黴臭いなにかに誘われて
踊り出た夕闇、上弦の月
静かに静かに
子守唄を唄う乳母の横を
ちいさな孤独が通りすぎた
(それは駆け足で
(夏のにおいがした
てらてらと蛍光灯に ...
パンの匂いが、する
カラスの鳴き声で割れた
やわらかい世界の殻
甘い時間をむさぼったあと
すべてが失われていくまで
もう僅か
あなたは足の指の先まで
すっかりふやけ ...
砂まじりの夕焼けが
河口の水面を鏡にして
車のクラクションまでが
赤方偏移すると
空がどこにあるのか
行方を見失ってしまい
だんだん宇宙になるその正体を
冷たく知ることになる
...
心に三つの部屋があるとする
そこには「快楽」「悲愴」「現在」が個々に存在している
それは対極的で遠く 人によっては近い存在
本来人は、「快楽」「悲愴」に記憶を分別できる
分別するための部屋 そ ...
錆び付いた太陽ガガ音を立てて空廻ってまたひねもす。
今頃蝕あたりをおこした地球が月のかけら吐き出している。
雲の肋骨をひと囓りして穴を開けたもう ...
おぼろ月夜の
淡い光に
照らされて
陽炎のように現れた
秘密の扉
ゆらゆらと
揺らぎながら
こっちへおいでと
誘っている
この扉の向こうに
何があるの?
ためらい ...
日常の 些事に惑いながら
とある都市の 私の小さな小さな
城の一室へ帰りを急ぐ
神田に一万円握り締めて行き
二千円で購入した『魯迅選集』全十三冊
文字たちよ
そして魯迅先生は何とお ...
毎日毎日、おびただしい想念がひっきりもなしに頭のなかをよぎっては消えてゆく。
それらを捕らえて紙の上に定着させるのは、なかなか苦労のかかるものである。
もっとも、それだけの価値もない想念が、ほとん ...
まだ僕が光っていた頃に読んだ
あの小説を
僕は今
追いかけている
きれいだと思った
その物語の裏側を
僕は今
走ってるんだ
ああ
此処こそ
本当の物語だったんだ ...
君との想い出を抱いて 死んでいけることを誇りに思うよ
目的を持つように見える人々の間を
さも目的があるような顔で私も歩く
ミュージシャンとは付き合うなと言う私に
詩人とは付き合うなと笑いながら君
そんなごもっともな意見を思い出しながら
...
追いかけるのはいつかの夢
{ルビ揺蕩=たゆた}うのは幸福だったころの記憶
抱きしめるのはあのひとの気配
口づけるのは囁かれた愛のことば
燦燦たる陽のしたで赤く爛れるのは向日葵の花
瞬きの ...
ていきあつていきあつ
と いっしんに唱える、
上空を
旋回するビニールの屋根
めがけて
いっせいにひかりは弱まった。
自転車にのって上昇したのだ
こどもたちは眼下にひろがって
車輪 ...
蝉の羽の剥げ落ちる夕暮れなのでしょうか 今日のような日は
ぬるい空気に溺れるように わたしはただ息をするのです
頭の中で
蜘蛛の子が散った
炭酸に身体を
浸したみたいに
鳥肌がたった
放心状態の間は
あまくも
からくも
ならなかった
ちゅうぶらりん
そういやと
他人の言葉を
...
今何周目?
同じところをグルグル回っていると自分が今どこにいるのか
解らなくなってくる
いつだってここに来ればたくさんの詩があり
いつだって会社に行けばたくさんの仕事があり
いつだっ ...
追い詰められているのは分かっている。
足りない機転をきかしてそれをどう切り抜けるか。
気付いているのは皮をめくって最初に見える虚実だけだから。
分かった振りをしてみたって理解には到底程遠い。
...
"夏終り ボンネットには 鳥の糞"
今年の夏はあなたをドライブに誘うはずだったのに
一緒に滝でも見に行こうと思っていたのに
帰りの車の中で「実はさ…」なんていうセリ ...
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や
誘蛾灯十枚の爪かかりけり
泳ぎきし手足を埋めて砂の城
真夜中の汗つま先へ到達す
扇風機ふいに大きく頷けり
蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ...
河童溶けて鉄骨手を振るのみ園内
立体の森に潰されに川下り
滑車冷凍され動かずそこへ山が近付く
二本の陸橋翼に見立てるだけ入水
女神像内部は魂吹きすさぶ都市
床が這って外に ...
わたしは新参者だから
とにかくにっこりと会釈する
「こんにちは」
と声をかける
するとにっこり
が返ってくる
けれどもそれは
返ってくるばかりで
声をかけるのはいつもわたし
それ ...
油蝉の断末魔に
ふりむくと
老婆がひとり
まどろんでいた
石段にひろげられた紙の上に
硬貨をひとつ
投げてやった
老婆は顔を上げると
おれの目を
じっと見つめた
あくる日
老 ...
世界が揺れてる。
心が揺れてる。
だからなか。
真っ直ぐ歩けない。
心頭をとぎ澄まし
目をつぶる
全てを忘れる
時に身を任せる
いくつもの悩みと
共に歩いてゆく
苦しみを押さえ
足を踏んばる
星に願いを込め
窓辺に一人歌う
さようならさよう ...
デクノボウと呼ばれ
馬鹿にされても平気だ
誉められもせずとも
気にしない
グッと我慢して
耐える
そして忘却の彼方へ
前を向いて歩く
弱い犬はよく吠える
強い犬はおとなしい
...
そういえば。
と、思い出した。
子供の頃、歯を投げたことを。
祖母に何かを願って投げろ
といわれ、"冷やし中華"と言った気がするのだが
いつ、歯の効果があったかは未だ ...
東京は寂しい街ねと あなたは笑う
その横で繰り返し相槌を打つ 機械が僕
{引用=(ここは陸橋の下の小さな公園で)
(ふたりだけで)}
遠い日の忘れ物に あなたは愛お ...
なんだおまえら
と、思うはおやつの頃の喫茶店の中
やつら
梟みたく囁いて昼間の光に盲目になっている
バードキス
ひどく汚い音
男は小太りで
ああ、豚骨の匂いがしそうなくらいぎ ...
鉄の匂いを
僕は知っている
あの金属のぬめりを
僕は知っている
太陽が反射する
鉄の匂いもそうやって
空中に反射されて
四方に鉄の柱を
延ばし続ける
一面にはえた鉄の ...
この触場に来て、今日で三ヶ月になる。あたしにとっては二つめの派遣先だ。前の派遣先では何かと上手くいかなかったので、ここに来られて、本当に嬉しい。
触場へは自転車で ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
夜
ゆるこ
自由詩
4
07/9/10 21:14
世界の終わり
アオゾラ誤爆
自由詩
6*
07/9/10 20:54
ユーリイ・シンドローム
たりぽん(大...
自由詩
11*
07/9/10 20:28
心と世界とミルクティー
tatsuy...
自由詩
1
07/9/10 20:20
「 触欲の秋。 」
PULL.
短歌
3*
07/9/10 20:12
月夜の扉
渡 ひろこ
自由詩
6*
07/9/10 20:08
書物を読みそして書物に読まれ
アハウ
自由詩
0*
07/9/10 19:54
エセー
んなこたーな...
散文(批評...
1
07/9/10 19:09
・小説の裏側・
はち
自由詩
0
07/9/10 18:52
宣告
北大路京介
自由詩
9*
07/9/10 18:41
季節ポケット
快晴
自由詩
4*
07/9/10 17:17
花のなまえ
月下美人
自由詩
13*
07/9/10 16:58
気球観測
南 広一
自由詩
2
07/9/10 16:49
無題
がらんどう
自由詩
4
07/9/10 15:59
ない
フクロネヅミ
自由詩
3*
07/9/10 14:57
【周回遅れランナーの孤独】
つむじまがり
自由詩
3*
07/9/10 14:35
『ピノキオ』
東雲 李葉
自由詩
0
07/9/10 14:24
【夏終わり】
つむじまがり
自由詩
0*
07/9/10 13:59
怪談俳句
渦巻二三五
俳句
19+*
07/9/10 13:46
ヴィダ・ヴィドリオ
黒川排除 (...
川柳
3
07/9/10 13:36
イナゴ
渦巻二三五
自由詩
7
07/9/10 13:31
夏の終わり
〃
自由詩
9
07/9/10 13:09
眩暈。
狠志
自由詩
2
07/9/10 11:56
1日の終わりに
ペポパンプ
自由詩
5*
07/9/10 9:37
円熟した思考
〃
自由詩
4*
07/9/10 9:37
歯の行方
フクロネヅミ
未詩・独白
10*
07/9/10 9:17
東京
草野春心
自由詩
1*
07/9/10 9:17
痴話
フクロネヅミ
自由詩
4*
07/9/10 9:08
金属
佐藤伊織
自由詩
3*
07/9/10 8:25
「 当世触場事情、其の一。 」
PULL.
散文(批評...
0*
07/9/10 7:28
5285
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5287
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5289
5290
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5293
5294
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5298
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5300
5301
5302
5303
5304
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5310
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5312
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5318
5319
5320
5321
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5323
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5325
5.77sec.