夜中に喉が渇き
母屋の錠を外す
手探りで明かりを点け
台所の静けさに佇む

グラスの氷水を飲み干し
仮に
今が冬であると想像する
台所の静寂は冬の冷気と相まって極まり
僕の吐息は白い ...
あるくとおく、流れ流れて
流されてきた弱さを恨むのか
水にとけた光に問いかけた
転倒した月日の果てしなさ

ただ勘違いしていただけだ

月日は数えるだけしかなく
切り売りして歩くお前な ...
雨が嫌いなくせに
今日だけは雨が降る予感に
嫌悪感が伴わない

子供の頃から認識している
七夕には雨が降ると

いつもそうだった
織姫様と彦星様が年にたった一度
会える日だから
今 ...
梅雨は街の洗濯
山のてっぺんから屋根まで
しっかり洗ってくれる
空気さえも純水になるほどに

夜通し降った雨は朝も止まず
智子はバス停で傘をさす

雨でくもった岬の向こうから
サ ...
神経を疑うほど真っ白な画用紙の上で
朗読を続けている
またページがめくられて
1文字を読む度に文字が現れて、驚く

研ぎ澄まされた 刃渡り8センチのナイフで
ありがとうと記したら
お天気 ...
不毛なワンピース劇場に埋もれて
免除!免除!免除してしてしてして
それでも、しきれない、されきれない
私の恨みよどこまでも
ああ
レモン柄が!
きわめて明るいレモン柄が!
敗者となって横 ...
 
すぅ っと吸って
はぁ っと吐く

わたしの中に入ったものが
わたしの中から逃げようとする

それが
まわりの空気よりも少しあたたかい
だから
わたしは何かを奪われた気がして
...
「あの日」という言葉を聞けば 
思い浮かぶ人がいる 
「あの日」という言葉を口にした時 
脳裏を過る光景がある 

全てはあなたに繋がり 

全てがあの瞬間で途切れる
ブルートゥースで繋がっている
黒いキーボードは歯である
自分の指先は舌である
脳が言葉を絞り出す

ネットワークに発するのは
自分の口ではなく指先だ
黒い歯で噛みつくこともある

だ ...
50年前
ハコスカに乗っていた男は30代
峠を攻めていた
高度成長期のサーフィンラインに乗って
バスに乗らなくなくなり
路線廃止に追い込んだという
自覚もなかった

50年後
ハコス ...
一つの生をたずさえて
一つの死をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く

)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ

...
私たちは舟の上で恋をした
舟をうかべる水面はきららかで
私たちを祝福しているかのようだった
私たちはあまりにも
恋することに夢中だった

時が経ち
私たちはどこかへ行ってしまった
けれ ...
ボンヤリ鬱状態でコーヒーを飲みながら、

トーストが焼きあがるのを待つ。

そういう時間を味わうのもオジサンは好きなのである。

不寛容なジジイでいたっていいじゃねえかバカ野郎。

爽 ...
西野の花屋で薔薇を買った
高価だから四本だけ(バーボンに託けて)
紫の花弁が密集しておいそれとは見せてくれないタイプの娘がふたり
丁度よく開いた白い花弁になよやかに反り返る
ピンクの縁取りの娘 ...
テレビを初め
クソマスコミは
ひと度独裁政権になろうもんなら
豚まん帝国の
ウンコ出そうな声でニュース読む
ウンコおばさんみたいに
原稿通り言われたことを
ただ言うだけの
アレクサ以下 ...
ナホちゃん
花を摘んであげよう ほら
短い時の中に隠れていた
にじんだ星みたいな花です

 砂利の敷かれた軒下で
 開いた春のままごとの
 ほんの少しのお客さま
 困った顔のお客さま
...
毎晩僕は羽根を少しだけ広げて
階段を走って
踊り場の窓から飛び降りて
庭に並んだ蕾を踏んで
妖精たちに怒られて
月あかりの草むらで星を見て
猫の鳴き声が近づいても
僕は場所を渡さずに
...
草木も眠りにつく時間の
筈なのに
街はうっすらと目を開けていた

コンビニの明かり
その駐車場
寝静まる民家
周辺の道路
道路の端には
電信柱が無言のままに
立って並んでいた

...
僕と同じ形の水が勝手に喋り動く
温かくも冷たくもない水の身体を
抱きしめるたび涙が溢れてるのは
身体を圧迫させたから
中身が出てしまったんだ
涙なんて気のせいさ
水に血も涙もないのだから
...
はぐきのエグみが笑うとき
えくぼのヘコみの気がふれて
分かりみの君がはにかみながら
夜のクラブでポルノを配る

画期的な殺気を楽器で発揮
ラッキーなジャンキーが掲げる日本国旗
大量のマイ ...
旅に予想外はつきもので
おどろかないってのは無理な話でも
おどろかないフリを
演じる役者でいたい

遠い旅先の雲の中を
突き進む
空の機内で思う

――友よ、願わくば
  日々の旅 ...
煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ

肉はすべて
烏どもにくれてやった

ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ

それからそれを
あの女の部屋に投 ...
愛するということは
海にもぐるということ

一分もしないうちに
ぼくは息が続かなくなる
水面に引き返すか
でなければ溺れてしまう
でも君は
生まれたままの姿に
鰓と鱗をまとっている君 ...
ねえ、さよならをしよう
後ろ向きに流れるメロディ
誰かが世界のしあわせを歌うよ

アスファルトを強く蹴る
自分ってなにか
求めすぎて自販機で炭酸飲料のボタンを押す
すべてが泡となって足元 ...
詩的連続ドラマ 第8話


雑貨屋さんの中にある
貝細工喫茶で紅茶セット

カモミールのハーブが緊張を溶かしていく

今度は一人でも寄ろうかなと
そう思いながら
智子はケーキを頬張 ...
上司にパワハラを受け被害者然としていた人が
自分の部下にパワハラをしている

加害者の時は自覚できない
悪いのは常に他者だから

人を傷つけたってわからない
原因は常に相手にあるから
...
何としてでも
物書きとして
名を成したい

そうでなければ
厄介者として
生まれ
死んでいくだけ

何の能力もない
能力の欠片もない
一生かかっても
高卒初任給すら稼げない
...
隕石が落ちてこなくったって人は死ぬので
時刻表をスマホで検索している
電車が人を流産するように
悲しみを嘔吐したので
血管は破裂してしまいそうです
あのビルの窓に映る世界が天国よ、
そ ...
赤い糸で仮縫いされた想いは
たぶんジグザグになって
ゆっくりと遠回りして
あなたに向かっていく

蛍が宇宙の渚で
ゆらゆら揺れながら
天をめざして昇っている
星に生まれ変わりたいと ...
すこし朽ちかけたクチナシの白い花 濃い緑の葉のなかに
銀色の籠を
蜘蛛が編んでいて
そのつましいようにみえて
ほそうい ほそうい レース糸でできた瀟洒な籠のなかに
澄んだ雨粒が ころんコロン ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
台所両性具有自由詩419/7/7 22:15
痛み帆場蔵人自由詩11*19/7/7 21:33
七夕の記憶坂本瞳子自由詩7*19/7/7 19:22
バス停 第9話丘白月自由詩019/7/7 19:09
きみからのLINEふじりゅう自由詩119/7/7 18:22
しらけサマー 失われた夏を求めて杏っ子自由詩119/7/7 17:19
「呼吸する」ベンジャミン自由詩119/7/7 17:10
昔日文字綴り屋 ...自由詩019/7/7 15:37
ブラックトゥースイオン自由詩019/7/7 15:16
ハコスカの50年自由詩019/7/7 15:15
一つの生をたずさえてひだかたけし自由詩8*19/7/7 13:21
舟の歌塔野夏子自由詩3*19/7/7 11:56
あっかんべーよーかん自由詩3*19/7/7 10:41
ちょっとした秘密ただのみきや自由詩13*19/7/7 10:31
クソマスコミから国民を守る党(クマ国党)花形新次自由詩119/7/7 8:38
ナホちゃんオイタル自由詩4*19/7/7 8:37
妖精の庭丘白月自由詩219/7/7 8:05
冷酷な天使のしわざこたきひろし自由詩119/7/7 5:20
水人形リィ自由詩0*19/7/7 4:47
音楽宮木理人自由詩019/7/7 1:20
Good Luck服部 剛自由詩319/7/6 23:26
葬送両性具有自由詩8*19/7/6 22:20
鰓鱗自由詩219/7/6 22:06
さよなら。あなたの細い右腕かんな自由詩419/7/6 21:30
バス停 第8話丘白月自由詩019/7/6 21:11
正義はいつも自分にあるからLucy自由詩3*19/7/6 21:04
哀しい自称詩人の悪あがき花形新次自由詩019/7/6 20:32
天国SIZUKO自由詩219/7/6 18:26
仮縫い丘白月自由詩219/7/6 18:20
クチナシと蜘蛛田中修子自由詩9*19/7/6 17:53

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加筆訂正:
ちょっとした秘密/ただのみきや[19/7/7 10:48]
誤字脱字修正
3.97sec.