つながれっぱなしの犬がいる
中型雑種茶色の犬だ
散歩してるのを
一度も見たことがない

コンクリートの駐車場の中
小さな犬小屋で暮らしてる
動けるのは鎖の長さだけ
その空間の中で
お ....
降りつづく雨のせいで
部屋の空気が重く感じる
ポツリポツリと奏でる サティのピアノはけだるい
大きめのポットにダージリンティを入れて
ゆっくりと茶葉の広がる時を待つ

雨の匂いと紅茶の香り ....
薄絹の衣を纏い 緑の髪を櫛梳り
蒼き唇に 朱の紅をさす

青磁の香炉 紫煙立ちのぼり
伽羅麝香 甘き獣の匂いに包れる

萌黄の胸に 恋情を抱きしめれば
一途に慕うは 愛しい男だけ

 ....
わたしのナーヴァスをあなたは知らない
胸の奥に巣食う腫瘍から
躯中に毒が廻る
身悶えするような熱情が
不完全なわたしに火を放つ

赫い林檎を食べた日から
この身に孕んだ
情欲という炎の ....
沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色
世界を燃やし尽くすように染めていく

心の渇望は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける

わたしの葛藤は……
ざわめく言 ....
わたしの生まれた国には
四季があります


春 桜舞う
人優しく笑い
肩にかかった 花びらはらりと払う
門出の時 別れの時
感極まって 涙する人よ


夏 蝉時雨
突然の夕立に ....
肩上から指先にむかってながれる一本(くだ)を
ふき こすり たたけば
装置はあやしく
黄昏もする

段々畑にくみあがる椅子に 沈み
ホールそのもの

しずくのような響体構造が 浮く
 ....
硝子窓の向こう側
暗闇の中で
蜉蝣の透明な翅が
月の雫のように光っている

―― ヤミガコワイ……

呟き声がした
わずかな物音まで
深い闇に吸い込まれていく

一枚の硝子に仕 ....
暑すぎた夏が終わり
賑やかだった蝉たちも死に絶えて
地中深く 沈黙の蟲となる

キャンパスに描かれた
自画像は完成されないまま
白く埃を被っていた

数々の葛藤が わたしを苛んで 
 ....
きゅっとひねって
ぐいと飲み干す
なんでもないことのように
そうできたらいいのに

あこがれと崇拝が
近づけて遠ざけるから
私はどんどん小さくなって
ペットボトルの首飾りになって
た ....
「鳥が空で迷子にならないのはなぜ?」

幼い目で僕を見上げた
その髪を撫でながら
「くだらない考え事をしないからだよ」
と呟いた
美しいものは特に
何も持たずに輝いている

昨日 ....
友へ

こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
雲を帽子に四人の巨人が
千住の街に立っている
頚に銀色のネクタイをつけて
黒い服を着ている

ぼくが手をふると
こちらをみおろす
狭い路地に入っても
のぞいてくれる

走る電車の窓 ....
 わがままなあなたのReは愛しても
 まだ足りないと盗みいるひと


雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな ....
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている

エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す

寝苦しさ ....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ

旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
 ....
空いてます
ぼくのとなり

とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ

ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
うらめしく掛け違いしブラウスのボタンの始まりいじる淋しさ  
あたいの心は茜色

つっかけ蹴り上げたら

明日は、きっと晴れ



 
?



あなたに話をしたかった
私達がすっかり醒めてしまうまでに
いつか、あの透かし模様に浮かべていた
神様を
横たわらせた小指の こと


遙か 一瞬で過ぎ去ったものを
か ....
ひとの定型をさがして
どうぶつのにく

しょくぶつのかじつ
が犠牲になっていく
ひとのなかで
らしさ
は買えない
貝をお金で買うのが
どれだけナンセンスか
ポストモダン世代にわか ....
ぼくらのいのちのかたまりが

こころとなって かたちとなって

やってくる

あしたにはちがうかたち

になっているかもしれないし

そのままのかたちをしているかもしれな ....
かんぜんたいは
ありとあらゆる
条件を
かね備えて
きぜんとしている

唯一だから
さみしい
というおもいを
知らないでいる
ふかんぜんたいは
ありとあらゆる
条件が
あり ....
かつてはお日様の下を気ままに舞い
華やかさを振りまいたであろう羽
埃にまみれてすり切れて
ひっそりと落ちている
楽しかった夜が明けて
魔法のとけた朝を迎えた様に
信頼で結ばれた関係が
ひ ....
八月
隙間のない日差しが街を埋めつくして息をとめた地上
の生きものたちは白い化石になるだろうか

昼下がりの昆虫のように日差しを避けて地下に逃れた
人びとの背にうっすら
あの日の地核の影が ....
「働かざる者食うべからず」という言葉がある。レーニンが、キリスト教の伝道者パウロの言葉を引用して、述べた言葉であるのは、有名ですが、
キリスト教に詳しくない僕は、レーニン主義にも詳しくない僕は、  ....
黒くてまあるいテーブルに
まあるい背もたれの黒い椅子
空は何処までも黒くて
此処は光の帝国だ

暗闇に生えるシャボン玉の七色の渦巻きを見ている
僕が毎日学校に行って普通に暮らして ....
青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている

*

雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコ ....
おとなが
こどもをもとめて
在りし日をおもう間が
すぎていく
ねんれいを知るには
かさなった時を精算するより
ひふとかほねとか
みのまわりのせいりをして
自称せいぶつがくしゃのつもりで ....
ひもとくと聞いて
巻物の紐を解く様子が
しぜんと思い浮かぶ
しかし
その書物は何で
誰が
いつ
ひもといているのか
その疑問をひもといてみせたい
いわば
物語を紡いでいるものを
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_つながれっぱなしの犬_】- 泡沫恋歌自由詩11*11-10-1
【_雨粒_】- 泡沫恋歌自由詩15*11-10-1
【_朱の女_】- 泡沫恋歌自由詩5*11-10-1
【_イヴ_】- 泡沫恋歌自由詩5*11-9-30
【_紅緋色_】- 泡沫恋歌自由詩8*11-9-29
【_愛でし國_】- 泡沫恋歌自由詩4*11-9-29
臓器のかなで- 乾 加津 ...自由詩10*11-9-29
【_闇の音_】- 泡沫恋歌自由詩9*11-9-28
【_メタモルフォーゼ_】- 泡沫恋歌自由詩5*11-9-28
マスコット- 三原千尋自由詩10*11-9-24
やくそく- 高梁サト ...自由詩7*11-9-19
つくせぬ手紙- 乾 加津 ...自由詩16*11-9-17
お化け煙突- 殿岡秀秋自由詩911-9-15
夢猫- たま自由詩27*11-9-14
月の夜、幻の空(未詩・独白)- プル式自由詩11*11-9-10
夕暮れ王国- 未有花自由詩23*11-9-2
- たま自由詩37*11-8-28
- マチムラ短歌2*11-8-25
明日は- 殿上 童自由詩19*11-8-21
イギリス- 梶谷あや ...自由詩611-8-19
ひとらしさ- 中川達矢自由詩711-8-18
いのりの詩- 吉澤 未 ...自由詩1111-8-8
ふかんぜんたい- 中川達矢自由詩7*11-8-6
蝶であった羽- wako自由詩8*11-7-29
午後の化石- たま自由詩24*11-7-26
働かざる者食うべからず__mixi日記より- 前田ふむ ...散文(批評 ...3+*11-7-21
星に願いを- 透明な魚自由詩311-7-17
憧れ- 未有花自由詩17*11-7-8
かえるおとな- 中川達矢自由詩5*11-7-4
ひもとく- 中川達矢自由詩6*11-6-17

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