生ぬるい風が、ジャケットを抱えた脇の下を通っていく。ションベン横町と呼ばれる薄汚い通りの入り口にある喫茶店を出て、俺は人気の少ない方に歩き出した。咄嗟に良い場所が思いつかないが、とりあえず駅から離れ ... 「いえ、そういう事でも無いんですが、違わなくないような」
 俺は返す言葉に詰まり、珈琲カップを持ち上げてから、さっきその珈琲を飲み干した事に気付き、汗だくになったグラスの水を、一気に飲み干した。氷 ...
「あ、から始まる季節つくりたい!辞典の最初の方に載せるの!」「もうあるよそれ」 遠くばかりを探していたら
いつの間にか目の前に立っていた
思わず向けてしまった人差し指

音楽の授業でピアノのテスト
弾けないわたしは放課後まで練習
ミの位置にはいつも中指

教えてく ...
先週の金曜日に係員が
片っぱしから抜いてきた芥子が
車庫に運び込まれて

取りあえず焼却炉に火が入る日
まで
放置していた

 チョクシャニッコウハアタラナイシ
 カゼトオシモイイカ ...
線路の脇に咲いている菜の花の細い列
誰のものだろう止められている自転車
真新しい制服の群れからこぼれる音楽
まだ来ない電車を待っている春の駅の

たゆたう人々の視線の高さを蝶が飛ぶ
過去か ...
教室の隅にピーターパンがいる。
誰もそれを見ないふりをする。
寂しいピータパンはおどけて踊る。
すると漸く何人か
彼のほうを見て笑う。

教室の隅にピーターパンがいる。
もう誰もそれが見 ...
無限にもなるだろうが
赤外線を溶かした空のどこかで
忘れてしまわないかね
帰宅しようとして私たちは
点々と席を立つ
窓からのぞく市街地では交通が縦横に操縦され
ビルディングが夕陽をニジュウ ...
いつかの日のこと
その時あたしは中学生だか高校生で
ブラックコーヒーを飲んでみたのです
その黒さはブラックホールのようでした
(ブラックホール 見たことないですけど)
とても苦くて砂糖とミル ...
そのうち夜は来る
と 言い聞かせる
夜になれば
夜は来るはず
でも まだ十分明るい
全てが当たり前の
世界に見える
俯瞰し
俯瞰される
私(たち)
ずっと昼間だったら
世界に在る ...
わかっていながら
最終譚にはまだ遠い
修辞も 出てこない
苦しい言い訳のような
もつれ方
手慣れてはいるが
切実さに
欠けている
眠い季節には 煙い詩を
重い施設には 検非違使を
...
決まった時間に
あの列車はやってくる

はずなのに

今日は
停まらない
追いかけても間に合わない
見知らぬ女が中で笑っている
「彼女」の列車は去って行き
静かな駅のホームには
...
はじまろうとする
あらゆる終りに贈る
季節たちの語りは終わった
わたしたちは手をはなし
時間のものがたりではなく
空間のものがたりをつくる
これからわたしはここ以外をめざし
ここ以外の土 ...
北斗七星をはじめて見たのは
最近のことだ
ぼくが少年期を過ごした街は
空が区切られて
オリオンの三ツ星しか知らなかった
きみの家にいそいで
枯草の道を歩いているときだ
眼前にあらわれたの ...
岸辺だ。鳥のとまった街灯は。飛び立つしかないのだ。
自転車に乗る作業着姿の若者たちのように、世界を無視して

ぼくは車内から意識する。
隙あらば道路に飛び出してくるあいつらのように、かつては
...
昨日と同じ色の朝の
昨日と同じ匂いの時間に
気紛れに買ってしまった
オリーブグリーンの傘を開く
慣れきった慌しさのほとりに
淡い緑色の翳が落ちて
治りきらないささくれの端を ...
蝉が鳴いたら

「蝉が鳴いたよ」と言う

空が晴れたら

「空が晴れたよ」と言う

そういう暮らしを

してみたい

そういう暮らしを

あなたとしてみたい
月光が夜と重なったということ
薄雲は照らされても変わらないということ
それを私が見上げているということ
それから、繰り返すということ
始まりが終わりであり
終わりが道をもたらしてくれた

...
知の晦冥に閉ざされた盲目を
混沌が縦横無尽に終会をする

さて、始めようか。
つみとれない亡霊果実を
暗澹たる宇宙の墓で
貫徹する意識不明の夢路
濫獲された言語の希望はあてにならない
...
窓ガラス滴る雫数えては不実な愛を嘆き悲しむ

雨の中傘もささずに飛び出せば君に出会えるそんな気がした

レインボウ追いかけて行くよどこまでもいつか君にたどり着くまで

紫陽花の冷たい青は君 ...
扉が
壁になった
観音開きの合わせ目には一ミリの窪みもなく
錠前も、蝶番もなく
光も、ざわめきも、向こう側の気配はなく
ひた駆けてきたあなたの
汗と、一千万秒が
消散した その静寂で
...
日常の底辺を二つに割って
その間を流れる河で泳ぐこと
海に出ること 叫ぶこと
朝も夜もない北へ向かって傷む
幾つもの舟は
弾性限界を突破して
大破した

塵となり
風に巻かれた星屑
...
貴方の小指は運命を匂わせ
貴方の薬指は証を嵌めて
貴方の中指は私を慰めて
貴方の人差指は罪を弾劾した
 
 
ごぜんにじ
よだれをたらしてよろこんでる

どたばたあしぶみして
きせいをあげて
きんじょめいわくだってかまわない

おとうさんとあそびたくて
おきてたんだね
ねむるふり ...
ペチッと足下がなって気付く
つぶれたキャラメルポップコーンの一粒
金曜の夜に輝きだした女の子たち
指先がおよぎはじめ
どこかへいきたくなる
移動の風景
常磐自動車道
映画館が崩れ落ちてい ...
 野原は、あたりいちめん紫の花のじゅうたんです。
 やさしい風が、あまいかおりをはこんでいきます。
 カマシアの花たちは、だれも春の日をいっぱいあびて、気持ち良さそうに顔を日にむけていました。
...
 想いの求める
 伸び散らかった
 指に
 天空がからまる
 藤の房に落ちる花穂は
 千を満たす薄紫
 揺れ惑う光の穿孔
 押し分ける風の僣上
 万香が芳しく流れる果てに、
 空の軌 ...
トンネル抜けて
夜のドライブ
スピード出して
スリル満点

間違えと分っていて
間違いを行う不器用者
酒飲んで
歌って笑って

クライマックス
マッドマックス
ロッドに苦しみ
...
 新型インフルエンザ対策委員会委員長に就任した朝に
 愛車のポルシェに颯爽と飛び乗り
 モルダウの森を抜けて
 駅前NOVAで3時間で英語を習得しようとしたら
 吉野家に変っていた
 
  ...
 真上からの太陽には
 からから と かわいた愛想をうかべて

 通りすぎる季節に いつも 忘れ物
 どこかにそっと届いているんだろうけど

 高性能な人がうらやましい
 ぼくは 羽 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
面接(3)虹村 凌散文(批評...209/6/10 0:23
面接(2)散文(批評...209/6/10 0:22
プラムチャウダーピッピ短歌209/6/10 0:20
ゆびについてあ。自由詩12*09/6/9 23:46
抜かれた芥子はすぐに蕩けるkauzak自由詩7*09/6/9 23:04
待機線kaeru自由詩309/6/9 22:43
教室の隅にピーターパンがいた亜樹自由詩109/6/9 22:25
インターネット、遠近法高橋良幸自由詩209/6/9 22:20
ブラックコーヒー新崎自由詩509/6/9 21:49
短夜フクスケ自由詩109/6/9 21:29
もう、おやすみ吉岡孝次自由詩109/6/9 21:20
だいすきな列車cass自由詩209/6/9 21:18
十二月非在の虹自由詩209/6/9 20:57
十一月自由詩109/6/9 20:56
梁よりも真っ直ぐなその高みから恋をしろプテラノドン自由詩209/6/9 20:33
雨曜日nonya自由詩11*09/6/9 19:48
空が晴れたら清水勇介自由詩209/6/9 18:09
いきるということ中原 那由多自由詩209/6/9 17:32
こしごえ自由詩1*09/6/9 14:29
六月の恋未有花短歌14*09/6/9 12:40
春の終わり伊月りさ自由詩16*09/6/9 12:34
防衛線佐藤真夏自由詩5*09/6/9 11:57
貴方の手(あるいはある夫婦の結末)新崎自由詩409/6/9 8:49
おもいで小川 葉自由詩4*09/6/9 3:35
夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)rabbit...自由詩609/6/9 2:20
「カマシア」:童話月乃助散文(批評...3*09/6/9 1:59
千古不易自由詩1*09/6/9 1:47
高速道路ペポパンプ自由詩6*09/6/9 1:02
人生は山崎 風雅自由詩109/6/9 0:12
高性能自由詩209/6/8 23:48

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