どういふことだ
まだ
ひとのかたちをして
星の上にゐる

急がなくてはいけない

廃村のはずれの小さな草むらに
菜の花が咲きはじめてゐる
……風にゆれてゐる
やさしいやうな ....
そう、
僕たちはいつも現場にいる
破片

最低の言葉遣いをする低脳だ

たとえ親が死んでも現場にいるし
無縁菩薩の教えなんてしらないし

5百ミリリットルのお茶が欲しいなんて
誰に ....
隣家の屋根から翼のような雲が見える
朝の微睡みから覚め
膝に居座る悪夢が霧散するまで
蛹の時間
軒の氷柱の光の粒は 
瞼につめたいやわらかな真珠
木々の梢を半ば強引に愛撫する風
その風に ....
  旅


こころは
しらないうちに
旅に出る

笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる

いつになつたら
かへつてくる ....
吹雪はやんだ
静寂が深々と夜を沈めている
遠くで
プテラノドンの悲鳴が響く
ただ一度だけかすかに
電車の警笛のふりをして

吹雪の中をどれくらい歩いただろう
自分の足跡を見つけた時
 ....
けして、色づく
ことのない実りを空が
見下ろしひとつ残らずあおく
透かして終うから
こころ細く磨りへらして研がれた
ひとみは
ぶあつい掌に覆われて、あめが
しずかに、雪に ....
 *

青空ではなく あおそら と
くちびるに纏わる
透けた胎児 月のように

発芽を奥ゆかしくも留め置いた
――エバの種

見上げる大気の透過した青
見下ろす海の反射した青

 ....
遅い初雪が降った朝
地面は乾き
空は薄雲に覆われて
空気は張り詰めている

刈り残された秋明菊の平たい葉が
上を向いて受け止めている
クリスマスローズの広い葉も

とける事を忘れた雪 ....
オーケストラの調律は
音程の不安定なオーボエが担うという
理由はただオーボエの音が大きいからだ

その440HzのAの音によって
オーケストラのすべての楽器は調律されるが
そのAの音が正確 ....
お供えの花を供えても、
同じことです。

強い風の日には。

同じ時間という、
事象はありません。

自分が周っていなくても、
地球は周っている。

白い塩をまきましょう。
 ....
いつか消える
いつか消える

そのいつかが果てしなく
遠いと思われて

早く消えたい
と うたってみた

月日は流れ
そのいつかが
もうすぐそこにまで
迫っていると感じる時
 ....
窓ガラスを伝う雨
樹木は滲み油絵のよう
秘密を漏らすまいと
ずぶ濡れで走り続けた
若き日のあなた
尖った顎
靴の中の砂粒を取る間も惜しみ
聞えない声を聴くために
人々から遠ざかり
た ....
黄の蝶と白の蝶とが連れ立って渡る線路に光倒れて


風も無く半旗を垂れたわが心空は高くてなにも見えない


あてどなくふるえて迷う小さな蛾人に纏わりなにを思うか


説明も言い訳もも ....
診療明細票から注射薬の名前を調べ
症状をグーグル検索して
今日のお医者さんの処置はあってる
と思った
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む

今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
言葉のフェイクを削ぎ落し
白骨化したあなたを抱いている
突風にあばらが鳴ると
手を取ってかちゃかちゃ揺らしてみた
骨盤に唇を押し当て目を瞑る
あなたは眠りからさまよい出た夢で
青いインクで ....
恐竜は
飢えて死に絶えたのではなく
進化して鳥になったのだそうだ

絶滅危惧種のマナティに
沖縄で会ってきた
大きなからだには決して広いとは言えない水槽で
くるくる
楽しそうに回転して ....
今までたくさんの人と知り合ったり別れたりしてきたけれど
引っ越しだとか転勤とか卒業とか就職とか
そういう物理的な別れを越えて付き合いを続けてきた人はたくさんいる
元同級生とか同僚とかママ友だとか ....
夏が終わるとき、
風呂桶に浮かんだ西瓜を見ても
もう、それほどときめかない
でも冷やし中華を飾る
一切れの西瓜は不思議と美しい
刻んだハムと胡瓜、
錦糸卵と紅ショウガという
いつもながら ....
恋慕うこころは消えた
待ち焦がれた日々も

幻滅や
放棄でもなく
むしろ思ってもみなかった
あなたの言葉
「あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、
ほんとの自由は、えられないんだぜ」 ....
きみにひとつだけお願いがある
ぼくのことを覚えておいてくれないか

ぼくが生きているうちは
ぼくのことは忘れてくれていい
ただぼくが死んだ後
ぼくのことを思い出して欲しい

つまらない ....
翅を欠く揚羽と並び歩く道白磁と見紛う骨の白さ


すずやかな朝にまどろむ娘たち夏の火照りを蓄えたまま


安全も安心も不安あっての約束手形不渡りもある

今朝はまだ世間の目には止まらな ....
海に住む少女に会いにゆこう
大西洋の沖合いはるか

めったに船もとおらない
まぼろしの町へゆこう

アイルランド訛りがとびかうはずのタバーンには
看板娘のひとりもひつようだし

だれ ....
肩が痛い
もうずっと以前から痛かったような気もするし
肩が特に痛いことを日記に書き留めておこうと思った時ぐらいからは
丸一か月は過ぎた

色々対策を試みてみた
少し良くなった時もあり
悪 ....
ストランドビーストはオランダの砂浜に居て
風を食べて生きる
自力で歩行する
尾もしなやかに動かす

風が強いと自ら危険を察知して
ハンマーで砂に体を固定するという能力まで持つ

人が乗 ....
互いから目を反らすため見るテレビテープを貼った風船に針

見開いて水に倒れた金魚の目土葬にした日の絵日記帳

酒が止み雨に酔ったら{ルビ螻蛄=ケラ}の声死ぬまで愚直に夢を掘り

四十万にも ....
雨でも晴れでも傘をさしていく
表側は防水布
裏は遮光布で紫外線をカット

実は私
屋内でも透明な傘をさしている
表側は防水布
そして裏地は防傷加工の滑らか素材
顔には丈夫な笑顔を貼り付 ....
兄笑い弟泣いた花火は海へ闇へ消え何も残らず


カブト虫カバンに隠し学校へ死んだ弟靴音軽く


廃屋の塀からおいでおいでする夏草に咲いた少女の指


死んでやる孫に向かって言う母をさ ....
くじらの親子が浮いている
滲む飛行船の隣に

ざらつくキャンバスに
のたうつように
植え付けられた
静物


叫びは
甘やかな諦めに変わる


午睡の波間で音もなく
崩れ解 ....
{引用=独居美人}

託児所の裏の古びたアパート
窓下から張られた紐をつたい
朝顔が咲いている
滲むような色味して

洗面器には冷たい細波
二十五メートル泳ぐと
郵便物の音がした
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初春- 石村自由詩14+20-2-12
冬籠り- 梅昆布茶自由詩1020-1-1
201912第五週詩編- ただのみ ...自由詩3*19-12-31
旅・遺作- 石村自由詩19+*19-12-30
朝になっても歩き続ける- Lucy自由詩5*19-12-17
winter_delight- むぎのよ ...自由詩419-12-15
201912第二週詩編- ただのみ ...自由詩6*19-12-15
いつから仲間になっていたんだろう- Lucy自由詩7*19-11-8
調律- HAL自由詩3*19-9-24
彼岸でもまた台風- ナンモナ ...自由詩14*19-9-23
いつか消える- Lucy自由詩7*19-9-23
感傷――観賞のための- ただのみ ...自由詩5*19-9-23
まねごと――門口に終わりの予感- ただのみ ...短歌3*19-9-22
何の説明もなかったけれど- Lucy自由詩2*19-9-19
ビール飲みながらまじめな話なんかしてはいけない- Lucy自由詩11*19-9-16
自由の女神- ただのみ ...自由詩5*19-9-16
絶滅- Lucy自由詩5*19-9-13
自分じゃないと思っているだけ- Lucy自由詩5*19-9-10
西瓜の冷やし中華_★- atsuchan69自由詩3*19-9-9
スナフキンへ- Lucy自由詩8*19-9-7
忘却の彼方に- HAL自由詩6*19-9-7
まねごと――やすらかに老いる町- ただのみ ...短歌3*19-9-7
シュペルヴィエルに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩1319-9-7
平穏- Lucy自由詩4*19-9-3
進化する孤独- Lucy自由詩4*19-9-2
まねごと――悲哀のもどかしさ- ただのみ ...短歌4*19-8-31
晴雨兼用- Lucy自由詩3*19-8-31
まねごと――夏から秋- ただのみ ...短歌1*19-8-24
剥がれた鏡- Lucy自由詩5*19-8-24
坂だらけの街- ただのみ ...自由詩7*19-8-18

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