四国に続く山脈に
 雪が積り
 社の石段に降る雨に
 心を洗った後

 醜く見える貴方の顔

 その薄い唇に
 私の唇触れた事が嫌悪を誘ったとしても
 私の責任ではない

 何 ....
1.憎しみ

北風だ
なつかしい火事の気配だ

黒いタートルネックから青白い首筋がのぞいて
発情した外套の群れに咬まれた

くだらなくもただしい鳥獣戯画
ただし朝にはいつものコーヒー ....
 氷雨ふる
 揺らぐ湖面の深川鼠

 畔のみち樹木の間、
 銀の飾りの濡れぬれて

 あの高い枝の末端から
 最後の一葉、落ちたなら
 老婆の干からびた爪の先
 ひび割れる音がしない ....
ほとり ほとりと
冬の 路

ぽつり ぽつりと
{ルビ詩=うた} {ルビ謳=うた}い

ほろり ほろりと
{ルビ啼=なき}き 濡れて

おーい おーいと
友を 呼ぶ


枯れ ....
夕景、
いちにちの役割を終えて、
港の工業王国に静かにそびえたっている、
ぼくのちょっとした、すこし傾いた、
鉄骨のキャッスル、
工場の七階から、
淀んだ窓を開け放って、今日も少しだけなが ....
 スーパーの食品売場
 高らかと流れ始める
 映画『ロッキー』のテーマソング

 バックヤードから颯爽と登場する
 二人一組で値下げシール貼り回るアルバイト達
 曲がサビの旋律になれば ....
宝くじ買ふ人の列年の暮

個食には足るる畑の冬野菜

あをあをと葉物野菜や冬の畑

老友のはしゃぎ初雪知らせきぬ

冬の庭樹皮に描かる苔模様

抜きたての冬菜を添ふるサラダかな
 ....
僕らの明日はどっかにつながってるんだ
さよならなんて言うもんか って
鳴きつづけてぱたりと絵本が倒れるように
 
 
 
さよならとくじらが言った(ように見えた)
さよならと機関車も ....
あのラーマが販売を終了する
ラーマとは、インド神話最大の英雄の一人で
タイの現国王もラーマ10世なのだが、
販売を終了するのはマーガリンの名前だ

ボクたちは、あたりまえのように
毎朝パン ....
ほら、見てごらん
指先が少し光っているよ

表情のない肖像画が呟いた

ベランダに出て
夜空に透かしてみたけれど
少しも光っちゃいない

ん… 指が石化している
でもキーボードを打 ....
 
砂になってしまった夕陽は
さらさらと少しく風に吹かれ
まあだだよ、と穏やかな逆反応
 
 

私の幸はどうでもこうでもOK
あなたの幸、あなたの幸こそ
もっともっとエデンの東のあ ....
 17時回ったスーパーの精肉コーナー
 陳列棚に、値下げされた鶏もも肉少量パックが
 取り残され上目遣いで
 私を誘惑する

 手が伸びる けれども
 チキンライスを食べたいわけじゃない
 ....
 延暦寺西塔の居士林、
 森閑とした闇に包まれ坐る道場
 打ち鳴らされる警策で
 突如 目を見開くと

 秋霖

 湿った杉の並木が
 生い茂り
 霧のなかに太い幹の影を映して
  ....
おなかいっぱいにカレーを食べて 強烈に暖房を利かせて

得も言われぬ 幸せを感じました


失ったものがあったとて

失うまでの過程でそれが本当に大切だったかには疑問符がつき

リセ ....
{引用=昔の異国の詩人}
籠の中の鳥は誰よりも遠く高く飛んだ
鳥籠を選んだのは彼女自身
名ばかりの自由という見えない鳥かごの中を
ただ同じように旋回するだけの鳩の群れの一羽になるよりも
自分 ....
  「紛いもの」

 凪の夜

 寒空が黒いインク
 
 こぼした水面、すべりゆく

 遊覧船は

 まるで冥界の古城



  「中古マンション」

 三階で 物干し ....
終えて
始めることを
止めた

当り前に
巡ることを
諦めた

透き通った人達の
声が届かないように
ひたすら囀った

正しすぎる風に
猫背を向けて
なけなしの炎を護ろ ....
 酒房に足をふみ入れたとたん
 行方の知れなかった心が
 戻って来た

  日頃 胸の底に巣喰う黒いものが
  熱っぽく溶けて肉にしみ入ってくる

  私に降る 師走の雨

   ....
 週末の京都駅
 待ち合わせたプラットフォーム
 喧騒の波間みつけた
 あなた

 月に一度も逢えない
 あなたの指が触れる洗い髪
 ムースで整えて
 玄関飛び出して来た
 夏の ....
天竺の行者は言った
無量大数よりも大きな数字を
ガンジスの砂を感じながら
無数を解いた

今もスーパーコンピュータで円周率を計算しているが
果ては無い
無駄なのだ

この宇宙の果てに ....
1.ジャンク・フード・メモリ


冷蔵庫にババロアがあるから
と言って仕事に行ったけれど
それが本当のことなのか
過去のことなのか未来のことなのか
わからなくなってしまった

残業を ....
 ほの暗い空に尖ってゆれ動く
 銀杏の枝先 路端の枯葉
 手袋はめる指先
 冷たさ滲み

 駅前
 ためらうことなく夜を受け入れた街

 バスターミナル 
 無人のベンチ
 男物の ....
十二月 早朝
いつものように高台通りを歩いて仕事に向かう
右手の歩道と山側の住宅地の間はなだらかに傾斜して
自然の植生を活かした広い公園になっている
この季節には通りに面した{ルビ落葉松=から ....
身体に電流を流すかわりに
しびれるような音楽を流して

腕を流れる血液のかわりに
どばどばと音楽を流して

胸が張り裂けそうな孤独
その心臓の鼓動に重なるドラム

身体の中に抑えきれ ....
ことしは喪中はがきが多い
きょう、八通目が届いた
古い友人
映さん、七三才
わたしの姉と同い年なのに

映さんの本名は、恵子だという
知らなかった
詩友とはペンネームでのお付き合いだか ....
深緑の
葉は
光を
反射している
静かな息で
正しさと罪とのあわいを
行きつ戻りつする心
人と人との戦場を抜けて
生き残ったことが
祈りを証し立てする

やって貰いたい仕事があるんだよ
皆そう言って笑うので
私は嬉しくなって
ま ....
黄昏に
金の雨降り
幼子へ
みどりの壺に
骨を入れよと

泥沼に
もがき苦しむ
指先で
届かぬ糸を
手繰ろうとする

ブランコを
二人でこいだ
姉さまは
浴衣すがたで
 ....
やわらかい毛布

まくらのふくらみ

あなたの手の平

うねる運命線

天井のしま

耳たぶ

かわいた爪

ぬくもり

お夕ご飯

ニンジン

 ....
東の風が吹いていた
醤油工場から醪(もろみ)の匂いが漂う路地
ぼくはスニーカーの紐を堅く締め直し
重いザックを背負い直した
遠くに行ってしまう前に白い灯台を訪れたかったのだ

乗客は三人だ ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
澎湃- リリー自由詩4*23-12-23
12月のカーテンコール- 平井容子自由詩523-12-23
湖道- リリー自由詩4*23-12-22
季節の中で- レタス自由詩6*23-12-21
ガントリークレーン- 本田憲嵩自由詩823-12-21
おつかいじいちゃん[まち角29]- リリー自由詩5*23-12-20
年の暮の句- けいこ俳句5*23-12-20
sayonara.com_61-70- AB(な ...自由詩1023-12-20
さよならラーマ- atsuchan69自由詩18*23-12-20
ある肖像画- レタス自由詩11+*23-12-19
okaeri.com_51-60- AB(な ...自由詩723-12-18
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大杉- リリー自由詩3*23-12-17
カレーと暖房- 短角牛自由詩6*23-12-17
- ただのみ ...自由詩4*23-12-17
五行歌_二首- リリー自由詩4+*23-12-16
年の瀬- 夏井椋也自由詩7*23-12-16
デーモン- リリー自由詩5*23-12-15
蒼月- リリー自由詩2*23-12-14
地に平和を- レタス自由詩9*23-12-14
産み辺のカルマ- 平井容子自由詩1023-12-13
唇に歌を[まち角28]- リリー自由詩4*23-12-9
黄金- ただのみ ...自由詩5*23-12-9
音楽を流して- 木屋 亞 ...自由詩1*23-12-8
喪中のひと- たま自由詩1023-12-8
※五行歌「深緑の」- こしごえ自由詩2*23-12-8
庇護- 303.com自由詩523-12-8
五行歌_白日夢- レタス自由詩4*23-12-8
感じる- 由木名緒 ...自由詩17*23-12-7
地の果て- レタス自由詩923-12-4

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