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クリスマスも近い
十二月の寒空の下
市役所前の歩道に立って
反戦詩を朗読する青年がいる

見よ
言葉は
こんなにも
無力だ
そいつに
名前をつけろ

祈りと祝福の
すべてをこめて
そいつに
名前をつけろ

そして

その名前を
口のなかで
いとおしむように
つぶやけ

その名前を
耳元で
 ....
ことばは
すべて
呪文



だから



口から
音になって
発せられると同時に

指先から
文字になって
記されると同時に

それは
すべて
呪いになる
 ....
突然なんの断りもなく
雨が降り始める
涎みたいに糸引く雨
涎みたいに生ぬるい雨
空は晴れ渡っていて
雲ひとつないのに
猛烈な土砂降りだ
傘を持っていないぼくは
手近な喫茶店に飛び込むが ....
 ぼくが、日記をつけているというと、意外な顔をされることがしばしばある。
 中学の頃から、2年書いて1年休んで、というようなペースで書いてきて、就職してからしばらくは書いてなかったんだけど、ここ数年 ....
ねぇ、奥さん奥さん、見て、あの窓際の席に座ってる男の人。さっきから独りで喋ってるのよ。「ごめんね、ヨーコ」とか、「おれが悪かった」とかなんとか……なんだか彼女に謝ってるみたいだけど……最初は携帯で喋っ .... 真っ黒な宇宙に
雨が降る
上も下もない
無限の空間に
音もなく
雨が降る
銀色の糸のように
眩く輝きながら
真空に満ちてゆく
永劫の雨
久遠の雨
ナイフはきれいだからこそ
心の中にしまっておくんだ
絶望しました
ええ
とても絶望しましたとも

「クソッ
 くたばっちまえ
 このロクデナシめ」

その言葉
そのままそっくり
お返しします

遠くに
はるか遠くに
あなたの ....
クマになりたい
ぬいぐるみのクマに
ちょっとツルツルした
手ざわりのいい布地で
中味は綿
ただの綿
コットン100%
内臓も骨もいらない
脳もいらない
心もいらない
そんなクマに
 ....
救う

掬う

なぜ同音なのでしょう

溺れかけの金魚を
掬い上げて
救いました

いやいや
待てよ
金魚が溺れるわけがない

慌てて水に戻したら
金魚は一目散に逃げ ....
おいしい
おいしいと
たべつづけ
たべすぎて
すこしだけ
もどしてしまいました
くちから
はきだしたものが
あまりにも
きたなくて
きみわるくて
こんなにも
きもちのわるい
 ....
石川和広さんの大覚アキラさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
言葉- 大覚アキ ...自由詩1005-12-9
名前をつけろ- 大覚アキ ...自由詩505-11-22
呪い- 大覚アキ ...自由詩705-10-25
破水- 大覚アキ ...自由詩505-9-26
記憶→記録- 大覚アキ ...散文(批評 ...505-7-7
そして誰もいなかった- 大覚アキ ...散文(批評 ...7*05-6-23
宙に降る雨- 大覚アキ ...自由詩205-4-12
ナイフ- 大覚アキ ...自由詩605-4-7
言珠- 大覚アキ ...自由詩405-3-26
クマになりたい- 大覚アキ ...自由詩2*05-2-12
すくう- 大覚アキ ...自由詩505-1-29
おいしいね- 大覚アキ ...自由詩205-1-21

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