたいに

気前いいことして気持ちよくなって

調子こいてやばいことしといて

偉そうにウソついてバレそうになって

ビビったからっ ...
結婚して
娘が二人生まれた

上の娘は幼稚園にはいり
幼稚園を卒業した

小学校に入り
小学校を卒業した

中学校に入り
一年の終わり頃から
学校へ行かなくなった
正確には
...
なにをそんなに
我慢してんだ
見りゃわかるよ
何がしたいのかすぐわかった
わかったから
そんなことぐらいしか言えないんだ

きみはいたそーだ
痛いし苦しいし
もう嫌になっちまって ...
 周辺の木々が溶け込んでいるせいで、夜の闇は微かなグラデーションを描いていた。かつては堅牢だっただろう鉄の門は、血を被ったみたいに赤く錆びて、左側は門柱に繋がる可動部分のところから壊れて落ちていた ... 心の罪は

どうしようもなくて

冷たい風が吹いている
そのとき失った人の名前は

この街の駅のプラットホームに
うずめておいたよ
なんといったか

どうしようもなく
...
狂い咲く
真冬の向日葵

君を白く穢した
情欲の迸り

伽なき夜の
けものけだもの

生きたまま月を食う
とお吠えひとつ
またひとつ
赤ちゃんは
ありったけの
激しさで泣いて
海から生まれる

きっとありったけの
感謝の言葉を忘れないうちに
はき出している
ずっと海の底で思っていたことを

暖かな海に抱かれて ...
棘の内に
秘めた一輪の薔薇

二人の指で
ひとつ、またひとつ
深紅の花弁を
真鍮の秤の上に

積もりゆく深紅の花弁
僅かな偏り
時間を忘れて
無心に花弁をのせあう指

永遠に ...
すべての元凶は
反社会的勢力にある的な
発言をしておいたら
取り敢えず格好つくみたいに
思っている奴等に
「反社会的勢力が本気出したら
お前ら怖くて夜道歩けねえぞ」と言いたい
反社会的勢 ...
今日のお昼何食べる?
星!霞!猫!小判!
マリーゴールド!
そっか
もうこの財布は形見なんだな

あっそうだちょっと待って

これを・・
このネックレスを・・
こうして・・つければ・・
ほらこれでいいだろ

財布にネックレスを付けて ...
財布を拾った
ボロボロの財布
いや綺麗だった財布なのだ

噛まれて引き摺られ
よだれでベタベタになり
砂やゴミがくっついて

くわえた猫と目が合った時
落として逃げて行った

...
スマートフォンの天気予報図を見た

「台風は非常に強い勢力を保ちながら
 本州に向かっています」

空の御機嫌は知らないが
いずれにせよ
明日は来る

日々の些細な出来事に
ぐにゃ ...
一心不乱に庭の草をむしる中
訪れたアシナガバチが 数秒間
目線の先を漂い
静かに通りすぎていった

おととい
{ルビ合羽=かっぱ}で全身をまとい
屋根の下にぶら下がる、ハチの巣へ
殺虫 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
猫と財布 4話丘白月自由詩019/7/25 20:49
バタをごってり、うす切りトマトはるな散文(批評...619/7/25 20:10
ルピナスの妖精丘白月自由詩019/7/25 18:33
首すじ昼寝ヒルズ自由詩519/7/25 17:23
宇宙で待つように丘白月自由詩219/7/25 6:45
小さな不幸せふじりゅう自由詩019/7/25 0:52
姿見両性具有自由詩019/7/24 23:13
8号線ミナト 螢自由詩019/7/24 22:29
病みめぐり 夜ひらめき木立 悟自由詩019/7/24 21:01
タバコをやめて3ヶ月徘徊メガネ自由詩019/7/24 20:55
あなたは蝶だった丘白月自由詩019/7/24 20:05
斜め上から見る花形新次自由詩019/7/24 19:11
猫と財布 3話丘白月自由詩019/7/24 18:10
ことばだけが夏に欠けるかんな自由詩619/7/24 16:58
物語はるな自由詩819/7/24 9:39
反省の効用りゅうさん自由詩019/7/24 7:02
低脳の哀歌函館ドラゴン自由詩019/7/24 5:24
何の前触れもなくこたきひろし自由詩319/7/24 1:10
itaqa neesea竜門勇気自由詩019/7/24 0:06
月の下、ふたつの孤独ホロウ・シカ...散文(批評...0*19/7/23 22:20
ねがい、その心の扉に風が吹くなら秋葉竹自由詩719/7/23 22:17
白黄両性具有自由詩219/7/23 22:00
海に生まれて丘白月自由詩119/7/23 21:59
天秤両性具有自由詩019/7/23 21:41
社会的勢力と自称する市民に告ぐ花形新次自由詩019/7/23 20:37
あかん子杏っ子自由詩119/7/23 18:34
猫と財布 2話丘白月自由詩119/7/23 17:51
猫と財布  1話自由詩119/7/23 17:44
明日の天気服部 剛自由詩219/7/23 17:32
ハチの情自由詩019/7/23 17:23

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