遥か遠い地からやってきたという
鳥は上空に弧を描き
ここが大地の中心だと{ルビ鳴く=さけぶ}
指先に集約された生命は懺悔と熟慮を束ね
折り込めば人間の象を司る

{ルビ坩堝=るつぼ}のよう ....
(虹が丘はなんで虹なんだろう?
(おじいちゃんに聞いてみなくっちゃ

今日も虹が丘に行くよ
ちいちゃんと早く遊びたい

そしてあの
キラキラ虹のように光って
なめると夢のように甘くて
 ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
雨上がりだから
道がぬかるんでいるだろう
長靴を履いて外に出た
商店街を歩いていると
なんだかクスクス
視線が痛い
美容室のガラスに映してみると
長靴をはいた猫
これは一体
どういう ....
人の企みなど知らぬ大海に
旅の憂いを語る惨月がゆく

人の営みなどしらぬ夕陽に
今日の無言をあずけて

誰かの眠りの時々
遠山にある真っ直ぐな
針葉樹のならびに
あらゆる讃歌を探 ....
とうめい が
好きですよ

漆黒も
好きですよ

漆黒が とうめいな日が 好きなのです

玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて

その輝きは あまりに ちいさいので ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
 ....
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない

カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで

鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで

周りの誰とも違う歌 ....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ

羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
《昨年春から、実在したサラブレッド、レースをテーマにした、競馬ライターかなざわいっせい氏の「ファイト!〜麗しの名馬、愛しの馬券」というショートショート集を、オリジナル作も混ぜながら、連作作品としてシナ .... 傷心の時
人は季節を忘れる
今がいつなのか
ここが何処なのか
茫然として
うわの空

それでも季節は巡る

新しい風が吹いて
花々が咲き
陽の光は注ぐ
あなたの肩越しに
滔々 ....
 
つぼみの中で育まれ

花びらが連れてくる

それが春、出会いの春



 
明かりの落ちた街路を歩くときに
くらがりに身を隠した
名も知らぬだれかの歌声を耳にするときに


目の潰れた犬が引っ掻くような声で鳴いた
脚がひとつだけの男が飛蝗の ....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて

勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで

最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
その男は 
幾つも電球を並べた灯りの下で
ぼくの胸を切り開き不機嫌な心臓を取り出した
心臓の中に豚を入れ調子よく動かそうというのだ
更に男は心臓のあった空洞を覗き込み
ぼくさえ知らない潜み物 ....
色褪せた地球儀には
太陽から日射しがさしこんで
ずっと遠く
大海のなかで
夜空を越えて朝は始まる

温かい珈琲をいれて
まるで真夜中の色をした液体を
飲み干すように
漆黒のなかで
 ....
起きてから息をした

水面をくぐる鳥たちに似合う
きれいな羽を編んでいる最中だった 

きっと君はもう随分前に
仕上げてしまって
春の水音の中へ
飛び立っていったのだと思う

あた ....
敵対者には花束を送れ
上等のやつが良い
色も香りも惜しみなく
リボンもしっかり選ぶが良い
和解のため?
平和のため?
とんでもない

刃物は優美さに隠される
獣は息を潜めてじっと待つ ....
社会人の切符を手に入れて
孤独な戦場に出ていく君は
もちろん希望と自信を
瞳に漲らせ
不安を乗り越えていく

おめでとう
母さんは
君の速さで歩くことさえ
もうできないのに
心配ば ....
ぼくは壁にもたれかかって
缶ビールを飲んでいる
うんざりして
溜息まじりに
机の上の
電波時計を見ると 夜だとわかる
正確な時間など必要ない
今は夜
夜だとわかればいいんだ
 ....
 部屋の隅で黄ばんだ遮光カーテンの襞に、ひっそりと産むものがあった。
真夜中、昏い教科書を閉じて、少年はそれをじっと見つめていた。一匹のゴ
キブリが、濡れたオブラートのような粘液を排泄しながら、卵 ....
ことばを紡いでみたくて
両手で口を押さえた朝方のこと
小鳥がついばんだ恋について
きれいなものばかりを集めることについて
並べればすべてはいびつだと言った
みんな泣きたいだけなの ....
痴態は演じられるものではなく
晒してしまうもの
ネズミを焼く匂い
霞の向こう兜を脱いだ少年の
老いを孕む眼差し
生を一巡りしたかのよう
遺灰を踏み しめる
空を模した青磁器/亀裂の風
 ....
ヨシノさんは江戸末期の
北豊島郡染井村で生まれた

生まれながらにして容姿端麗
娘盛りには五枚の花弁を振り撒いて
道行く人を虜にした

染井村のヨシノさんを
なんとしても手に入れた ....
夕焼けがビルの窓から覗く頃
わたしの時間が始まる

昼間着ていたスーツを脱ぎ捨て
わたしを取り出して
カフェの片隅に
あるいは
居酒屋の椅子に乗せる
花の咲く道に戻ったおばちゃんが生きてた頃と同じサクラだ 夕暮れを追い越すように燕飛ぶ 夜の瓶の底を叩いて
がんらんどうの静けさだ
木々は枝分かれした懐に鳥達をいだき
近づく黎明を覆い隠すように
小さな寝息を慰撫している

今日という日に、起こるべくして起きたとして
その内 ....
      かなしみはいつだって
      握りつぶされた
      缶コーヒー
      むけられた怒りは
      やり切れなさと
      くやしさの色をにじませ ....
わたしと彼は
必要以上に
相手を干渉しないことで
バランスを保っている

言いたいことを言わない
訊きたいことも訊かない
分かっていても黙っている
そんな風に
相手に対して深入りしな ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
◎合図の朝- 由木名緒 ...自由詩8*15-4-2
虹が丘のひみつ(続_チョコチップクッキーは大切なお友達に)- とよよん自由詩5*15-4-1
雪のとけた校庭で- ただのみ ...自由詩20*15-4-1
長靴をはいて猫- やまうち ...自由詩4*15-4-1
四月一日- 黒木アン自由詩8*15-4-1
とうめい- るるりら自由詩25*15-4-1
三月の蜜柑- イナエ自由詩15*15-4-1
フォアグラ- Lucy自由詩14*15-3-31
消波堤- 梅昆布茶自由詩1615-3-31
完成させました。- 平瀬たか ...散文(批評 ...1*15-3-31
【_季節_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-3-31
- 殿上 童自由詩9*15-3-30
いくつもの視線、捨てられた詩篇、真夜中のキッチンの音のないモ ...- ホロウ・ ...自由詩2*15-3-30
春の航海- nonya自由詩23*15-3-29
開胸手術- イナエ自由詩17*15-3-29
夜明けの旗を- りゅうの ...自由詩3*15-3-29
すぷりんぐ- またたび ...自由詩3*15-3-28
復讐の心得- ただのみ ...自由詩18*15-3-28
初めて大海へ漕ぎだす君へ- Lucy自由詩15*15-3-25
再会・ヘンドリックと妹のマリー- オダカズ ...自由詩3*15-3-25
ゴキブリ- 島中 充自由詩6*15-3-25
そしてまた恋をするだけ。- かんな自由詩6*15-3-25
純粋痴態- ただのみ ...自由詩15*15-3-25
ヨシノさん- nonya自由詩20*15-3-25
夕焼け- イナエ自由詩7*15-3-25
花の咲く道に戻ったおばちゃんが生きてた頃と同じサクラだ- 北大路京 ...短歌315-3-24
夕暮れを追い越すように燕飛ぶ- 北大路京 ...俳句1115-3-24
瓶の行き先- 由木名緒 ...自由詩12*15-3-24
コーヒー色の夜- 石田とわ自由詩17*15-3-24
【_バランス_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-3-22

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