夏をたたむ
      両手でしわをのばし
      ていねいに
      色濃い影をおとした夏も
      洗濯され、たたまれると
      頼りないほど薄っぺらだ
 ....
自称詩人が
詩投稿サイトに
自称詩を一編投稿する度に
5億円を徴収するという
自称詩人税法案が
国会を通過する見通しとなった
国会周辺では
これに反対する自称詩人が
自称詩の路上朗読会 ....
ひとつの恋愛が始まると
いくつかの虫歯が
できてしまう

歯医者に行くのを
忘れてしまうこともあるけれども
夜中に眠る前に
歯磨きもせずに
お互いの話をすることに
夢中になってしまっ ....
パン屋の前で「パン食べよっかな」の声が口から漏れた 戸惑い 落ち着き 秋霖に身籠る

乳酸菌をひたすらに欲していた
カルボナーラとシチュウをクリーム類を欲していた

浜辺の神秘の窓を拭くように その波は眠気を誘っていた

 戸惑い 不思議 ....
透明なビルの屋上で俺は点を数えてい
た。雨で視界がぼやけても間違いなく
点を数えていた。三角の屋根の上で私
は線を引いていた。毎日たくさんの線
を引いていた。紙の城の上で僕は面を
つくってい ....
朝焼けと茜空の間に
彩(いろどり)が溢れ
茜空と朝焼けの間に
暗闇が横たわる
少女はその秘密を知りたくて
彩の一つ一つを呼び出しては
新しく命名し昼の詩を
暗闇の底を探っては
言葉で照 ....
風が運んできた花の匂いにまみれたら空想に囚われて
飛行船で七つの海を制覇する旅を始めてしまうけれど

真夜中に目覚めた時のあの浮遊感が忘れられないから
雷雨の中を駆け抜けて迷い込んだ街で君を思 ....
見世物なんかにならないよ
こっちが性に合ってる
 ブランシュは言う
家柄がいいし
学もあるのでね
愛されて育ったのよ
悲しまれて育った

これはね
でもあたしの脚じゃない
姉さんな ....
古いノートに書かれた文字を
辿って行くと
余白にぶつかって
そこから先へ進めなかった私がいる

もう書けない
諦めてしまおうと
何度も思った

余白の裏に
余白の隅に
挫折の名残 ....
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
 四年京都に住んで
 今でもよかったと思うのは
 はる を覚えたことだ
 生まれ在所に戻ってからも言っている

 開けてはる居てはる植えてはるえづいてはる起きてはる
 噛んではる切ってはる ....
チワワが痴話喧嘩してコンニチワとでも言うと思ったか 「ねえ、これは骨?」

チキンナゲットを食べ慣れているお前達に
フライドチキンを与えたら
飢えたライオンの子供のようにそれを貪りながら
何かを思い出したように下の娘が訊く

「そうだよ。 ....
  冷蔵庫の中で
  鶏卵の形状はときに難解だ
  それは石油や民主主義やマックブックが難解であるのと
  何ら遜色ない次元での難解さ



  女は夜、井戸で桶に水を汲み
  ....
 

あなたの ちいさな裸形に わたしは慎ましく泣いた
蒙古斑の青さが 赤子のあなたを
きわだたせていた 
ゆがんだ顔だと 云った人もいたが
あんな うつくしさを わたしは それ ....
手品失敗して生放送が終わった 紺色に遠い夜空
白い月が明るく浮かんで来る
私の頭のなかには
とりとめのない考えが
浮かんでは消える

いま 空を歩いているところ
降りしきる雨のなかに
いつかの
或いは未来の
遠 ....
ふと

ショウウィンドウに映った薄ぼやけた自分の姿に 


人生 楽しい?

楽しかった?

これから楽しくなりそう?



現在過去未来


わかりっこないって そん ....
いよいよ怒る自分と決別しようと


怒るのはダメだという本を買って 読んで



次の日 さっそく 怒ってしまった 




しかも いつもより かなり怒ってしまった


 ....
崩落した記憶は
心の底に蓄積するままにしておけ
無理に掘り出そうとしても
指先を傷つけるだけ
荒れた舌のような色の夕焼けを見た日に
幾つかの欠片が取り戻せないところまで ....
 季節の ものがたり
 訪れる ひき潮の音のすでに秋


{引用=
「「 髪をきるように
   ばっさりと 一つの季節は終わり
   ここに、誰もいなくなって
   それでも 次の遊子 ....
嗚呼朱く赤く紅く
秋に明け暮れ飽くことなし
移ろうものこそ美しい
去りゆくからこそ愛おしい
不変の美は仮庵から
渡り鳥のように飛び去るのだ


文字の檻に閉じ込めるなら
ソレハヒトツ ....
長い間育った母の胎内から
外にでいたあなたの前には
無限の白紙が広がり
あなたの人生が始まりました

あなたを記した最初の文字は
  二〇一三年 誕生  男 
  血液型 A型 RH+
 ....
遠く
離れたままで
聴こえない
聴くことのできない
あまりにも
薄くのばされた夜
わたしたちは
南回りでまたたいている

天球儀は
魚眼レンズに切り取られ
森の陰影に
ふりがな ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻

零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて

帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
寝て起きたら日常 私が子どもだった頃
十二色のクレヨンの中に「肌色」があった
その色を使って絵を描いていた

黒いクレヨンで輪郭を描いて
肌色で顔の中を塗りつぶす
手も足も全部肌色を塗った
何も考えずに無 ....
「その食べものを、一つ私に下さいな。
この小さな手にポトリと落として下さいな。」

うっかりと、
すっかりと騙されて。

本当は、

「とっととよこせ!そのエサを‼
ほら ....
    紙を折り色とりどりに祈ります三角のかどはぴんとして


    一膳の箸のすがたも美しく背筋を伸ばす五人のしもべ


    夜更けすぎ昨日を連れて散歩する買って帰ろうコンビニ ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ながい夏- 石田とわ自由詩21*13-10-12
自称詩人税- 花形新次自由詩613-10-11
虫歯と恋愛の関係- りゅうの ...自由詩11*13-10-11
パン屋の前で「パン食べよっかな」の声が口から漏れた- 北大路京 ...自由詩413-10-11
秋霖に身籠る- 朝焼彩茜 ...自由詩15*13-10-11
それぞれの現代詩- 左屋百色自由詩12*13-10-11
10月10日の詩- ただのみ ...自由詩21*13-10-11
星が無数に降りしきる夜に圧倒されて茫然としている- kauz ...自由詩14+*13-10-10
寄生体- salco自由詩6*13-10-10
余白- Lucy自由詩13*13-10-10
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
はる- 平瀬たか ...自由詩15*13-10-10
チワワが痴話喧嘩してコンニチワとでも言うと思ったか- 北大路京 ...自由詩513-10-10
食卓- 夏美かを ...自由詩27*13-10-10
難解さ- 草野春心自由詩613-10-10
自立する_貴女に- るるりら自由詩20*13-10-9
手品失敗して生放送が終わった- 北大路京 ...自由詩413-10-9
飛行船- 宮岡絵美自由詩613-10-9
柏谷呉服店さま- 芦沢 恵自由詩24*13-10-9
怒りに負けて- 八男(は ...自由詩413-10-9
まるで他人事のように自分の冥福を祈る- ホロウ・ ...自由詩5*13-10-8
みなもの月- 月乃助自由詩813-10-8
邂逅- ただのみ ...自由詩25*13-10-8
命名- イナエ自由詩12*13-10-7
秋の耳- 佐東自由詩1213-10-7
沿線暮色- 梅昆布茶自由詩1913-10-7
寝て起きたら日常- 北大路京 ...自由詩613-10-7
【_肌色のクレヨン_】- 泡沫恋歌自由詩17+*13-10-7
アライグマ- hiroto22携帯写真+ ...5*13-10-7
蜜色の眠り- 石田とわ短歌9*13-10-7

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