へこむヘコム凹む。
ぽっかりと空いてしまった心の穴。
自分が作った落とし穴に
まんまとはまってりゃ世話ないわ。
どんなことにもくじけない力を。
あの信号を左折
じゃなくてまっすぐ
山に向かって
「海へ行くぞ」
三人道連れに
「マッテテネ」のおっぱいチラシを右に
「これは海?」
「これは川」
大きな橋を渡っ ....
眠くてたまらない
朝が早かったからだけじゃなく
たとえようのない疲労感
泥沼にひきずりこまれるような
けだるさ
今の目
きっと死んだ魚のよう
濁って ....
土を掃い
葉を食む
鈎針の手入れは怠れない
おならの匂いで健康チェック
「良」
太陽は三重丸
シトリンの ....
くり抜かれた 口
墓のない 足 が
まじないを 諭す
延びて来る真っ赤な歌
電車を塞ぐ
幾すじ もの 人柱
青は赤へ
赤は青へ
そこは どこへ 行く
それは 空虚へ 落 ....
汗臭いほんとうのことにはもう付いて行けず
けれど 瑞々しい嘘をよけながら
照れ笑いで誰かと話すのが好きだ
政治とか宗教とか戦争とか
どうだっていいことじゃないからつまらないんだ たぶん
....
今夜は寒いから 風邪を引かないようにね
って 紫煙 を吐きながら
遠くの 空 に向かって吐き出す
星が 綺麗な 夜
君と 恋人 になってしまったら
きっと何も 喋れなくなってしまう
君 ....
多くのヒトにとってみれば
他愛のないスポーツニュースに違いないプロ野球
ストをするとかしないとか
チーム減るとか消えるとか
よくある合理化
よくあるリストラ
別にたいしたことじゃない、と
....
(おとなりのワンちゃんは犬次郎といって
生れたときから
ネコとばかり暮らしてきたので
自分がネコだとかたく信じています
イヌがやって来ようものなら別の動物ということで
ワンワン ....
自分を貫くたびに 想う
釈迦の手の平の上で踊らされている 自分の姿を
ほうっておかれて、いいのだ。
忘れていてくれたほうが
ほっとするのだ。
猫じゃらしなんかを
そよがせて
雲の影を
ひたいに映して
空想していたいのだ。
a
せかいは、ぼくはここにいるの
だいがっしょうでまるでしんでいるようです
あまりにこえがおおすぎて、
もうききわけのつかないのです。
あれはだいすき ....
うっかり逆方向の快速列車に乗ってしまったり
足の小指をイヤというほどタンスの角にぶつけたり
外出直前どこを探しても財布がみつからない
そんな時
母の背中を思い出す
ぼくと弟がびりびり ....
誰もいない日
誰もいない目
側溝の枝を鳴らし
むこうがわから来た風が
むこうがわへと帰ってゆく
日曜は泳ぎ
日曜は泳ぎ
閉じた店の前を泳ぎ
色あ ....
昼ごはんのあと
かたづけがひとまず済んだ
うす明かるい台所。
水切りかごの中には茶碗や箸や
小鉢や玉杓子なんかが、
伏せられて
おとなしく乾くのを待っている。
毎日なにかしら、人の手が触 ....
台風一過、朝寝坊をひっぱって、眠りの水面から浮上、ざばっと目蓋を開いたら、
窓には洗いたての青空一枚(梢のふしゃふしゃした陰影と、ひとひらの雲も泡立てたばっかり、といったところを添えて)光って遠くに ....
さみしさが
キラキラと
まどガラス
はりついて
まどガラス
すりぬけて
よるのまち
とんでった
さようなら
このぼくの
さみしさよ
さようなら
めを ....
強い風のなかを
持ち上げるように
持ち上げられるように
地面 空気 歩むもの
地面 空気 馳せるもの
ゆっくりと肩いからせる動きたち
風にぎる指へと伝わってゆく
....
昨日は変な日本料理店へ行ってしまった。いや、場所が違うだけで実はとても普通な店
だったのかも知れない。
暖簾をくぐってその店に入ると「いらっしゃい!」と、人の良さそうなおやじと茶髪で
若そう ....
私は知っていた
この部屋に積もる埃全てに意味があることを
皮膚をかきむしってもかきむしっても
私の皮膚がぽろぽろとこぼれるばかりで
わずかに血がにじむだけであることを
睡眠薬の眠りは決して
....
霧を泳ぎ 風を嗅ぐ
慰めのいる場所 息 ことばなるプシュケー
{ルビ憧憬=しょうけい}を爪のかたちに
少しだけ 切り取って {ルビ厳=おごそ}かに
渇いた舌に 載せなさい
パスポートのな ....
せつないね 水の音
世界が 少し へこんで
水の音
くすり指 井戸で ひたせば
風が 吹く 家
宿題を ぱたんと 鳴らして
水の音
よるが 窓から やってくる
遠くの 森で
....
三丁目あたり
地球儀で見ると
ここは夜のはずなのに
夜はいったい何処にいったのかしら
どこにも辿りつけませんように
と願う
ナビゲーションを彼女に頼むなんて
....
いきているのが つらい
それがあたりまえの じだいになった
あたらしい じだい
あたらしいこころを みたい
きれいなせかいとは
どんなものか みたい
さしし ....
初めに家に招くとき
<布団
リモコンが効く場所と効かない場所があります
<ここ
君は隅で寝るかも知れない
枕を出すか出さないかは自由
....
電車のドアにもたれて
景色を見るのが好き
ジャストタイミング
ウンコをしてる犬と目が合った
バツの悪そうな顔が小さくなる
今日も一日
良い日 ....
家の近くに 新しい街灯がついて
それは
擦りガラス越しに見ると
まるで
満月のように明るかったので
気がついたのだけれど
この町には
街灯がたくさんつい ....
空夢に遊ぶ僕は
朧気な虹を
鮮やかに刻んだり
君に重なり
君の細胞に潜り込んだり
単純だけが
意味を持つ世界を歩いたり
何億分の一秒を
じっと見つめたり
....
楚楚として佇むつぼみ人知れず闇にこぼるる寝屋の白露
宵闇、
五線譜の電線 で
輪郭のぼやけた影だけの鳥たちが奏でるのは
誰かの
失くしてしまった、声
あるいは、足音
にも 似て
道しるべにするには あまりにも
不たしかな
風通しの ....
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