井の中の蛙を掌にのせて
珍しそうに眺めながら
「大丈夫だよ」と彼女は
うわのそらでつぶやいた

程好いぬくもりにとろけて
居眠りしていた蛙は
「大丈夫だよ」という言葉を
うっかり「好き ...
けだものの背があり
けだものの背がある
やわらかく
灰を向く



鏡の内外
笛と白と波
銀は常に銀をゆく
金と緑のなかをゆく


芯のふたつある蝋燭
冥王 ...
かぜをかじり ひかりをなめ
  くもをすすり かげをのみほし
ふやけたアベニューをふらつく
regretのなみだをためて

せみしぐれがおいかけてくる
「いまをいきるんだ  ...
草の葉がこすれ 香る
小さなからだを 大きく横たえ
突き抜ける空を眺めた
輝く太陽が おれの目を細くし
やがて 真っ白な世界を作り上げる
すべてがひとつにでもなったかのような
幻の時間 ...

目を開けなくとも蝉が鳴いている
目を開けなくともあなたの部屋にわたしがいる
けれど、目を開けて
眠るこの部屋のあなたを確かめる


蝉が蝉が鳴いている、ああ、夏なのだ
翅の ...
そうだったから
それだけのことで
それだけの
ことだから が いつでもの
僕のシャツの端っこを
引っぱっている
ある日 の

そうだったから が
ふと 尋ねてみたくなった
それだ ...
 
 
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど

あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ...
朝という朝の綴じ目があいて
空が少しずつ明度をあげていく
鳥と電線と鳥と蟻たちと
まだ鳴き声はない蝉としかいない

ウォー

アイニー

声には振り向くこともなく開き続け ...
足のままに進んでいく生き物
飛んでいる海猫を見た
自分に何かを思いながら生きていた
不完全なままの僕がいた

君はどこへ行くのか知らないが
疲れ切っているよう
死にかけた体は
忘却を瞑 ...
私は削られた 流れていたい
私は歩いていく私に
私の流れが人に
静かに私の私を

失っていることの君が自然なら
君に目覚めたい綺麗な
君の自分の物語を渡る
探るように橋を 君を

...
僕があの天才ランボーみたく永遠を見つけたのは17歳のこと
僕は永遠を見つけたかわりに人の心を失った
自由になるとは死ぬことに近いと悟った
だから僕はまだ自由になりたくないんだ

妖精や太陽の向こうにい ...
どこで受精をしたのか
また今日が生み出され
また昨日が殺されて
それでも誰も悲しまず
そうやって日々が生まれて死んでいく

私は今日の始まりに立って
一人昨日を鎮魂する
生まれたばかり ...
定時直後の駅のトイレはものすごく混んでいて僕は、
会社でしてくればよかったと後悔する。
僕の前に並んでいる人たちが一人、また一人と
定位置に立ち、決まったポーズで数十秒、
それが終わると、そそ ...
夜の電車の窓の中の無数の顔色から、ぶらり、色がくだり
腸まで青ざめたわたしたちはひとりでに、ぶらり、垂れるけれど
さびしくないよ。
うまれたままのやわらかさを患い続ける腕と胴体の林の中
夏 ...
柔らかくぼんやりとした呼吸を感じる
輪郭の中に窮屈に詰め込まれた光にも
つかむことのできない流れの中の光にも
君と呼ばれた生き物を生み出すことはできない


Hello‐Hello
聞こ ...
シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが

溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もか ...
ほめられるとすぐ
ちょうしにのるから
あんまりほめないでね

でもたまにはほめてね


そくばくはするのも
されるのもきらいだから
あんまりしばらないでね

でもたま ...
目が合った

懐かしくて憎いアノ人と
すれ違ったとき


目が合った

アノ人を呪ってる自分と




いつになったら許せるのだろう


合わない歩幅を
必死に合 ...
パチパチと散る
砕け散る
線香花火
それよりも
音無く夜に
消えていく
無音の夜に
消えていく
悲しい人の
戯言と
可愛い人の
独り言

パチパチ空は
水溜り
水音高く
...
好きだよとあなた言うからアヒル口
してみただけどぶりっこみたい
 
 
母さんの中を
金魚がぷかぷか泳ぐ
雲の柔らかさ
産地とはおしなべて
そんなところなのだと思う

母さんの背中
バズーカ砲つけたら
悪いロボットみたいだ
だから僕たちは
...
あの丘には海がある
風にとけたあなたが ささやいていった
赤い自転車から 深緑の海を見上げる
深緑の糸かせから 糸の先を手繰りよせる

右腕に 螺旋を描いてゆく海の糸
ひんやりと
深緑の ...
夕焼け お日さまが沈むのを みていた。

ひさしく お会いしていなかったの?
大きな お月さまになって 西の空を染めた まま 落ちていったよ。

長い針が 文字盤をぐるっと巡って重なった ...
{ルビ絆=ほだ}されたよねえ、と
抜け殻は凄烈なまでに粉々に砕け散った

見知らぬ人格が現れた、お陰様で


嘯いたのか


御人好しね、が褒め言葉の時代じゃねえし洒落臭え
自己確 ...
そうだね、世知辛いねなんて同調気味で
やるせない想いを昇華出来ない
不毛なマゼリンの地に見立て
彼女は飽くなき野心の狐眼を秘め、
背を向け去ってった

フレンチブルドッグ小脇に抱え
大き ...
煙草に火をつけ一口目、輪っかができた。
たまにやろうとしてもできないので、珍しくて目で追う。
ゆるゆると大きく広がりながら登っていく輪っかが「出口」のように思えて、形を壊さないようにゆっくりと左手 ...
ものごころがつく前は
うおごころも
みずごころも
何も分かっていなかった

世界よりも広かった
はだかんぼうの意識

ものごころがついた後は
おんなごころも
したごころも
少 ...
意識が情(こころ)を脆くするから
私は道化師を演じてしまう
この微笑みは仮面でないと
貴女に伝える私は
いつになくおどけている


ただ、眺めていたい
罪人と罵られるのは
きっと発育 ...
         
  首ったけになれば、
  その首は討たれる。

  今も昔も世の中は、首だらけ。
  首だけでは、痛みは、感じない。



  本来、胸の奥にあるべき ...
もう何年君のそばで本を読んでいるのだろうか?
もう何年君のそばで寝ているのだろうか?
もう何年君のそばで食事をしているのだろうか?

僕は無口になって黙々と食卓に向かう。
僕は無口になっ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
井の中の蛙 未練を知るnonya自由詩16*09/7/26 10:11
息と色木立 悟自由詩109/7/26 9:50
ゆめの行列(九)信天翁自由詩109/7/26 9:47
黄金熊野とろろ自由詩0*09/7/26 9:40
蝉としゃれこうべの朝A道化自由詩609/7/26 8:40
あるひ の ひより自由詩4*09/7/26 7:49
草刈り小川 葉自由詩609/7/26 6:10
アイニーあすくれかお...自由詩8*09/7/26 6:06
番田 自由詩109/7/26 3:41
自由詩109/7/26 3:40
BOY MEETS GIRL IN THE SUNDAY M ...ゆりあ自由詩209/7/26 3:32
そして昨日は死んだなかがわひろ...自由詩409/7/26 3:29
cycle of a pighaniwa自由詩309/7/26 2:16
果樹園A道化自由詩709/7/26 2:05
白い呼吸ゆたんぽ自由詩2*09/7/26 2:04
午後四時十七分の雨たりぽん(大...自由詩509/7/26 0:49
わたしのはちはちよん自由詩8*09/7/26 0:43
YuLia自由詩1*09/7/26 0:27
パチパチ瀬崎 虎彦自由詩309/7/26 0:07
照れれのレつゆ短歌3*09/7/25 22:06
ベランダたもつ自由詩809/7/25 21:59
深緑たちばなまこ...自由詩11*09/7/25 21:28
ユウヅキヤマ ひより自由詩2*09/7/25 20:18
「絆サレナイ絆」Leaf自由詩009/7/25 19:44
「可笑しなフレンチテイストと東京タワーの下」自由詩009/7/25 19:36
土曜、午後ゆでたまご自由詩309/7/25 17:49
ものごころnonya自由詩6*09/7/25 17:28
柔らかな欲望中原 那由多自由詩609/7/25 17:19
月風魔伝zihan自由詩2*09/7/25 14:50
情歌(ジョーカ)……とある蛙自由詩7*09/7/25 14:37

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