ちぢれた{ルビ髪=かみのけ}が肩にかかり、
そのひとみは幻のようにとおくを見つめ。
装うこともなく、荒れた手は、
彼方のなにものかを追うようにかすかに持たげられる。
偉人を生みおとした晩に ...
花園は雨に憂えている。その{ルビ間=なか}を、
ミツバチが叫びつつ、跳ねめぐっている。
幾百もの花が、その実をちらしている。
地は、しゃがれ声とともに水をながす。
湖は{ルビ水煙=けむ ...
子供の頃のある秋の日
滑り台の下を掘ると
もぞもぞと何か動いた
見つけたのは 妖怪の幼虫
普通の芋虫に似ていて
体は白くて顔は黒い
目が一つしかなくて
その周りに 赤い隈取り
...
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく
...
膝小僧の陰で肘小僧も生きていた。
僕の弟は2人じゃなくて4人だった。
哀しがる君の横顔を見て
私は励ました
確かに人生は困難が多い
しかし困難を乗り越え
山頂に立てば
また新しい景色が広がる
哀しがる事は無いんだよ
現実を見つめる楽観主義で行こう
さあ
...
大切な人の
名前を呼ぶのに
心までは
短縮できないから
声を出す前に
星の周りを
何度も回り
光に慣れるのよ
いつもより高い
場所にいる気分
後ろ姿に
骨を重ねたのは ...
悪魔とはいつも
冷たさにふれて
その姿を現わす
冷たい仕打ちで生まれる
殺意という悪魔
冷たい言葉で生まれる
憎悪という悪魔
冷たい態度で生まれる ...
忠臣蔵のドラマで大石内蔵助が
京都島原の遊郭で
『浮き世の値、三千両』と
歌い囃され、躍る場面があった
上級武士の大石内蔵助の値が
三千両だとしたら
僕の浮き世の値は
どのくらいにな ...
板
Lucky
汽車か
槿
異質な{ルビ唐草=arabesque}の生活だ
「性」を「筍」にする
屏風加減見て 零時に
禍々しい!
...
もし思惟が
とこしえに水をたたえる
優しい一つの海であったなら
光輝く透明な波打ち際から
わたしの記憶のひとかけら
叫び声一息あげながら
思い切り投げうちたい
わたしの手を取りなが ...
20年前のイギリスのロックバンドの
いまさらファンになっている
有名な曲が多いから聞いたことはあったけれど
いまさらファンになっている
これがYouTubeのおもしろいところだ ...
四番街の真っ赤なシトロエンの中の焼死体は一七歳の娘だった、その車がいつからそこに止められていたのかということについては誰もはっきりと思い出すことは出来なかった、そこは居住区の端っこにある不便な地区 ...
あなたの言葉は
フリーズドライになって
ずっと胸の小瓶に詰まっている
いつか濾紙に取り出して
熱い本当の言葉で抽出したい
涙で心を洗うしかない
誰か愛しい人はいますか?
憎まれても
想った様にはゆかなくても
悲しみを抱えてしまっても
許せるくらいに想える人が
プライドを傷つけあっても
地面に倒れこみそうになっても
それでもいいと ...
ひとり取り残された部屋
煙草とコーヒーのにおい
片付けていたら虚しさだけが残った
「なんで私ここにいるの?」
(空白)
ホーム柵が私の邪魔をする
乗り越えるにはスカートがひらひらし ...
薔薇を描いて奥さんにほめられました
アスファルトには草が溢れていました
どこかで見たことがあるような俳優
それほど驚かれもせずに羞じらいました
すべては自分のことばかり
...
2019.10.10.
あなたはわたしのたったひとりの亡友だったと
悲しみとは時に時間差で襲いかかってくるもんさ
まんまとわたしは気が狂い死にたくなった
繋ぎ止める日常の命綱 あなたの微笑 ...
小学生の頃、父が買ってきた「武将列伝」
父がいないときに盗み読みをし
夢中になって読んだ
織田信長
武田信玄
上杉謙信
戦国時代の武将を中心に
平安から幕末までの武将、武士の
...
なで肩から制鞄がずり落ちた。
十代とやらは呆気なく終わった。
早く起きて会社へ行く
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
休みの日
早く起きてあの人と逢う
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
と、
思っていたけれど。
...
あなたのもとに嫁いだ日に
鳥籠ひとつ持ってきました
ずっとずっと女になってからも
大切に飼っていた鳥だから
これまでに
一度だって逃げようなんてしたことなかったのに
あなたのも ...
うつくしい手触りを
決して通りすぎないこの指先のように
僕は詩をみつけていきたい
その全てが言葉にならなくてもいい
全てを憶えていなくてもいい
指先が指先を保ち
ふいに触れたものに
...
美しい言葉を綺麗に並べたら
弓にして
誰かの心に矢を放ちたい
それが誰かがわからない
靄に飲まれて
わからない
美しい言葉を綺麗に並べて
風景画を描きたい
気に入る絵の具が ...
朝、電車の真向かいの席で
質の悪い即興芸術を
見せられている
目も当てられない不細工な顔が
とても不細工な顔に
不細工な顔の持ち主によって
ペインティングされると言ったものだ
辺りにはコ ...
ノックをする度に爆発してた
黒い宇宙から流れる文字を
生かすものと殺すものに分けて
美しく見えるようにしなさい
僕等が望んだ芸術のために
握り合ったのはナイフかも知れず
残され ...
あと数時間後に優勝者が決まる
音楽コンクールの本戦
バイオリンとオーケストラの共演が
これからはじまる
最初にチャイコフスキー
次にブラームス
そしてシベリウスの協奏曲が
次々と演 ...
わたしは歷然と包丁が下手
わたしが思う鑄鐵の衝立
野犬の方法が良いとわかった
跳梁しない限り それは業師の破戒だ
奔放な滿月なら
先方の愛猫に禁じな ...
風はプールを波立たせた
濁った水底には幾人もの女が沈み
ゆったりと回遊している
着物の裾を触れ合わせながら
言葉も交わさずに
*
青いゴムホースで縛られた家
血管 ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
sonnet(肖像)
朧月夜
自由詩
5*
19/10/21 16:13
sonnet(雨の日)
〃
自由詩
5*
19/10/21 16:12
妖怪の幼虫
藤山 誠
自由詩
2
19/10/21 15:11
只ぼうと(改訂)
ひだかたけし
自由詩
11*
19/10/21 12:51
弟
クーヘン
自由詩
5*
19/10/21 12:23
哀しがる君の横顔
渡辺亘
自由詩
0
19/10/21 9:33
告白
ミナト 螢
自由詩
3
19/10/21 6:45
空気のなかに住む悪魔
st
自由詩
4
19/10/21 4:06
浮き世の値(あたい)
日比津 開
自由詩
2
19/10/21 3:37
童子
墨晶
自由詩
0
19/10/21 0:18
忘れない―思惟の海にて
Giovan...
自由詩
4*
19/10/20 23:58
星座みたい
函館ドラゴン
自由詩
1
19/10/20 23:33
頭のいい子が幸せになるのは難しい
ホロウ・シカ...
自由詩
3*
19/10/20 22:49
インスタントは嫌い
丘白月
自由詩
1
19/10/20 20:06
悲しい時は
〃
自由詩
2
19/10/20 20:05
拙く単純なままに・・・
まみ
自由詩
4*
19/10/20 17:42
でんしゃじてんしゃ
木村きむ
自由詩
3
19/10/20 16:58
遠くへ行きたい
函館ドラゴン
自由詩
1
19/10/20 15:38
わたしにとってあなたは
余韻
自由詩
0
19/10/20 14:46
海音寺潮五郎氏へ
日比津 開
自由詩
1
19/10/20 14:36
なで肩
クーヘン
自由詩
3*
19/10/20 12:36
日常よりもたいせつな
立見春香
自由詩
7
19/10/20 10:27
籠のなかの鳥
こたきひろし
自由詩
5
19/10/20 9:23
ゆびさき
ぽりせつ
自由詩
4*
19/10/20 8:44
美しい言葉を
こたきひろし
自由詩
6
19/10/20 7:53
ヒース・レジャー
花形新次
自由詩
1
19/10/20 7:50
ボールペンの詩
ミナト 螢
自由詩
3
19/10/20 6:46
音楽コンクール
日比津 開
自由詩
3
19/10/20 4:43
旅愁
墨晶
自由詩
0
19/10/20 0:40
通り魔たち
春日線香
自由詩
3
19/10/19 23:33
840
841
842
843
844
845
846
847
848
849
850
851
852
853
854
855
856
857
858
859
860
861
862
863
864
865
866
867
868
869
870
871
872
873
874
875
876
877
878
879
880
4.19sec.