【大きな女の話】
さざなみのようなくすくす笑いが船室を満たし、ゆっくりと退いていくのを見届けてから、**夫人は次の語り手を指名した。
「恭子さんもお盛んだこと!わたし、ちょっとどきどきし ...
桜並木が通る町
花見の宴を開くスペースはない
静かな通りを歩くのが好きでした
この町を離れること
君と別れることは
どうしてもイコールでしか表せない
...
キース・リチャードのキー・トゥー・ザ・ハイウェイを聴かせてくれ
憂歌団のキー・トゥー・ザ・ハイウェイを聴かせてくれ
デレク・アンド・ドミノスのキー・トゥー・ ...
誰もいない小学校の裏で
ポタポタと屋根の雪が溶けて落ちる
誰も見ていない小さな花壇で
小さな二色の花びらが朝日を浴びる
新学期の声が遠くから聞こえてくる
雪を踏む足音が近づく
...
小さな赤い長靴を履き
キンカンの実を大事に抱え
嬉しそうに歩く女の子
子供には大きな袋に
たくさんの金柑が揺れている
頬のようなオレンジ色
太陽の赤ちゃんのような
小さくて丸くて ...
海の見える小高い丘
小さな貝殻細工の
可愛い蛇口
潮風が染み付いたベンチから
ペンキの赤い欠片が
公園のあちこちに落ちて
砂と交じり合いながら
なにか言葉を探すように
花びらを ...
風船をもったむすめがわあわあ泣く。
さまざまな色の細長い風船を、ねじったり束ねたりしてつくられていく傘や動物や花束。(空気を包んだゴムたちの)。
娘がつくってもらったのは大きな傘で、柄の部分は ...
全ての喪失は流れていき
乾き切った胸奥に
氷食地形の
研磨された岩石の如く
哀しみの蒼い窪みだけ
鋭く冷たく穿たれる
(愛は
私の中にある
思いを伝達しようとする
すべての努力を ...
人は真面目なのだ
長い文章を見ると
読むのが面倒だと思う
だけれど
誰もすべて読めなど言っていない
なので
一行だけ読んで
本を閉じた
すると
先生が怒った
それでも僕は
また一 ...
しだいに弱くなってゆく鼓動に
光りが見えているなんて
誰が思っただろうか
視界があるばかりに
見えなくなってゆくものがある
まだ僕らが産まれる前は
全てが輝いていた
闇を創ってきたの ...
もう、行っちゃうの?
悪びれるふうもなく
出て行くんだね
ずっと
ずっとずっと
逢いたかった
昨日までのわたしと
おなじわたしに
戻るんだね
元気だしてって
いわれてもなぁ ...
ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を
知っていて
遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている
眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば ...
目線の高さにあなたが来た時
私は少女なんだと気がついた
遮断機の降りた踏み切りの外に
連れ出されるような熱い視線が
降り注ぐだけで幸せだった
有無を言わせない優しさなんて
矛盾するけれどあ ...
魔法使いが現れて
ランプの精が現れて
願いを叶えるなんて言われたら
何をお願いするだろう
僕の心の穴ひとつ
埋めてもらうなんて
ちっぽけ過ぎるだろうか
でも
ちっぽけな方が良い気もする ...
幸福でないからいいんだな
もし幸せの花束抱えてしまったら
その花束一本だって散らないように
枯らさないように
必死になるしかなくなるからさ
のんびり行こうよ
焦らずに
ゆっくり行 ...
人生の負け犬も
人生の勝ち犬も
最期は一緒だよ
ダスターシュートに落とされて
焼却炉まで運ばれて
燃やされるのさ
果たして俺はどっちだよ
負け犬か
勝ち犬か
人生の負け犬 ...
フォーエヴァー
今日はね、フォーエヴァーについて勉強します
先生はね、勉強、教えちゃいます
だってね、先生だもん
あなたたち、生徒なんだもん
英語で書くと
forever
ス ...
何かをしていても
ふと逢いたくなる
今何をしているのだろう・・・
スマホに手が伸びて
何度もメールチェックしてしまう
逢えなくても
電話で話ができればいい
安心できてしまう
...
今日も
都市を往く車はまばら
通勤電車の車内もまばら
この不自然な街の静けさ
「今日の感染者」を伝える
ニュースの噂に背中を押され
人々は黙って大量の紙を奪い合い
スーパーに陳 ...
男だから女が好き
女だから男が好き
たったそれだけで
愛し合える人達は
そこに愛はなく
そこには本能の底があるだけさ
冬のプラネタリウムが
初めてのデートだったのよ
パパはずっと小さなころから
星が好きだったわ
ママが星に詳しいのは
パパのせいなのね
プラネタリウムって
どんなところなの
私も ...
長く学校を休んでいる
小さな女の子に
セントポーリアが届いた
白桃色と深い青
部屋の空気が
嬉しそうに動く
ベルベットが張られた
バスケットから
葉が溢れ花が揺れた
青い ...
雪の涙が落ちるように
春を待つ種を見守る
慈愛の白い花
雪の蝋燭のような
やさしい光が
大地に沁みわたる
白い花をささえる
透き通る翡翠のような
純水で創られた緑のストロー
...
泣き顔を映すものじゃないと
そう願っていたのに
胸が熱くなるだけで
崩れた輪郭に涙は
白い鱗を広げて
飛べるフリをした
呼吸も足りなかった癖に
頑張る姿を見せるのはいつも
ひとりでいる ...
自由とか
権利とか
悠長なこと言ってると
ヘンテコりんな
隣近所のせいで
ひどい目に合わされたりするんだよ
第一、自由とか権利なんつうもんは
公共の福祉に反しない限りってのが
頭につく ...
声と声が交錯する街角で
チョークを引っ張り
路上に描かれていく線、
子供はガッタンゴトンと身を揺らし
列車はゆっくりと出発する
微笑み明るむ夕暮れ時、
すべては無邪気に赦されて
...
人間とともに暮らしているほたる
透明な月明かり差す昼下がり
もしかしたら光だったのかもしれない
理科室の奥に理科準備室があり、そのまた奥に蛋白室がある。
授業開始の数分前、その小部屋にて理科教師は肉体を形成する。
痩せ細って来るこの町で
生活の音がそのまま聞こえる
人の気配と安心を握った
両手はもう何も持てないから
鮭の皮を残さずに食べるまで
帰れないような気がしていた
無駄なものなど何ひとつなくて ...
月見さんのお葬式に行くために
月見さんと一緒にいる
彼女はただ薄目で虚空を見つめながら
静かに手をのばしている
僕は凪いでいる
泣いてはいない
晴れてもいない
月見さんのお葬式に ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
デカメロン
アニュリタ
散文(批評...
2*
20/3/8 2:39
この街を離れます
佐白光
自由詩
2*
20/3/8 1:33
心臓に咬みつかれて
TAT
自由詩
2
20/3/7 23:16
サイネリアの妖精
丘白月
自由詩
2
20/3/7 22:33
キンカンの妖精
〃
自由詩
1
20/3/7 22:32
虹をつかまえた猫
〃
自由詩
2
20/3/7 22:31
メモ
はるな
散文(批評...
3
20/3/7 20:01
燃やす(改訂再録)
ひだかたけし
自由詩
3
20/3/7 18:58
面倒
きみのてを
自由詩
2
20/3/7 18:34
見えなくなってゆくもの
〃
自由詩
1
20/3/7 18:28
風邪
立見春香
自由詩
3
20/3/7 16:59
ひとりきり
帆場蔵人
自由詩
17*
20/3/7 16:04
アイネクライネ
ミナト 螢
自由詩
2
20/3/7 9:39
ちっぽけなお願い
卯月とわ子
自由詩
2
20/3/7 9:36
幸福でないからいいんだな
こたきひろし
自由詩
1
20/3/7 9:20
ノイズ
〃
自由詩
4
20/3/7 8:56
フォーエヴァー
たもつ
自由詩
0
20/3/7 8:53
逢いたくて
夏川ゆう
自由詩
2
20/3/7 5:18
静かな街
服部 剛
自由詩
1
20/3/7 5:12
深奥
リィ
自由詩
1*
20/3/7 5:06
冬のプラネタリウム
丘白月
自由詩
3*
20/3/6 22:16
セントポーリアの妖精
〃
自由詩
2*
20/3/6 22:15
スノードロップの妖精
〃
自由詩
1
20/3/6 22:13
汚れた鏡
ミナト 螢
自由詩
1
20/3/6 21:16
人権バカ
花形新次
自由詩
1
20/3/6 21:04
無垢
ひだかたけし
自由詩
3
20/3/6 18:03
見えない
水宮うみ
川柳
1*
20/3/6 17:02
蛋白室
クーヘン
自由詩
3*
20/3/6 12:21
田舎の暮らし
ミナト 螢
自由詩
1
20/3/6 10:13
朝と
プル式
自由詩
7
20/3/6 9:00
890
891
892
893
894
895
896
897
898
899
900
901
902
903
904
905
906
907
908
909
910
911
912
913
914
915
916
917
918
919
920
921
922
923
924
925
926
927
928
929
930
4.84sec.