ぼくは栞になりたかった
図書館の本にそっと挟まったままの

あるいは
だれかが思いをこめて忍ばせた
四つ葉のクローバーに
あるいは
はからずも頁の上に落とされた
乾いた涙の跡に

 ....
誰にでも烙印は捺される
火傷の熱さもなく肌を抉られる痛みも覚えず

それはいつも自分には見えない身体の部分が選ばれる
自分には見えなくとも他者にははっきりと見える位置に

転落者とも落後者 ....
へやじゅうに散らばるこまかいつぶを一つぶずつ拾いあつめ
へやの
左がわにもっていき
さいごの一つぶを左がわに置いたところで
いちばん左がわの一つぶから
右がわへ
もっていく
死ぬまで ....
もう起きる時間だろう
眠りの中で身体のどこかがそう告げていた
案の定 暫らく経って携帯が鳴る
わかっているよ でももう少し寝ていたい
「いいんじゃない このままで」誘惑者が甘い声で囁く
 ....
どうしたのだろう
いつの日からか母は新聞で「死」という字に赤く印をするようになった
どうしてだろう
いつの日からか母はそうして新聞社に電話をするようになった
どうかしたのだろうか
そのときの ....
たとえば
あなたが
一つの詩を書こうと思い
想像力は創造力と変わり
詩作の情熱があなたを捉え
刀鍛冶が真っ赤に熱した鉄を打つかのように
ひと文字
ひと文字
キーを打ち
一つの詩
一 ....
たとえば僕が
宇宙人にさらわれたとして
僕の不在に
気がつかない人は多いだろうが
僕の不在を
嘆く人は片手で充分数えられる

別に怨みごとを言うつもりはない
そんなものだといつも思 ....
卒業を身体全てで感じ取る人生の船すいすい進む

手作りの籠は温もり膨らます枝絡ませた模様は迷路

病室の匂いを変える精油たち朝の光は今日の始まり

青空を見上げることを忘れない春の陽 ....
天に向かって屹立する塔
尖塔、巨大な実用性か
シンボルとして辺りを睥睨する
関東平野の中奥へも
その塔は睨みをきかす


馬鹿ほど高いところが好きだよ
O君
君のおかぁさんは橋の ....
午前0時 チョコレート色、渋谷の街角 、付け爪、絹擦れ、女子高生、瞳、 タリバンの娘 : :午前5時 砕けた石、 羊たちの群れ、 井戸水、 蒼白いネオン、黄色い光、音のない砂漠、欠けた月::  .... いのちの台車を転がします
よいせと出発するのです
とっ散らかったアメーバ集めて
こぶしに生まれた推進力で
カーブだって曲がれます(すこし)
ひっくり返ったりもしそうになるけど
まだまだ夕日 ....
川辺の光の
光のあやとり
すぎるものたちが
映り映らず
すぎてゆく


生きものは生きもののまま
在るものも無いものもつながってゆく
降る会話 巡る会話
水紋ではな ....
なにも映せない、一枚の歪んだ鏡の塔のようだ、鏡のむこうに空が抜けて、地面が抜ける、わたしと思う人(問い一)もさくりと抜けてしまうのに、わたしと思う人(問い二)の舌だけが粘り強く、鏡の縁を這う、たしかラ .... 二歳くらいのまだ舌足らず
睫毛の長い女の子と
並んで待つ間に
若い母親と世間話など

診察室のてんやわんや
医師はくり返した「きっと泣くよ、泣くよ」
彼もいやだったろう
施術は長く、泣 ....
校庭に響くチャイムが空にまいあがってゆく

ぼくは思いっきりボールをけってはしる

ボールはぼくの意志のように草むらにとまる


ねころんで見上げるとぼくが世界の中心になった

大地 ....
午後から晴れるといっていた
天気予報があたらなくて
午後になっても
憂鬱な雨が降り続く

湿った食パンは味気なくて
作りかけのジグソーパズルに
八つ当たり
床中に散らばったピース ....
電子が世界を占領するいま

ぼくは回路に置き換えられて存在できるのだろうか


HAL2000は感情あるいは心をもった電脳なのだろうか

ボーカロイド初音ミクが歌う愛のうたは確かになにか ....
深い亀裂に射し込んだ座標軸の影
鳥たちの鳴き声がする
目が覚めるとほとんど記憶を失っていた
二日間眠り続けたその男は
夢の中で一生を終えたと言う
男はしばらくしてすっかり人が変わってし ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
蟻んこの墓は小さ過ぎて見えない
やっぱりそれは土の中
甘い罠にはまった末の
ガラスの蟻地獄でもない限り
だとしても
斥侯も出さない女王蟻が
弔意を示す訳がない
無きに等しい一介の
労働 ....
しょうふは
おかねでかわれた

そのうみを
ふかいふかいうみを

おかねでかえない
きみをうみが
とおくみている
このまちに
きみがいるとしってから

このまちは
きみになっていた

きみとすごした
このまちが
きみであるように

きみとすごした
このまちが
ぼくなのだった ....
形あるものいつかは壊れる
じゃあ少しずつ変化させましょ
丸いものには角を足し
四角いものにはやすりをかけて
それで続いていくのなら
素敵なことじゃあありませんか

行かないで、希望の贋作 ....
自由気侭に家事放棄


笑って誤魔化せ実能力


外弁天の内弁慶


明朗快活腹黒々


矛盾してこそ育つ自我


暴いて欲しくて隠してる


そもそも隠すほどの爪 ....
さして間もなく惚れました
そして間もなく晴れました

涙がほんのり滲みました
案外あっさり乾きました

願いはいくらか満ちました
想いはいささか欠けました

新たな痛みを知りました
 ....
【 {ルビ凸凹=デコボコ} 】

ちょっとしたことで
ああ、自分はダメな人間だなぁー
と {ルビ凹=へこ}んでしまうことがある

次々によぎっていく
失敗 恥 屈辱の {ルビ凹=負}の記 ....
私は沈黙と一度話してみたいと想っている
沈黙は一体どんな声で話すだろうかに
興味を覚えるのがひとつの理由であるが

それ以上に沈黙を必要とした
数多の蜂起や謀略や反逆の
密談が為された時
 ....
歌い尽くされた
メロディ
書き尽くされた
ことば

創作なるもの
無尽蔵か
個性なるもの
確たるか

自意識が
固有であるという幻想
すべて形なき混沌

個性の殻に安住 ....
神保町の老舗・さぼうるで 
戦後間もない頃から 
50年、入口に立つ 
80歳のマスターに、僕は尋ねた 

「毎日が単調にならない秘訣は?」 

「特にないねぇ・・・最近体調悪くてねぇ・ ....
心の空が雲に覆われそうな時、僕は 
右手に家の電話の子機を持ち 
左手に携帯電話の子機を持ち 
番号を押して、両耳にあてる 

((もしもし))((もしもし)) 
自分の中の、相談役と聴き ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
付箋- はなびー ...自由詩6*12-1-27
白い砂利- HAL自由詩212-1-27
月曜日には- はるな自由詩1112-1-27
朦朧の楽しみ- たにい自由詩312-1-27
新聞- アキヨシ自由詩312-1-26
それはもっとも根本的な問題なんだ- ただのみ ...自由詩6*12-1-26
幸福- nonya自由詩27*12-1-26
卒業- 夏川ゆう短歌212-1-26
- ……とあ ...自由詩9*12-1-26
タリバンの娘- アラガイ ...自由詩5*12-1-26
台車- 理来自由詩712-1-25
かたわらに_かたわらに- 木立 悟自由詩712-1-25
鏡の塔_(生体反応の設計)- 乾 加津 ...自由詩10*12-1-25
耳鼻科で泣く- 木原東子自由詩17+*12-1-25
あったかで大好きでさわれないもの- 梅昆布茶自由詩812-1-25
【_Rain_of_June_】- 泡沫恋歌自由詩12*12-1-25
テクノBLUES- 梅昆布茶自由詩312-1-25
カノープス- アラガイ ...自由詩5*12-1-25
豆腐屋で朝をみる- 石田とわ自由詩12*12-1-25
墓について- salco自由詩9*12-1-25
娼婦- 小川 葉自由詩412-1-24
- 小川 葉自由詩212-1-24
メランコリア- faik自由詩9*12-1-24
「時間泥棒被害者の会」自由律十編- faik俳句7*12-1-24
悖り狂う- faik自由詩21*12-1-24
【_凸凹__】- 泡沫恋歌自由詩7*12-1-24
問いかけ- HAL自由詩412-1-24
根源- シホ.N自由詩412-1-24
珈琲店・さぼうるにて_- 服部 剛自由詩3*12-1-23
悩み相談ダイヤル_- 服部 剛自由詩412-1-23

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