光溢れるこの午後を
旅人は行く、
白波飛沫浴び

見知らぬ漁村の
裏庭を
冬薔薇の香に包まれて

旅人は行く、
光のなかへ
隣家の屋根から翼のような雲が見える
朝の微睡みから覚め
膝に居座る悪夢が霧散するまで
蛹の時間
軒の氷柱の光の粒は 
瞼につめたいやわらかな真珠
木々の梢を半ば強引に愛撫する風
その風に ...
今この場所から離れていく
飛行機や新幹線のように
全てを持っていけないから
思い出に変えて胸にしまうんだ

時が経てばあの日の涙も
私を飾ったリボンみたいに
滑り台を作り未来へと進む
...
 
遠く

豫豫 ハインリッヒ

アタ粉的エトヴァス

椅子になる

蝦蟇老いて

誰よりも

さかしま

還らない ( 元には )

+2

整理日記說に似る日 ...
スカッとしない毎日に
いらっとする日々
ふらっと入った店で注文した拉麺
不味い
それでも勿体ないからすすってたら
グラッときた

地震は大したことなかった
よかった
ラッキー
そ ...
ひれは重たく
ベタベタと揺れ
きらめく鱗は無数の眠りと
食事の数

水面のそばでぐるりと大きな丸を描き
頭から深く
やがてすべてが暗がりの中

残された波紋が
一、二、三、四、 ...
明るい銃弾の色をした
めざまし時計が横たわっている
埃を布のように被って
孤独を基調として

さみしさに囚われ人は揺れる
時計の叫びにさみしさはない
小さな物のはっきりとした孤独は
...
  旅


こころは
しらないうちに
旅に出る

笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる

いつになつたら
かへつてくる ...
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
空き缶や地面は冷たくなるから
もう蹴るものがなくなって来たよ

足の裏を合わせて飛び出せる
ふたりのロケットがゆらゆらと

熱を重ねた新しい軌道に
幸せを乗せて不安になるほど

薄い ...
忌々しいほどに恋しくて、苦々しい
痛々しくて、煩わしいくらい好きで、
赤い、嘘みたいに
儚いくらい、赤い、会いたい

水平線、ずっと先
浮かぶ、青い星ふたつ
さみしい、むなしい
花の時 ...
お別れです
そう言って
妖精は雪を纏って昇った

遠く聞こえてくるのは
凍りかけの香り
心臓の甘い香り

摘めよ
枯れる日は明日だから

摘めよ
私のすべてを

摘めよ
...
何もやることはない
金もない、家族もない、友達もない
ただ無駄に健康と時間だけがある
年末だろうが
年始だろうが
いつでも同じ
一生、ケの日の人生
自称詩書きまくりの生活

自分には ...
海面を渡る光の長さで
私はスカートを履いた

浮き輪が欲しくなるくらい
慣れなくてうまく泳げずに

恋が満ちて来たから浮かぶ心
めくられて分かる薄い血管に

あなたが流れて来るまで
...
さむい朝
世界じゅうで息は吐かれて
甘い詩をなめて生きていくの
といった
彼女が死んだ
片恋と
相思相愛は
たとえるならライスカレーとカレーライスくらいに
距離が離れてるのかな

片想いは一方的に直線を進んで
甘く切ない想いは線香花火のようで
儚い

両の想いは遅からず ...
千鳥足で夜は歩き濡れた草の間に風と横たわる。夜は朝に焼かれていく。私は夜の肋を撫でて、その灰を撒きながら昼を千鳥足で歩いていく。また夜が芽吹き、我々は酒を酌み交わす。何度死に何度産まれ何度生きたのか、 ... 私だって
血だらけの海を泳いだ事はない
血だらけのゲリラ豪雨に襲われた事もない

普通だからさ
普通のレベルゲージがどのくらいかなんて
分からないけど

近親憎悪って
やたら不味い味 ...
苦しみの記憶のように手のひらは赤く血走っている、毛細血管のなかを歪みが駆け巡っている、おれは繭のようになにかを抱えようとした姿勢で横たわっている、脳裏には真っ白い壁を放射状に散らばっていく亀裂のイ ... 変わらず
愛娘と手を繋いで歩いた
川沿いの遊歩道はあり
(愛娘だけ不在となり)
果てなく伸び行く
この年の瀬、
変わらず
私は独り生きて 居て
白い部屋で
晦日を迎える
変わらず
...
歩道橋に置き忘れたコーヒー
読みかけの本にこぼしたまま

君が吹き出しに入れた言葉は
走りながら抱ける愛みたいだ

街が汚れてるから見て来いよ
幸せを濡らす景色に気づいて

歩道橋へ ...
たしか去年の抗生物質
インフルの検査で陰性になって
もらった抗生物質
三回目の検査でようやく陽性になって
飲まなくなった抗生物質が
ヘッドボードに置かれてある

袋の形がスマホみたいだ ...
 *
昼の薄暗い店
キーケースからはみ出した
鍵がぼんやり光って見える
蝶がビロードの翅を立てて止まっていた
氷が解けてもグラスが溢れることはなく
微かな光を傾けてもピアノは眠ったまま
...
かなしみがわからない
あなたのかなしみがわからない
わたしにはどうしても
わかることができない

あなたにもわからない
このかなしみはわからない
こんなに近くに居るというのに
二つ ...
あなたの態度が割り切れない
あなたと組めば倍になる
あなたを足して完成し
あなたを引くと空になる

たとえ計算苦手でも
スマホで答えを探せるし
正しくなければまちがいを
スマホで書き込 ...
あなたは畳のような人生ね
土足には耐えられないけど
素足にはたまらない
冷んやりしているのに暖かい

わたしはカーペットのような人生
土足にも耐えられるし
素足にはこだわらない
ゴワつ ...
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
アインシュタインの
特殊相対性理論は

簡単な数学だけの
思考実験で生まれた

量子コンピュータにも利用される
量子テレポーテーションも
ほとんど数学もいらない
思考実験から生まれた ...
切り分けた林檎が赤く錆びていく

季語は冬午前の雨にやぶれ傘

転んだよ雨の泥濘寒い空

転んでも直ぐ立ち上がる道師走

新年が来ても無口はかわれない

餅喰って喉に詰まらすお年頃 ...
小説のラストに書かれている
夢はまだ本当を知らないまま

ぶつかることや慰め合うこと
抱えたものが不安だとしても
落とさなくて良かったと思う

いつも挟んでいる栞みたいに
数ページ先の ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
旅人ひだかたけし自由詩119/12/31 13:18
201912第五週詩編ただのみきや自由詩3*19/12/31 12:08
リボンミナト 螢自由詩219/12/31 8:49
Organ墨晶自由詩019/12/31 8:46
虚無と日常こたきひろし自由詩319/12/31 7:13
その夜三月雨自由詩119/12/30 23:46
めざまし時計mmnkt自由詩119/12/30 18:07
旅・遺作石村自由詩19+*19/12/30 15:53
ひだかたけし自由詩619/12/30 12:53
螺旋ミナト 螢自由詩019/12/30 12:27
春患いトビラ自由詩1*19/12/30 11:24
バラ畑の記憶丘白月自由詩019/12/30 9:04
大島てるに見つけてもらうまで花形新次自由詩219/12/30 8:57
きらきらミナト 螢自由詩119/12/30 8:13
彼女はるな自由詩619/12/30 7:26
カレーライスとライスカレーこたきひろし自由詩319/12/30 7:08
夜の筆記者帆場蔵人自由詩6*19/12/30 1:05
一番搾りの愛情がこたきひろし自由詩119/12/29 23:44
陽炎のような真実の重さをホロウ・シカ...自由詩3+*19/12/29 22:16
変わらずひだかたけし自由詩3+19/12/29 19:44
ミナト 螢自由詩1*19/12/29 18:37
抗生物質mmnkt自由詩0+19/12/29 18:00
201912第四週詩編ただのみきや自由詩1*19/12/29 16:42
ある日の食卓で(断章として)もっぷ自由詩119/12/29 16:06
四則演算イオン自由詩019/12/29 16:05
畳とカーペット自由詩019/12/29 16:04
さみしがり屋クーヘン自由詩12*19/12/29 13:20
思考実験が令和を切り開くst自由詩319/12/29 10:37
十二月に十七文字こたきひろし俳句5+19/12/29 9:45
ENDミナト 螢自由詩119/12/29 8:16

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加筆訂正:
201912第五週詩編/ただのみきや[19/12/31 12:46]
数文字削除修正
201912第四週詩編/ただのみきや[19/12/30 18:10]
誤字脱字さらに修正
今となっては氷河期説は主流ではないそうで…/Lucy[19/12/29 22:15]
最終連二行目「二度と」を削除しました。
今となっては氷河期説は主流ではないそうで…/Lucy[19/12/29 22:14]
最終行「果てない未来に向かって」を、削除しました
今となっては氷河期説は主流ではないそうで…/Lucy[19/12/29 22:13]
果てない未来に向かって]
201912第四週詩編/ただのみきや[19/12/29 21:09]
誤字脱字修正
3.62sec.