どこにでも
だれにでも
あるのに
ぼくにだけ ないことの
ほこらかさ
いつの頃からそうなのか
わからないけれど
物心がついた時から
ぼくの家には屋根がない

どうしてなのと
親に聞いたら
そういうものだと諭された

友達の家にも
遊びに行くお店にも
...
もし君が。


僕の形をまだ 君の中に残しておいてくれるなら

僕は今、ここで、あの夏のまんま凝り固まった君のあどけない笑顔を思いっきり叩き壊して
僕の知ることのない大人びた君の今を創り直 ...
遠い遠いところから密やかに膨らんで
大きく高く重くうねった黒い波のように

その哀しみは時々にやってくる

泣ける時にはタオルケットを
丸めて抱き締めながら
九つの頃と同じ声をあげて泣き ...
はじまりは
突然ではなくて
地面に染み込んでいく
雨の速さに似ている

背後に潜む
稲妻と雷鳴の予感
と、その準備に追われる頃
夏の気配はすでに
私の踵を浮かせ始めていた

色濃 ...
レモングラスの川べりから
青い星座を辿ってきたのですね

稲妻をたたえた雲は
あと少しで追いつくでしょう

細いボトルには少しのお酒が残っていて

薔薇の庭にぐるりと張り巡らされた柵
...
『未亡人』
という呼ばれ方を嫌った叔母は
高飛車な懐古主義のロマンチストで
まだ幼かった私に

{ルビ刀自=とじ}

と呼ぶように教え込んだ


『{ルビ刀自=とじ}の刃』

...
「もうすぐお別れです」

夏の妖精があいさつに来た

金色に輝いていた姿は
うすく半透明になっている
それでも確かな輝きを放ちながら
小さな湖のほとりへと帰っていく


素敵な夏を ...
男の子は今のうちよ
ちょっと大きくなったら
なかなか話もしてくれないの
うんと大きくなった今は優しいけどね
うちの子にもこんな時期があったんだわ

なくした宝を
手の届かない場所に見つけ ...
犬の耳が
ちょうちょになって
飛んで行ってしまった
音が出なくて済むように
静かな玩具を買い与えた
名前を呼んでも
もう振り返らない
それでも涼しい場所は
誰よりも知っていて
...
ほんとは

虹の出てる場所ってあるんです


ただ人間は


その場所がわかんないだけなんです


それだけなんだと思います
五線譜を奏でる
雨の音

雨の雫と鍵盤が
世界を奏でる


終わらない神の謡

鳴りやまない奇想曲


季節外れの奇想曲
結婚します!
結婚します!
だからお見舞いに来てね!

あっちのお兄ちゃんは新しいお兄ちゃん!
あっちのお兄ちゃんは古いお兄ちゃん!

結婚します!
内臓が破れます!
腸が飛び出しま ...
さぁさ僕らの動物園へ
おいでませおいでませ
野生を放つ夜の楽園へ
今宵はあなたをご招待

ほぅらこちらが入口で
一度入れば出られない
此処では皆がただの獣
おいでませおいでませ

...
クレヨンの記憶を透視して心酔する
実景を曲解することで救済を求める
孤独に凍える青年の無防備な嘲笑は
赤みを帯びて夜に没する

 ―赤いランドセルの中身が飛散したある朝に
 純粋すぎる挨拶 ...
1.
長い
髪の
毛を 
梳かす 梳かす
あなたへの
気持ち
梳かす 梳かす
長い
髪の

絡まる 絡まる
梳かす 梳かす
胸のした
まで 
伸びた
絡まる 絡まる
...
何もかもに疲れてしまった
最初から本当は何もなかった
そんな事に今更気付いても
遅すぎたって立ち尽くすけれど
走る思い出の数々が
砕け散って破片となって
弱った胸に突き刺さる

誰かが ...
私は夢月の家に
棲むことになりました

夢月の親は
共働きでほとんど家におらず
独り暮らしの状態でした

ちなみに私の棲んでいたのは
『水槽』というもので
今では空っぽで
綺麗な水 ...
ロックというもの
それは 魂で奏でるの
たとえ歌が下手かろうがいいの
びいどろ瓶の海の中
蒼い泡がひしめきあって
じょあっと波を繰り返す

青藍 群青 紺碧の水
いろんな青がひしめきあって
じょあっと波を繰り返す

びいどろ瓶の海の中
ラムネの匂いを漂 ...
一匹の黒猫が地下の廃道を歩いていた
今はもう使われることのない遺跡の廃墟
ここはその下、網の目の様に入り組んだ迷路
所々崩れて光の差すところもあるが
ほとんどが真っ暗闇、不気味なところだ

...
わたしが遅めの初潮を迎えたとき
母がお祝いにとお赤飯を炊いてくれた
(今の子もそんなお祝いしてもらうのかな
膨らみ始めた胸の先が痛かったりして
ちょっとだけ…おとなになった気がした
それから ...
「会いたいよという切なさ」

例えば、遠くに愛しい人がいるのなら
例えば、普段も会えなくなったなら
例えば、会う為に理由が必要だったなら
例えば、片思いなのにずっと会えない事になった ...
昨日A子と買い物に出かけたらればの希望的観測に囚われた僕によく煮た大根みたいに柔らかい脳みそがぷるぷるとお母さんの乳房そっくりに食べられたのは昨日見た夢の続きの逆再生劇場でB子の崩れたお顔と同じく蕩け ... 貴女が大好きでした
他の誰より
自分自身より
貴女を愛していました

貴女は私によく似ていて
性だけが違っていました

惹かれました
呑まれました

貴女と共に在ることを願い
...
いったこともないくせに… 水平線上の街は
曖昧な輪郭線と
いつまでも ぎらぎらと揺らいで
浮かんでいる 何もない所で

水平線から
地平線へと
流れゆく太陽
魂は {ルビ何処=いずこ}より生まれるか?

留 ...
空に連なる白い花々が
青い大河に咲き誇り
そっと揺れはじめ
新しい季節が
空から舞い降りてくる

ふうと風が吹くたびに
花はなびき
ふと手に届くのかと想う

我に返れば
その飾ら ...
彼がいる。
此処彼処に彼がいるので、
落ち着いて眠れない。

彼は日暮れになると満ち満ちてくる。
丑の刻を迎える頃には、
遙か彼方まで彼で満たされる。
此 ...
群れてはいけない

支倉常長は
伊達政宗の命を受け
ガレオン船に乗り込んで
はるばるスペインに渡り
ヨーロッパを通商の旅して
ローマでは貴族に列せられ
帰国して
キリシタン禁 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
そろもん(天邪鬼の話)みつべえ自由詩406/8/30 22:20
ぼくの家には屋根がないぽえむ君自由詩14*06/8/30 22:17
ウデラコウ自由詩1*06/8/30 22:00
黒い波松本 涼自由詩406/8/30 21:49
きみといた夏LEO自由詩13*06/8/30 21:47
青い旗ふるる自由詩12*06/8/30 21:05
刀自の刃蒸発王自由詩7*06/8/30 21:02
小さな湖のほとりでささやま ひ...自由詩2*06/8/30 19:13
男の子下門鮎子自由詩3*06/8/30 17:23
風鈴たもつ自由詩1306/8/30 16:24
自由詩1*06/8/30 15:24
伝い自由詩1*06/8/30 15:12
結婚宣言チアーヌ自由詩706/8/30 14:56
おいでませ雄太自由詩006/8/30 14:17
シュルの夜結城 森士自由詩1*06/8/30 14:16
髪の毛田中眞人自由詩406/8/30 14:00
逃げ道AKiHiC...自由詩106/8/30 13:58
金魚の時間(二日目)愛心自由詩206/8/30 13:47
ロックというものきみ自由詩1*06/8/30 13:27
びいどろ瓶の海の中未有花自由詩11*06/8/30 12:44
天国への調べajisai自由詩2*06/8/30 12:15
不浄の力恋月 ぴの自由詩19*06/8/30 12:14
「会いたいよという切なさ」Taka★H...自由詩1*06/8/30 12:04
遊星からの文体X。whippo...自由詩206/8/30 11:48
愛しい人へ自由詩106/8/30 10:37
思い出のカスピ海A-29自由詩106/8/30 9:22
26、蜃気楼 【しんきろう】雨宮 之人自由詩1*06/8/30 7:25
飾れぬ花ぽえむ君自由詩13*06/8/30 7:15
「 彼。 」PULL.自由詩13*06/8/30 7:10
4000億の星の群れあおば未詩・独白3*06/8/30 5:28

Home 戻る 最新へ 次へ
6055 6056 6057 6058 6059 6060 6061 6062 6063 6064 6065 6066 6067 6068 6069 6070 6071 6072 6073 6074 6075 6076 6077 6078 6079 6080 6081 6082 6083 6084 6085 6086 6087 6088 6089 6090 6091 6092 6093 6094 6095 
加筆訂正:
無言の背中/服部 剛[06/8/30 19:38]
1ヶ所推敲。 
26、蜃気楼 【しんきろう】/雨宮 之人[06/8/30 7:26]
2006.05.31初出。少しだけ改変。
5.94sec.