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 その場所へは、けして女たちは近づけなかった
 淫らな忌避の場所をひらいて渡来のひとのごとく片足を立て、
 障子戸からこぼれた露わな月日に焼けて黒ばんだ太い柱に背を凭れ
 毛深き勇者は衆道の男ど ....
多孔質の美しさが祇園精舎の鐘の声とともにさも永久不変なものと対峙するように
赤い舌を震わせ懸命に【au】の発音を試みては痛々しい失敗を繰り返した
だがそれは抗不安薬による副作用に違いなかった

 ....
宇宙人みたいな顔のやつがTVに出ている
どのチャンネルに変えても、
出てくるのは宇宙人みたいな顔のやつばかりだ

そして久しぶりに街に出ると、
高級ファッションで身を固めた
超ド派手な宇宙 ....
蟻たち、潰れろ。
そうやって踏んづけても
蟻たちは行進を止めない
畜生め。きっと人間だって多すぎる

 戦争だ、
 疫病だ、
 地震だ、
 飢餓だ、

ひび割れたアトミックパワーが ....
そして七色の虹の彩りと、
眩しい雲のカタチナキカタチ
大空を埋め尽くす、風を切る白い翼のある愛ダノ、
――愛ユエノ、激しい憎しみダノ、

 Πανθειον

甘い潮風が私の肌にそよぐ ....
碧い夢の水面(みなも)を映した瞳は、
ただ見るともなしに忘れられた出来事を想いつづけ
あの日、高い山の頂から眺めた
無数のもがく手と足が遠い海までつづく
静かな、地獄図を見ている

秋の空 ....
始原の時を想わせる煌めく土や眩しい空の濃さが生々しく匂いたち、

かけらは、怖ろしく深い渓谷を穏やかな春に渦巻くつよい風にはこばれて渡る
その惨く美しい花の乱舞を無邪気に、遠くパノラマに見渡して ....
竹内芳郎著「文化の理論のために(岩波書店、1981)」は、マクルーハンの「機械の花嫁」を読んだときに覚えた興奮以上のものを僕に与えてくれた。

しかし彼の唱える「カオスとコスモスの弁証法」は単なる ....
窓がとぶ
屋根がとぶ
全裸のマネキンが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

傘がとぶ
帽子がとぶ
純白のパンティーが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

笑いやがれ、
笑いやがれ、
笑 ....
やがて忘却の海辺に打ち寄せられた白い欠片、
朽ちた流木や貝殻の転がる旧い別宅の荒れ果てた庭に
ある日。螺旋に絡みつく二本の蔓の梯子が垂らされていたが
それはあたかも、私には儚い夢の終わりのようだ ....
避暑の家の涼しげな夏草の茂み
その影もまた深い碧に沈み、
淡く邪気ない木漏れ日が窓辺を揺らしていた
暗い六月の雨をしっかりと含んだ土の濃さが匂いたち、
やがて腐敗へとつづく露骨な大地のプロセス ....
アリスはそこへ乱暴に投げだされ
黒い瞳に大粒の涙をためた
やがて朽ちてゆく散らされた意味の
灼熱に乾いたサハラカラーの砂漠の丘に
一面、蒼く鮮やかに咲く魔の花の
雑音交じりの夢へといざなう、 ....
  第一幕 (森の妖精たち)

   矢継早に、四方より登場

わたしは、碧――
贅沢に華を散らして
眩しい朝の陽を浴びた葉桜のように
濃淡の影も爽やかなみどり

わたしは、黄色―― ....
篠突く雨の肌寒い日を過ぎて
惨い風に揺さぶられては砌を過ごし、
未だ、未だ幾日かの――
いつとも知れぬ散りぎわを

華やかな夜の影に埋もれ
ふたたび音もなく舞う、桜吹雪
いつか濃い朝靄に ....
つい今しがたTVニュースを観始めるまえまで
いくぶん柔らかめなカールのブリーチトブロンドの女は
薄切りのハニートーストと生ハムと桃を食べていた
その唇は鮮やかに紅く、甘い蜜に濡れている

花 ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ

 古びた床へと無数の疵を残して

錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
 あ、

鈴虫が鳴いているぞ

 あ、

夜空には、まんまる。――お月様だ

 あ、

庭の草むらが揺れた

 あ、

眼の光る、狸が一匹。

 あう、

あぐらを ....
ナニカは知らない、
燃える秋の山々はもくもくと煙立ち
はるか上空から
ふりそそぐ焼夷弾によって
木や草も畑も焼けた

森は焔につつまれ
必死に逃げる動物たちを
獰猛な火の手が執拗に追っ ....
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る


つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女

夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた

よう ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
殺しの記憶- atsuchan69自由詩5*13-6-17
擬音のごとく- atsuchan69自由詩5*13-6-7
宇宙人みたいな顔のやつ- atsuchan69自由詩12*13-5-28
大量殺戮時代- atsuchan69自由詩8*13-3-16
ΙΧΘΥΣ_☆- atsuchan69自由詩6*12-9-28
沈められた瞳- atsuchan69自由詩5*12-8-8
薄紅のかけら- atsuchan69自由詩10*11-4-15
美しいことば- atsuchan69散文(批評 ...7*11-2-15
狂った風- atsuchan69自由詩24*10-12-26
黄昏の霊廟_★- atsuchan69自由詩14*10-10-29
ガーデニア_★- atsuchan69自由詩14*10-8-9
らりぃ・アリス_★- atsuchan69自由詩18*10-7-6
春めく色たち_★- atsuchan69自由詩12*10-5-8
桜吹雪- atsuchan69自由詩18*10-4-12
ロスティスラフの猫- atsuchan69自由詩8*10-3-18
お正月の歌- atsuchan69自由詩11*10-1-4
あ、- atsuchan69自由詩18*09-9-25
ナニカ_☆- atsuchan69自由詩14*09-8-30
チビけた鉛筆の唄_★- atsuchan69自由詩29*09-6-27
夜に咲く花_☆- atsuchan69自由詩14+*08-7-18

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