遊星
霜天

遊星の昇る日
空の縁
半円を描いたら
落ちていく


時々振り返ってみたり、見上げてみたり
大通りの騒音がすっかり馴染んでしまったせいか
空の動きのほんの少しなら、気にならなくなっている
指を持ち上げて、水平に、空の縁
赤と紫と緑と、繋がるグレイ
ゆらりくらり、傾いていく
目に見える時間の方向を
久しぶりに、眺めている

騒音の雑踏のビルの影のざわついた流れを
紛れても、君の名で
呼べば振り向いていくということ
いつかの遠くで
言葉が言葉でなくなっても
数字で互いを認識するような
振り向くということ、君ということ
冗談みたいな未来も
ゆらりくらり、傾いている
夕暮れの
その先の方向


赤と紫と緑と、繋がるグレイ
浮かんでいる遊星は、名前はどこへ行っただろう
呼べば振り向いて、半円描いて落ちていく
だろうか
きらめくそれは、久しぶり
騒音の雑踏のビルの影
すっかりと馴染んで
僕のこの先の足取りと
一致していればいい
夕暮れの時間の流れの方向へ
回転している、遊星
ゆらりくらり
傾いて



とりあえず
君の名を呼ぶ


自由詩 遊星 Copyright 霜天 2004-09-13 02:17:06
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