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ご亭主、これ、おもしろいね
面白い味だしているねえ
失礼な表現とも気づかずに
平らげてしまう今日のお客さん

一切の証拠は残さない
レシピは私の頭の中に書いてあり
お客さんには知らせ ....
 卵を産もうとするシャケは身が白くなる。
まずまず白くなっても味は変わらないと思
うのだが、それでも紅いほうが美味しそう
に見えると、おじさんは卵を取り去った腹
に紅麹をなぶりつけて、 ....
アジにスルメに練り羊羹
酒か肴か北海道の膝枕
あっというまにお客さん
クリオネびっくり跳ね起きて
宿題ないのか春休み

氷の割れ目に陽が射して
ケサランパサランやってきた
ふるふ ....
日だまりに
ねこいらず
ねずみいらずに
ハンバーグ
武器を持たない
ミズスマシ
下水工事で浅間山
ドカンと一発ぶちかまし
ねこの仕事をかっぱらう
知らんふりする社会人
みか ....
台風一過、朝寝坊をひっぱって、眠りの水面から浮上、ざばっと目蓋を開いたら、
窓には洗いたての青空一枚(梢のふしゃふしゃした陰影と、ひとひらの雲も泡立てたばっかり、といったところを添えて)光って遠くに ....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。

水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
透明に
張り詰めた
ガラス窓から
朝日が零れているよ
覗き込むと
昨日が
音も立てずに沈んでいくところで

空間
四角く区切ったそれを
大勢の息で共有しながら
積み上げられている ....
狭い店内は布の匂いで音がしません

最初に来たのは男の子

扉を開けるなり中身のある帽子下さい

って言った

なのでニット帽の中に 余ってた黄色のフェルトを詰めてあげた

次に来 ....
光の細粒が漂っていた
涼しい空気が絶え間なく流れ
そこからかすかに花のような人工物の匂いがする
薄暗い室内には暗澹とした幸福が漂い
天井からはときおり夢のようなものが降っていた
だれか人間の ....
プレゼントしよう

占領された暗い地図に
閉ざされてある
吹雪の愛を

あてどない水の記憶に
映っている
銀色の伝説を

それとも遠い空で
黙殺された
真実の吃音を

いい ....
ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春

嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ

私に 実を選られた 桃

収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい

台 ....
すこうしづつ ずれる
それはとても気持ち悪い

裸眼の月は重なる どっちが本物なんだろう
砂糖を入れすぎた大根煮
一人しか踊ってないクラブ
お湯で割ったコーヒーはアメリカン
手首を切って ....
三日月1号線は
全ての痛みを解いてくれる
ここではないどこかへ行ける
らしい
東に向かって走る
それだけで


僕は毎日のように
日常57号線を
行ったり来たりしているのだが
三 ....
(千切って捨てられた煙草のフィルターに
        そうっとオイルを垂らしてやる様に)

読経句-O-clockの感嘆符が浮浪スル雨、にHowAreYouと抱擁
法要放る様に包装感嘆Fw: ....
あなたは 食べる
食べる
食欲ではなく
衝動にかられ
食べる
何かいたいのしれない
衝動につき動かされ
コンビニへ走る
人にぶつかる
赤信号も目にとまらない
あなたは
イライ ....
宵闇、
五線譜の電線 で
輪郭のぼやけた影だけの鳥たちが奏でるのは
誰かの
失くしてしまった、声
あるいは、足音
にも 似て
道しるべにするには あまりにも
不たしかな

風通しの ....
母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです

母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでも ....
替え玉 頼むと
隣で苦い顔をした
ヤダマサシはそんな友達
旨いものは旨いからもっと食べたい
言いたいことは判る
替え玉のったらダシが薄くなって
さっきと違って
もう旨くないのかも ....
同棲の夜なんだから男と女がよかったなと、まじめなアナウンサーが泣いて放送を続けるなら、もっと日本人は心の手をつなげばいいと、足並みそろえて走ってゆく馬の一群。太平洋に電気を走らせ、大気をあああああああ .... 僕のお気に入りのフレーズは
もう届かないとこにある

青くて、青い
静かな朝を
飛行機が筋を引いていく

ゆっくりと吸って
吐く
そんなリズムだ
忘れることも出来ないくらい数え続 ....
あたし、脳みその五分の二は桃色のローファーなの
ほんとよ 何処へでも飛んでいくのよクラクションみたいに
イージーライダー GO GO ワイルドに行こうなんて歌って
野を越え山越えママ越えパパ ....
点to円土、塔化の下図 等速の描く大円DeadEndの
メイド吊るツリーを希求す気球が地より引き上げる
中心を宙へ、注射液ぶる雨が謎る羽を売る、Wallを
なぞる水をガスが包みst Likeに引 ....
 

駅の向こうはすっかり変わってしまった
と 久しぶりの彼女が言う
のを 知らんフリでスタスタと歩き
再開発のモールを抜け
すぐそこの古い喫茶店が見えると
彼女の頬が少しだけ紅潮した
 ....
ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋

例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
 ....
親を恨んでいるのは、わたしですか
モノローグ

あんたであるということを、認めれば楽になれると
京都の裏町の、将棋うちのおやじはいう。
へんだな、その歩の動き、そう歩くこと
進めないのだっ ....
                  「メリーゴーラウンド」 5

  記憶

怖いことはあんまりない
って言ったら
彼女が泣き出してしまって
それ以来
自分だけが知らないことについ ....
あなたがいま
火をつけたたばこには
着火口から1.2mmのところに
680度の熱を関知すると
大爆発を起こす薬品がふくまれています

300円傘は
雨よけにもなりませんし
槍よけにもな ....
傘をささずに帰ってきたら
ぽつりぽつり、と、前髪の報復
それがしょっぱい涙じゃないこと
かなしいのかしらね

おまえは3よりも4だよな、と君は言います
もしかしたら心配、なのかもしれなくっ ....
 かじりついたおむすびの
 イクラらしきものは
 黒い海の匂いがした
 よもや
 砂漠の国の油田を泳ぐ魚の腹からとってきたわけじゃあるまいし
 それでもお前はコピー食品
 イクラみたい ....
夜の海で眠る
夜は海だ

ゆらゆら揺れる波の上で
何度も投げ出され
海に飲み込まれる
人は
ほんとうは誰もいない
というかわたしもいない

わたしは小さなばらばらになる
隙間に水 ....
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