あなたは、ビードロの中

だから

今でも、そっと息を吹き込むの
今宵は
ちゃんちき、
ちゃんちき、

逢引きするなら
花祭り

逃げるなら
花祭り
まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
かわやきやはたけがありのままにほうちされ
わきみちにあるふるいじぞうがぶきみにほほえんでいる麓
そこの麓びとらはみないんきにこちらをみや ....
タオル地のゾウさんは、ボタンの瞳

故郷のばっちゃんの瞳

とりあえず、ごめんなさい、ありがとう
わたし、を閉じ込めた包み紙がべたべたする悪夢を
かなでる色彩の
調律に
まどった

はじめに黒を描いたのは
いちいち死んでいく感情のモノクロームを撫ぜるため、
であって
硬質のうみの底 ....
春の陽気は

あなたのひざの上

ほんのりと
ウチ、ほんまは知ってんねん

アナタを好きなる呪文

でも、まだ、唱えたれへんねん
頼るだけの愛は、脆い

だから

愛をいそがないで
悲しみを食べきれなくて

お腹いっぱいで

ほら、涙がひとすじ
わたしらしいわたしは

ほんとはね

わたしだけが知らなかったの
この場所を見る最後の時がある

あの人を見る最後の時がある

だから、精一杯見ていたい
わたしとの境界線

それを引けないあなたは

自分をプロットできない
あんたとあたいの50センチ

近いか、遠いか、

あたいしだい
あなたを描いたら

一色足りない

足りないの
ひとつの言葉は、百のことを伝え

百の言葉は、ひとつのことも伝えない

そんな わたしの言葉
そっと、唱えてみた

遠い昔の

あなたとわたしの呪文
あなたは少し離れたトコロで

わたしに結びつけた糸を手繰っている

わたしは週末をすべて使って

あなたに会いに行く

高い場所から景色をみるような

水平線をみるような

二 ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
遠回りしているだけの放課後は
  ただぼんやりとただぼんやりと


キミノコトこっそり見ているようなこの目が恥ずかしくはずしたメガネ


横断歩道の渡り方などしりません
  陸橋の上に ....
あなたが残して行ったもの

俳句を連ねた小さなノート
表紙がぼろぼろになった聖書
漱石の「虞美人草」と
若山牧水の歌集
壇の上の 薄い写真の中の
やわらかな微笑み

かつてあなた ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る

裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている

じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
街のあらゆる隙間から
浸み出てくる泥に追われて

JR駅構内の暗がりの
打ちっ放しのコンクリート壁に
ひっそりと身を寄せる

壁に走るひびはハイウェイ
ところどころ露出した
砂利 ....
あの現場の写真を見た
瓦礫はすべて撤去され
金網や柵に囲まれたそこは
グラウンド・ゼロと呼ばれていた

そして現在 私が住む街の駅前に
デパートを取り壊した後
再開発計画が頓挫して
 ....
 遠目には黒い紐に見えた。近寄ってみると蛇の子供
だった。体長は二十センチくらい。JR新幹線駅の東
口を出てすぐの、駅前広場のフロアタイルの上に横た
わっている。尻尾の後ろの、コンクリートの ....
この街でいちばん美味いという
来々軒のラーメンを食べていたら
いつまですすっても麺が途切れない

適当なところで喰い千切ると
あなたはひどい人だ
という声がした
たぶんメンマが言った ....
今夜はブルーベリー酒で、一杯
甘ったるいお酒が好きです
そうして甘ったるいことばを吐く

大した意味などないけれども
わたしは甘ったるさを舌で転がしては
その中に辛さを味わおうとする

 ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
気付けばなんにもない季節でした
冬の次は春であると教えられていたが
ごらんよ、
ここにはなにもない
雪景色と花の息吹の隙間
ぽかりとあいた時間
ごらんよ、
名前なんてないのさ

吹く ....
{画像=071210020823.jpg}
萩原朔太郎の詩に 『 漂泊者の歌 』 があります。

少し長くなりますが、引用します。自分が詩を愛する理由の一つであると同時に、今、自分が詩を書いてい ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あなた- 殿上 童自由詩4*10-7-7
花祭り- 殿上 童自由詩3*10-4-23
- ミネ自由詩2*10-3-23
ボタンの瞳- 殿上 童自由詩9*10-3-16
深海魚(グロテスク)- 甘雨自由詩210-3-7
ひざの上- 殿上 童自由詩4*10-2-9
知ってんねん- 殿上 童自由詩5*10-1-17
いそがないで- 殿上 童自由詩12*10-1-16
食べきれなくて- 殿上 童自由詩8*10-1-13
わたし色- 殿上 童自由詩10*10-1-10
見ていたい- 殿上 童自由詩3*10-1-1
境界線- 殿上 童自由詩4*09-12-30
50センチ- 殿上 童自由詩4*09-12-27
足りない- 殿上 童自由詩5*09-12-24
わたしの言葉- 殿上 童自由詩5*09-12-24
ひみつ- 殿上 童自由詩4*09-12-23
ひまわり- 透明な魚自由詩309-10-6
私がふたごだったとき- 未有花自由詩24*09-9-3
空路遊戯- アイバ  ...短歌409-7-3
巡礼歌- 壮佑自由詩15*09-4-10
潮騒- 壮佑自由詩31*09-4-5
- 壮佑自由詩19*09-3-20
グラウンド・ゼロ- 壮佑自由詩14*09-3-14
- 壮佑自由詩9*09-3-3
写真- 壮佑自由詩16*09-2-19
酔う- かんな自由詩21+*08-10-19
青いひかり_______- 前田ふむ ...自由詩28*08-6-19
名前をください- アルビノ自由詩108-4-3
漂泊者に想うこと- beebee散文(批評 ...408-3-15
日付を打たない手紙- 藤丘 香 ...自由詩63+*07-9-1

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