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夢の中で道に迷うと目覚めなくなるって本当?
って彼女が訊くので
ルルルと笑ってごまかした
蓋し彼女の顔に見覚えがあるのは確かだ
しかし果たしてそれが
そうです
シスチンとシスチ ....
河馬が大口あけて
地球をまるごと
呑みこもうとしている
ジャングルでは
森が伐採され
酸素はたしかに減少している
ぼくが気管支炎なの ....
市電のレールは暁に根負けし
夏のそれとは違って
鰈のように臥している
遠くまで伸びる 秋色
同じ窓から、庭先の蘭も
肩を落としているのが見えた。
あぁ、
そんなこと忘れるくらい
片 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
おとうさんが
とてもおおきなつぼをもらってきた
かぞくぜんいんで
おおさわぎしながらいえにはこびこんで
りびんぐのすみっこをかたづけて
なんとかおくことにせいこうした
きれいなもようが ....
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに
愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない
そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
きみどり色したおじいさん
果物片手に宙を舞う
いっつも横切るあの場所も
今日は不思議となつかしい
あんまりさみしくなっちゃって
でんぐりがえしで言葉も逆さ
みんなみんなでお家にかえるよ
....
*
目覚めると音のない世界
カーテンの隙間から灰色の光が射している
明けていくカーテン越しの光のなかで
青磁の肌が鈍く輝く
この部屋はこんなふうに朝を迎えるんだね。
僕は君を置き去りに ....
十月はたそがれの国
と呼んだのはレイ・ブラッドベリだ
木の葉が散っている街路樹
シャベルでかき集めては掬うのだ
そうよんだのはジャック・プレベール ....
ほら、小型偵察隊が来た
黒い6本足と大きなアゴ 列をなしてやってくるよ
大変、飛行部隊もやって来た
すごいうなり声上げて私達の上を飛び回ってる
紫外線のせいか、冷たい風のせいか ....
手のひらの中に 石がある
握りこぶしに 隠れちゃったよ
指の隙間から飛び出しそう
なので
ぎゅっ て
したら
胸の中 なんだか 苦しいよって
これも 愛かな?
駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロッ ....
中を舞うのはホコリと視線だけ
蛍光灯から落ち来る緑の羽虫達は部屋に降り積もって
ドアのむこうは知らない
ただ窓から見えるのは空ばかり
外に出ようとする事だけが気流もつくらず降り ....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。
電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
ー いとしの ―
あいしてください
もっと
愛してください
それは
愛ではありません
愛しい
こそ 揺るがない
存在
もっと もっと 愛してください
そして ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
つまるところの、現在位置を
行き交う車の雑言に聴き疲れた時に、ふと洋楽を好きになった、
ある日
晴れならスピーカーも鳴るから
せちがらしいって言ってしまえば
まぁそれまでだよね
....
アンテナが1本しか立ってない僕の頭を振り回しながら
おっかしいなぁと首をかしげ
充電してみなよ といつものタバコを差し出す
どっちかっていうと劣化していく体に鞭打って
慣れない手つきで吸うタバ ....
もういいだろう
コーヒーカップを片付けようとした
コーヒーがコーヒーではなくて
モーイーだった
モーイーなんて
くだらなすぎる
だじゃれにもならない
飲み乾してやった
....
エレヴェータ に乗っている
ねても さめても いつでも
エレヴェータ の透明なガラスは
都市の骨を映し出して
エレヴェータ は昇る
いき あっても いきたえていても
エレヴェータ は香りに ....
「メリーゴーラウンド」 9
砂
砂が全部落ちてしまっても
ひっくり返せば
また最初から始まる
のがとても魅力的だった
いくつも窓ぎわにな ....
写真をとるとき、
かならず右かた側が少しさがっており
横にならんだ左かたにふれ。
そのくせが
どうにもゆかいで。
どうやらおまえのたましいは
すこし ....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
ずっとそばにいるよ
と
耳たぶをふるわす
午後のビーチでは
ねそべる
しらないオンナノコと
たのしくおしゃべりしてた
ただ
それだけの
あなたがささやく
フロリダの夕べ
....
ここんとこ
お通じがなくて
苦しかったのは
詩を書くのを忘れていたからさ
と書いたとたん
痛いほど もよおして
トイレにかけこんだ
マジックの話をしよう、と「み」はいう。
床の上に毛布を敷いただけの寝床で、腹ばいのまま、
三枚のなかから、必ずお前が選ぶコインをあててみせよう、と。
そういいながらとても愉快そうに背を波打た ....
ひとりの男の子
一段抜かしから
二段抜かしへ
テッテとのぼる
両脚の振り子をよそに
まんなかあたり
見上げてとまる
柿の実
棚引く空
コマ送りにしてきたのに
Y字に浮かぶ
校 ....
あざのない君の美人 ささくれのない惑星に
イチゴ食ってこぼしてシミつけた
その場限りハンキチガイプチ悲鳴
偶像は惜しみなく白い内臓送信した
たいしたことないカマキリ風の未来感覚で
キ ....
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