氷、と書かれた布製のものが
海からの風にそよいでいる
大盛の焼きそばは皿いっぱいに広がり
けれどできる限りの表面張力によって
その外形を保っている
去勢されたばかりの犬が
日陰で餌の ...
アイリス、薔薇の虹彩
水晶体は紫水晶
産毛のような視神経
薔薇の睫毛

やわらかな莟み耳朶
すべらかな鼻すじ
花はもともとその多くがヘルマフロディトス
笑窪には邪気と無邪気

薔薇 ...
毎朝やってくる
真っ白な日常
今日はどんな色に染まるかな?
昨日は灰色だった
まるで厚い雲のように
気分がひどく落ち込んで
時々にわか雨が降っていたよ

でも今日は君に会える
君は太 ...
                   090731

拾ったばかりの
疑似餌を探す
空の彼方にあるはずと
小さな兄貴が法螺を吹く
疑似餌はおまえの目の前に
木の枝に
ぶらぶらと
見え ...
飢えているのかもしれず
もって生まれた悲しみを
あなたがたは口にしない

島を取り囲んでいる
水のような白き砂を
波紋が渡っていくのを
凝っとみつめている

辛い塩水はもうない
考 ...
「愛している」という
忘れられたくない
だから

「愛している」という
レゾン・デ・エートルに敬礼

「愛している」という
静脈が動脈になる

「愛している」という
こんな ...
ガンとは響きの悪いことばだ

それはガンの意味を知っているせいなのか

意味を響きに置き変えたのがガンなのか

こんな近くに

三人もガンを持つひとがいる

その響きに飲まれまいと ...
 咲いた菜の花をむしり採って、
 夕暮れに鳴く蜩を踏み潰して、
 熟れた枇杷を投げ捨てて、
 白い地面を蹴飛ばしました。

「毎年、四回やって来る電報は、全て、破り捨てました。」

―― ...
誰もいない家の 
ベッドに一人横たわり 
イヤフォンを耳に入れ 
励ますような 
君の唄声を聴いていた 

窓から吹き込む夜風に 
カレンダーはざわめいて 
{ルビ捲=めく}れる暦の隙 ...
君の首筋に
この指をなぞらせる

はやく
心臓をえぐりだして
左心室の筋肉の美しさを閉じ込めてしまいたいと思う

虚ろを見据えるその瞳は
もう二度と脳内と信号を交換することもないのだ
...
風に吹かれて
闇の彼岸へ
遠ざかる
テール・ランプ
滲んで
見えなくなるまで
追い続けた
ついさっき
さよならを
言った
横顔の
髪の艶やかな
乱れと
掌の温もりが
もう  ...
  ふみきりよ、ふみきりよ 
  無言で開いて直立する 
  {ルビ縞々=しましま}の柱に付いた 
  夜道を照らす、照明灯よ 

  ショパンの幻影が弾くピアノを
  イヤフォンから聴い ...
電子時計が0時00分と日付、室温を示している
街路で発狂したような救急車のサイレンが響きわたる
長く続けていた会話が閉ざされる
無機質な室内に空調の音が呻いている

自動ドアは休む間もなく開 ...
何処までも続く涯の無い青空の下に/

何処までも続く涯の無い青空の下に埋もれたまま
彼は独りぼっちで数と戯れていた
無数に飛び交う数字と記号を捕まえては空白を埋めて行き
それが正しいかどうかを確か ...
そんなところにいたのかブレーキ
うなだれてないで体起こして
頼りにしてるのに
そんなあなたを見ると
私も自信がなくなるよ

今はどうとでもなる
未来さえも決められる
だから不安で仕方が ...
骨身惜しまず、働いたあの頃を振り返る日々
―――そんな気色ばむ日常に嘯く日々はもう老いた

連れ添いふたつの撓み軋む感情を
――――諌めるように
律動を産み落とす篝火を手に
――――掲 ...
こんなにもわたしのからだは
文明に侵されていたんだ

しゅわしゅわと熱がからだにしみこむ

気づいて、気づいて
こんなにもさみしさが背骨にわだかまっている
生きてて、生きてて
伸ばしか ...
君が信じているものを

僕も信じられればいいのに


今はまだ、同じ景色の中にいる

冷たい雨に包まれている


すぐに泣いて、いつも困ったけど

最後の最後で強いのは君だった ...
我と遊べや善き阿呆
事のついでの黄昏に
身体無くして魂が
プライドだけで悲しまむ

我と遊べや善き阿呆
事のついでの悲しさに
身体無くして魂の
底を喰ろふて吐き出さむ

我と遊べや ...
波が足下に打ち寄せる
私の足場を削ってく
疑えば
何もかも離れてゆくよ

波が足下に打ち寄せる
私の土台を削ってく

信じれば
必ず報われるとはかぎらないけれど

波が足下に打ち ...
入道雲の向こう側
確かめたくて走り出す
在りし日の思い出
途中から自転車に乗るようになり
ずっと遠くまで進んできた
一本道はまだまだ細くなってゆく


光を集めたビー玉
ころころと転 ...
いたるところに椅子はあるが君はそれに気付かない

深夜アスファルトに寝そべったってええじゃないか

危ないし迷惑かけるかもしれんけどさ

なりふりかまってる場合ちゃいますよ



...
前ばかり見すぎて
お前という前をよく見ていなかった
前よりも前にお前を見なきゃいけないのに
俺のポジティヴさは独り歩きして
お前を励ますつもりがかえって苦しめていた
お前のネガティ ...
ここに来てもっと時間が欲しい。自分の時間が。
寝れなくなるまで寝ていたいし、起きていられなくなるまで起きていたい。
ブッ飛ばしても行きたいし、ダラダラとくねらせてもいたい。
いつまでも慎重に ...
まだ前へ進めない
消せない記憶と焼き付いた温もり
貴方の笑った顔が眩しくて
あたしはまだ一途に想い続けてる
もう昔の事だよ
そう傾く夕陽が柔らかく笑っても
遠くを見るあたしの目には何も響か ...
出鱈目で駄目なうたが
全て認められて洗われて
返すことばがふれる胸に
春が来れば幸い

持て余す心が手放され
見棄てられた呪いが
誰人かによって密かに
祈りと変われば幸い ...
地球儀を回転させまして
わたしは20世紀を忘れました

太平洋がひたすら鼻につきました
なのでイタリアのブーツを履いて
試みに外に飛び出してみたのです

残念なことにこの通りはローマ ...
彼は一人きりで土の中で六年待ちました 
生まれた時、彼は目が見えませんでした
目が見えるようになったのは彼が五歳の時
暗い土の中で、何も見えませんでした
それから今まで何も変わりません

...
 入口と出口

どこにも入口はない
出口すらない
つまり解決はない
解決すべき問題もない
ただ座っているだけだ
もうこうして幾年になるのか

皆うれしそうだ皆しかるべき
入口から入 ...
清む朝に青い血に変える蜥蜴のごとく


摩天楼 谷間の光の乱れ走る


陽の垂れて炎天の街は赤子のようだ
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
海の家たもつ自由詩1009/8/1 0:08
短冊と落とし文月/混沌の薔薇海里自由詩009/7/31 23:55
日常ミツバチ自由詩209/7/31 23:40
魚釣りあおば自由詩6*09/7/31 23:28
深夜まで瀬崎 虎彦自由詩309/7/31 23:23
「愛している」という俳句109/7/31 23:21
矛盾の波吉岡ペペロ自由詩309/7/31 23:15
伝わる志賀羽音自由詩409/7/31 22:20
夜の拳 服部 剛自由詩509/7/31 22:19
食物連鎖ジャイコ自由詩5*09/7/31 22:06
横顔フクスケ自由詩209/7/31 21:41
夜の江ノ電服部 剛自由詩4*09/7/31 21:25
反逆する風景熊野とろろ自由詩2*09/7/31 21:19
風に乗ったチョーク遊佐自由詩7*09/7/31 21:09
ニュートラル木葉 揺自由詩1*09/7/31 20:56
『光蘚〜ヒカリゴケ』Leaf自由詩1*09/7/31 20:29
おふろ三原千尋自由詩3*09/7/31 20:24
スウ自由詩409/7/31 17:57
我と来たれや善き阿呆……とある蛙自由詩6*09/7/31 17:38
潮騒三原千尋自由詩7*09/7/31 17:14
向日葵が咲いていた中原 那由多自由詩5*09/7/31 15:13
休息udegeu...自由詩309/7/31 15:10
前向きである前に新守山ダダマ自由詩309/7/31 14:22
Flat FridayBOOKEN...散文(批評...5*09/7/31 13:30
あなたミツバチ自由詩2*09/7/31 12:37
逝ってよしzihan自由詩1*09/7/31 11:53
回転する世界+忘却熊野とろろ自由詩0*09/7/31 11:20
蝉——制圧されしある夏のこと新崎自由詩609/7/31 8:22
入口と出口生田 稔自由詩409/7/31 8:13
蜥蜴アハウ俳句309/7/31 7:26

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6.36sec.