ふりむけば裸のまま
眠りに落ちる月
しわひとつない空のシーツ
蒼白の 
ひんやりした頬
東雲は遠く
高台から見える町並みは
靄の中から生まれたばかり
橋の上 羽音が
明けの夢の掠めて ....
闇のなかへ祈りをポンと放り込む
どこか奥のほうでぱしゃん、と水の音がする

跳ね返ってくるかすかな水音が
応えなのだろう
それを紐解いたりはしないけど


冷える夜に丸くなって眠る
 ....
 夜が来て
 刺すような凍をそそぐ星
 神秘めく 真冬のそらを征服する
 ビルの柱の蔭で

 一本の竜巻のように巻き上る
 子供の愛が
 大空を圧し馳ける

 懐かしい愛の歌をハミン ....
鞄の中には
ひと握りの青空と
昨日捕まえた飛行機
微かなその羽音
生きていく毎日の走り書きは
遺言のように積み上がって
夏、という言葉だけが
いつまでも
うまく書けなかった
 ....
天気予報を観ながら
トーストをサクリと齧り
珈琲を飲みほしたら
履きなれたスニーカーの紐を締めて
ドアの鍵を放り投げ
今日が始まる

白い自転車のぴょん吉に乗って
何処まで行こうか
 ....
すぎさるものいとし
いつものみちよるべなく
てのうちいれた指の
すぎるもの零れぬよう
はかりにかけるちのこえ
わすれてに仕舞う
いちぢくのみの爪さき
海のうちおちてくみ
ゆうど ....
 冬靄に
 鳴き交わす水鳥の群れ
 細い車道のヘッドライトを
 吸いこむ ささめ雨

 大通りの交叉点
 如月の靄 薄れ
 東へ連なる街燈のむこう
 仄かなサーモンピンクの低い雲

 ....
オカリナを吹くことになった
メロディで三曲
選曲はわたしの自由だったが
オカリナは音域が狭いので
吹ける曲はそう多くない

「翼をください」と
「たんぽぽ」と
「昴」を吹くことにした
 ....
うちのたまは五百円玉が大好きで
お腹いっぱいになるのは十五万円
過日お腹が痛いというので
たま専用の銀行ATMでうんちをさせた
もうそろそろ
またお腹が痛いというだろう
たまは食いしん坊で ....
夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり

しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる

朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
グラスを傾けながら
あの頃を想う

何も持っていなくて

三本立てのリバイバル映画を観ては
涙ぐみ

午前零時閉店のクラッシック喫茶が終わるまで
バッハとチャイコフスキーをリクエスト ....
北風に肩を丸めてまた開き
ペダルを踏む 帰り道
うう うう う
消防車の隊列とすれ違う
夕暮れの国道に放出されるサイレンのエコー
赤い閃光は次々にドゥルドゥル廻りながらどこへ向かう
その瞬 ....
 ちょっと気鬱な
 月曜日
 交差点に
 今朝は飛んで来てくれた
 白い息吐く
 羽黒蜻蛉

 その引き締まった脚線は
 二対の翅、
 着膨れする ときわ木の
 林を抜けて
 見 ....
ああ、君もここに来たんだね
いくつもの宇宙が生まれて終えた
今度の始まりは今までとは違うらしいね
もう君も知っているだろうけれど

そうせいをまつおおくのたましいが
みちかけるたいどうをあ ....
目醒めると
この心に寄り添っておとなしくしていた霊が
ゆっくりと時の隙間にすべりこんできて
顔なじみの友人のように
この肩の向こうから微笑みかけてくる
それからは いつも通りだ
神をも恐れ ....
漂泊の路は白く乾き
振り返ってみれば
足跡は曲がりくねり
彼方に霞み 消えてゆく

あれから{ルビ幾年=いくとせ}経ったのだろう

春は桜の花びらに埋もれ
夏の陽はヒマワリを照らし
 ....
豊羽鉱山で働いてた高橋のおじさんと
おばさんの家のみゆきちゃんは
ボクが小学校の時
泊まりに行って
夜中におしっこに起きて怖くて
動けなくなった時に
「一緒に寝るかい?」と
声をかけてく ....
関西風のだしがおいしかったうどんの店は
コロナが始まってすぐのころ店を閉じた
よくお世話になってたのになあ
売り上げが落ちてかどうかは知らないよ
四月にはなくなってたから
それで、ちょっとし ....
何か一歩踏み出したら 素敵な何かに出会えるかしら

きっと 何かあるのでしょうね 確率はゼロじゃない

でも その素敵なコミュニティに 迷惑をかけない自信がない

素敵なものは須らく 私と ....
――外気温2℃。
深夜の阪和自動車道を
オートクルーズで突っ走る
後部座席には竿がある

目的は、磯釣りだ
前回の屈辱を晴らすべく
ウキをハリス側にセットした
これで仕掛けは撒き餌と同 ....
イタコ、暖炉、雲の姿。ガスの目論んだ固体。
いたこ だんろ くものすがた がすのもくろんだこたい


重く語ってったか、蜘蛛を。
おもくかたってったか くもを


餅の命の要素。滅ぼそ ....
 カーテン開ける
 東の窓辺は柔らかな
 柳の芽吹き おもわす光

 三度目に
 鳴っていた携帯のアラーム消して
 私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
 這い出してきた脳みそが
  ....
ぬれた星を見上げ
渇きをいやす
眼球は
キリギリスを歌う
風見の舌と睦みながら
吐血の祈り
内視鏡では
さかしまに蜷局を巻く
死は累々と
あどけなく惨めに
染みはそのまま
母の着 ....
ひこうきぐも、
それは、ひこうきが飛んでゆくように、
あっというまに経過してゆく、
とても楽しい、
ひとときのあとの余韻、


ひこうきぐも、
それは青空にもきざみたい、
ぼくのよろ ....
天竺の哲学者は言った
零は無であり有でもある

零は円周率の計算が果てしないのと同じなのですか

彼は言った
零は起点ではない無量大数と同じこと

メビウスの輪と同じものですか

 ....
旅の句。カタカナの眠る胸の中、高く伸びた。
たびのく かたかなのねむるむねのなか たかくのびた


留守番で嘘以下の回想。伝播する。
るすばんでうそいかのかいそう でんぱする


堕天 ....
こんにちわ、
北風さん
扉のない家にようこそ

ひとつしかない部屋には
暖炉があって、
メラメラとよく燃えているだろ

冷っこいおまえさんを
ポカポカにしてあげたいから
しばらく暖 ....
 
 夏の日の
 薄い日暮れに
 山裾を 退屈な貨物列車がめぐる
 段々畑に 
 くっきりと動いている
 働く人の影
 
 歌を忘れたら何が残るだろう
 長い貨物列車のリズムを
  ....
透きとおった言葉を口にして
目をそらした無意識の砂浜へ
甘露は溶けてかんかんの椅子の上
赤らむ空気を肺に吸い

ウミウシのあんぽんたん
原罪を浄化したからって
洗われた皮膚がきれいでも
 ....
やわらかい、
手でひきながら、
にぎわいへとみちびく、
そのひとみに、
よく跳びはねる、
活発な、
ちいさなウサギ、
が、二ひき棲みついて、
だから、きみはよくまばたきをする、
その ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8500)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月に添う- ただのみ ...自由詩3*24-2-3
まどろみ- 凍湖自由詩824-2-3
ジュリアン- リリー自由詩5*24-2-3
走り書き- たもつ自由詩624-2-3
晴れた朝- レタス自由詩4*24-2-2
夜はやさし- ryinx自由詩6*24-2-2
朝もや- リリー自由詩5*24-2-1
- たま自由詩5*24-2-1
たま- レタス自由詩13*24-1-31
夜がひとり- atsuchan69自由詩12+*24-1-31
還らざる日々- レタス自由詩8*24-1-30
消防- 松岡宮自由詩424-1-30
黒トンボ_[まち角30]- リリー自由詩6*24-1-30
なげきなくながく- トビラ自由詩4*24-1-29
明け方の霊- 岡部淳太 ...自由詩424-1-29
- レタス自由詩6*24-1-28
泥沼の華- 板谷みき ...自由詩3*24-1-28
繁忙期の放心と、周縁の人々、一部に含まれること- うめバア自由詩424-1-28
独り言5- 短角牛自由詩2*24-1-28
ボウズ街道- atsuchan69自由詩11*24-1-28
古代にいた子(回文)- 水宮うみ自由詩4*24-1-27
朝暘- リリー自由詩9*24-1-27
よみがえる- ただのみ ...自由詩4*24-1-27
ひこうきぐも- 本田憲嵩自由詩1124-1-27
生滅問答- レタス自由詩4+*24-1-26
回想文(回文)- 水宮うみ自由詩3*24-1-26
北風の部屋- atsuchan69自由詩10*24-1-26
ソレイユ- リリー自由詩8*24-1-25
十四行のシーグラス- トビラ自由詩2*24-1-25
まばたき- 本田憲嵩自由詩1224-1-24

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