物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
こたつたつ
少し歩く
猫を呼んでみて
夜が笑う
震える身体
注ぐ月
少し酔ったふりをしながら
夢見る団欒

こたつたつ
少し歩く
転がるみかん
時計がつぶやく
じっとして
 ....
母猫が事故死して母乳の味を覚えることなく、
共に産まれた兄妹が運ばれた行方も知らず、
ただ何となく頭を撫でてくれる手を信じて、
呼びかけてくれる瞳の輝きに返事して、
春はご主人様たちと ....
ハトが二羽歩いている
なにもない場所で
なにか啄みながら
啄まずにはいられない
生きるために
地べたを歩きまわらずにいられない


うまく歩きまわるには
首をふり続けずにはいられない ....
大人になると嘘つきになると
思っていた

正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった

あなたとわたしは同類

どうしようもなく我儘で ....
 
浮いている
{ルビ圧=の}しかかる重力
月は平衡する
走る遠景を
雨の滴で回避して


狂っている
歩行する緑の
あらがう能役者が噂する
平成の{ルビ螺子=ネジ}
とまらな ....
「消えやがれ」って
言われた言葉を反芻してると
いっそ
消えてしまいたくなる
いやいやそれでは敵の
思うつぼ
「消えるもんか」って、
頑張るものだよ普通って
言い聞かせてみるけど
そ ....
あらかじめ充たされた{ルビ紅葉=こうよう}の場所は
ただ ここに ある
風に吹かれていることにとらわれず
枯れ葉になることにとらわれず
ただ ここに ある

蛇口をひねれば水がでる
その ....
いつだっていまだって青い
地球は朝で昼で夜だ
なのに地表の隅っこで(あるいは真中で)
いまブルーライトに照らされぽつねんと
もの思いに耽っているわたしには律儀にも
朝昼夜は朝昼夜と巡り訪れる ....
筆絶した空に浮かぶ星は、
迷路をつくるかのように、
地に落ちていった。
私はその落ちた星たちを、
拾い集めてことばをつくった。
死にながら生きていたことばたちは、
息をしながら低く輝いてい ....
秋の蛇口をひねると
空虚がぽとりと落ちてくる
管は水平に都市の闇を這い
水源地は{ルビ紅葉=こうよう}で充たされている


空虚で顔を洗うと
頬がすこし紅くなる
正直な肉の反応に
つ ....
 溢れる海の{ルビ思想=おもい}を
 透いた生命の鼓動にのせて
 ぼくはきみに語りたい
 {ルビ灼=あつ}い 熱い視線の息吹に恋い焦がれ
 ひとり 沈んでいった人たちのことを
 ふるえる ....
濃い青空に
舞う枯れ葉

陽光
影をよぎって
歩いて行くのは
今日の私

それを
懐かしむ未来の私の
ここは思い出の中
と思えば
宝石のようにキラキラ
まぶしい

今日 ....
新宿2 丁目の深夜4時に手を繋ぎキスをする男性カップルや東洋人や白人の若者達
路地にはビートが溢れ肩を組んでさんざめく不思議な人の塊を見つめている俺

生命は科学 を超えていつまでも謎のままでそ ....
 
                                                                            
大切な人が死んだとき
勿論、ぼくは生 ....
立てかけたエレクトリックベースの
三絃のペグが反射して
眼球の面をにわかにすべりながら
谷底に微かな光を届けている
祈る女の言葉に
二つに引き裂かれたのだ
気が付けばカエルやコウモリばかり ....
 

沈殿する鉛の溶液
筏の上を旋回する風
雨燕の航跡に
月の光を編み込んで
透かし見る夕暮れの
押しボタン式信号機


「おつきさまはついてくるんだよ
ほらずっとみててごらん」 ....
光の傾斜のよわいめまい

いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように {ルビ空=くう}の{ルビ空=くう} 淡く燃え


無限の、 矛盾の、 
存在の、 ....
クール宅急便が夏をのせてはしりさってゆくよ

   (運転手はたおやかな秋という名をもち

いつのまに曼珠沙華がスっクとのびたんだろう

   (花は放射線状に巻かれ彼岸という中心 ....
帰る人帰らぬ人と秋の夕  幼い日
 ふたりで日向ぼっこをしながら
 影をみていた
 ぼくの黒い指先が
 少女の頬に触れようとする
 と 触れるその直前で
 影だけがふやっと膨らんで
 ぼくより先 少女に ....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
「子どものための幻想詩」

子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない

大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも

けれど中にはよいものが

目を磨くん ....
 青い看板に白い文字で
 
   ビジネス
   カジュアル
   フォーマル

 朝のだだっ広い駐車場

 少しくすんだ 慎みの季節が
 春に巣立った雛たちの 瞳にも
 映って
 ....
夕方のラッシュに逆ろうて
工業地区行く電車に乗る

降りた駅ですれ違う人たちに
ご安全に 言うて
構内に入っていく
いつもの事や
ほら若い連中がまたはみ出して歩いてきよる
ご ....
    

水の{ルビ簾=すだれ}がそこかしこに垂れ下がっている夏の部屋に居て、ぼくはもうあの郵便配達夫が来ないことを知っている。ぼくの胸のなかには白い綿毛のようなほわほわした生命体がいつも棲みつ ....
優雅なるおのが自虐の洗礼に母性あなたは鏡のごとく

聖典を真夜にひらけば一本のわが少年の髪ユダにありき

さようなら僕のジュラ紀よ骨格の恐竜だけが透明だった

一本の濃きまみどりの樹と生れ ....
赤い目をしていま
なにを読み
どこを跳ねるのか


あなたは謀った
{ルビ和邇=ワニ}たちの背を戯れ跳ねながら
目指すところへ近づいた時(それは幻想だった)
傲りと嘲りが
鈴のように ....
雨のおとが体に刺さって下に抜けて行く
その先のまちで

男が酒を飲んで煙草を吸い
女が風呂に入り石鹸の香りを嗅ぐ
花は季節に散る

どうということもない
あたたかな食卓が
どれだけに ....
椅子が並んで
たくさんの人が腰掛けています

まるで出発ロビーのようです
周囲の人と
穏やかに語り合っている人たちは
旅支度の割には身軽で
しみじみと
和やかな笑顔も浮かべ

主に ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
こたつたつ- 灰泥軽茶自由詩516-11-3
白猫語り- 為平 澪自由詩7*16-11-3
歩けや歩け- ただのみ ...自由詩14*16-11-2
同類- Lucy自由詩13*16-10-30
斜視のくだる翡翠- 白島真自由詩18*16-10-30
「消えやがれ」って思われてるんだなっていう思いをずっと転がし ...- Lucy自由詩11*16-10-28
続_秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-27
地球的青さ- ただのみ ...自由詩18*16-10-26
筆絶した空- あおい満 ...自由詩1316-10-26
秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-25
ぼくの内側から崩れていく海- 白島真自由詩21*16-10-20
秋の日の散歩- Lucy自由詩7*16-10-19
たちどまった日々- 梅昆布茶自由詩916-10-18
祖母は千歳飴をなめる- 白島真自由詩13*16-10-17
空の鍋叩き- ただのみ ...自由詩10*16-10-15
秋の暮れ- Lucy自由詩13*16-10-14
詩/代償としての- ただのみ ...自由詩14*16-10-5
たおやかな秋- 白島真自由詩316-10-4
秋の夕- minomi俳句416-10-3
- 白島真自由詩15*16-10-2
白のブルース- Lucy自由詩20*16-9-29
子どものための幻想詩- 田中修子自由詩9*16-9-29
スーツ- ただのみ ...自由詩12*16-9-28
よるのひるね- AB(な ...自由詩216-9-28
水の簾- 白島真自由詩616-9-28
空は見ている- 白島真短歌5*16-9-28
うさぎのダンス- ただのみ ...自由詩11*16-9-24
台風の夜の音重ね合わせて- 田中修子自由詩12*16-9-23
順番- Lucy自由詩7*16-9-23

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