言おうとして
浩一

言おうとして
言えなかった言葉が
胃の腑のあたりにつかえて
地面が急に
ちかくなる夕べ
水中でもがくみたいに
思いのやり場が
どこにもない
ただただ凄い西日に照らされ
きみの猿のような手を
想い出してる

ゆうぐれ
屈辱をいっぱい溜めて帰る
Rolling Stonesを聴きながら
言おうとしていえなかった
気持ちを掻き乱すみたいに
言わずもがなだった言葉に
追い立てられるみたいに
デコボコの愛車を駆って
明日は頭髪を刈って

夜になれば
ウイスキーを飲みつつ
屈辱を少しづつ溶かす

言おうとして言えなかった言葉が
鮮烈に蘇る


自由詩 言おうとして Copyright 浩一 2011-12-25 07:50:22
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