揚子江の上流に見慣れない生き物がいて
現地の人は成人の儀式にそれを食べる
雨の降る夜はいつも
腹の中で卵が孵って
鼻の穴から糸が
するすると
巻き付いて
柔らかな
殻になる
....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている
その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん
いつまでも
その中にいては ....
「杭 1」
杭を打つ
鍵の形の
杭を打つ
今、一万本打ち終わった
コーン コーン コーン コーン
からっぽのあちらこちらに響いている
杭を打つ音
吹く風
さざ波
....
だとしたら、方法は一つしかない。笑い転げてのたうちまわるのだ。「最高最高いいわーっ」と叫んで痙攣するのだ。理解しなくてもできなくても、そもそも理解とか知性とかからほど遠い場所に棲息するどうしようもない ....
青い空
白い雲
かんかん照り
山の緑
田んぼの黄緑
風で稲の葉が揺れる
白い幟
神社では黒光りするお稲荷さんが
触れないほど熱くなっていて
崩れそうな鳥居の下を
坂道なのに走って
....
体育の後の教室
濡れ髪のフローラルを手でおおいながら
つかのまの夏に飛び込んだ
空の青は私の青を許してくれる青で
急アングルにめまいながら
ただ 何かを得たいと思っていた
胸が腫れ ....
そのむかし、「キャノンボール」というオールスター総出演の大バカなカーアクション映画があって、バカにしながら見れば楽しいが、本気で楽しみにしながら映画館で見たら悲しくなるようなシロモノだった。本国ではど ....
固まる。
人々の微笑み。
固まる。固まっている夕景。
人々の微笑み。とうの昔に固まっている。
夕景。人々の微笑み。
微笑みはとうの昔に固まってしまった。
固まる夕景。
乾いた風。
固ま ....
ゆうべのお日様と反対側の窓から
パリっと香ばしいクロワッサンとカフェオレを照らしていく
キッチンでは片手に乗るのからホームベースほどのお弁当箱に
基本は20品目の彩りと怒りと愛情をつめていく
....
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました ....
こっちこっち
そっちどっち?
こっちだって
そっちだって?
....
なーんも、やる気せんわー。
俺もー。
俺もー。
俺もー。
俺もー。
「夜のレモン」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=25505&from=listdoc.php%3Fstart%3D8340%26cat%3D1
....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝
手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実
何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
彼は毎朝同じ電車の同じドアに乗って
両手を吊り輪に掛けて電車に揺られている
周辺の女性の匂いに興奮しないように
なるべく呼吸を殺して
彼は何時もぴかぴかの革靴を履いていて
制服だって折り ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
パラパラとガラスをたたく
大地から沸き上がるあつさと
ねつの滴りに
味サイが帽子を揺らす
アスファルトは硝煙のかおり
かさのはながさく
しばし 追憶にまどろむ
それはマサルとも劣らない
あなたはPPDでKCCな人だ
朝から晩までオレだった
闇を切り裂くバターナイフ
二文字で五行分ぐらい伝わった
だけど二秒ほどの恋愛
曇天なのにめちゃ暑い まるで ....
紫外線浴びまくって躁?ようっ!つってトカレフでパンっ!ってな抗争状態だってNo 賞ぜんぶちょうだいや
どこまでも広がる海のスレイブ これはすべて塩分?きみがこれまで流したなみだの分 迎えに行くよ
....
便座に座って廃人となる
昨日までの事
これからの事
さっきまでクルクルと回転
くりかえす
すべて
外に待たせて
虚になる
いつからか
見るともなし
ドアの汚れが目に映る ....
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」
レジスタァの前に沢山の女の人が並んでいる
僕は美人のお姉さんには、優しくお釣りを返す
ナプキンは袋を二重にして入れてあげたりしている
綺麗なお姉 ....
ねぇ、奥さん奥さん、見て、あの窓際の席に座ってる男の人。さっきから独りで喋ってるのよ。「ごめんね、ヨーコ」とか、「おれが悪かった」とかなんとか……なんだか彼女に謝ってるみたいだけど……最初は携帯で喋っ ....
言葉が逃げていってしまう。
わたしは言葉を結びたい。さといもの葉っぱが夜露を結んでころがすみたいに。
そんなふうにして、わたしは心のかたちの一部分を作っていたのだ。
わたしの目や耳やからだの表面 ....
久しぶりに読書に対するエッセイを書きます。
むー、調子悪いからサボリがちですが、ちょっと前にですねえ、「立原道造」さんの詩集を読んだんですよ。
最初「キャー好きー!」ってミーハーになってました ....
元気にしてる?俺は日々バイトに追われているよ。
店長は変なヤツだし、日勤は俺と同い年の人とかいないし。
全く、やれやれ…だぜ。
そう言えば最近、愛はコンビニじゃ買えない事に気づいたんだ。
....
想い髪を切りにゆく。
君が嫌いだったこの長い髪。
君に逢うために切りにゆく。
あれから一度も切っていない。
そんな泣かせることは言わない。
何度だって切っているし ....
マンション9階の窓から真正面に見える巨大な病院
あそこにはたくさんいるんだろうな
ズドン
夜の地下鉄向かい合う窓の中映る白い顔
ちがうちがうそうじゃない
秘密のメールが震える
ズドン
....
生まれ変わったら何になる?
カイリ(娘5歳)を連れて業務用センターというお店へ買い物によく行く。
仕事で毎日漬け物を使用するのだが、この店が一番安いからだ。
カイリは店内に設けられた100円 ....
1.
先を急げば
見失うものが沢山あるけど
先回りして
待つのもいいかな
なんて思うこともある
2.
夏の日の雲は
柔らかくて大きくて
わたしの悩み事 ....
眠りの中心にたたずむ
黒いしずかな球
その球を無垢な白い身体で抱きしめて
いつまでも眠っているのは誰だろう
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