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束ねられたさびしさを解くと
ふっと花の香りがしたようで
そのことを伝えようと振り返り
不在に胸を踏みつけにされるようだ
音も声も湿度もすべて気配の中にないまぜ
微笑も寝顔も怒ったときも輪 ....
チタンのように平坦な夜
音ばかりが暗がりを分けて
羽ばたく
一秒ごとにかたちを変えながら
身ごもる月 流産する月
苦しみを丸く閉じて流星を包む
理路の極北にひっそりと息ひそめて
まば ....
誕生日に僕は飛行機に乗って日本に帰る。
空港へ向かうバスの中で、あるいは飛行機の中ですでに具合が悪い気がしていたのだけれど、帰国してまもなく予定調和的に風邪をひく。
日本でクリスマスに恋人と ....
はなさきみだれてのにはるのかぜ
ふるふるとそよぐこのはのかなでるおと
こころふるえてみずうみのうえてをやすめ
きんいろとぎんいろとそしてほんのすこしきいろも
星が流れるたびに涙光り
路面 ....
{引用=
(She was once here. So was I.)
}
あなたがすきなのに
あなたがいなくなって
あたしはくうはくのなかで
あなたの残像を追う
あなたはせんさ ....
戦争が終わって30年以上が過ぎていた
僕は焼かれる家並みを目にしなかった
悲惨な出来事は枚挙に暇がないが
カタルシスは自殺率の高さに反映していた
殺した人も殺された人も痛みはそれぞれに負い ....
過去未来形でわだかまっていく
後悔の連鎖反応は
僕の肩越しに風が
運んできたものだった
まなざしは魔法を持っているので
今は瞳を閉じ何も目にすることなく
嵐をやり過ごすようにそっと
....
side A
--
夏みかんの色彩
まばらに宇宙は羽毛に反射して
僕たちのミクロは誰かのマクロ
ヴォルテールだって苦笑してる
夏みかんの潮騒
冬になっても春になってもここで
あなた ....
道の果てで懐かしい人にであう
最後にお会いしたのは
いつだったかしらね
おひさしぶりと 言い合って
最後の日から随分たち
身体を持たないことに慣れ
ずっと薄く微笑をしながら
ああ こ ....
寝入りばな
夜の船に乗って
黒く澄む空を
たゆたっていた
静謐なガラスの船は
住むもののない水底の
果てない深さを
ギラリギラリと見せた
こわいよと口に出す
まだ眠りに落ちて ....
辛辣な森羅万象
耳元から鼻先へまた額から鼻へ
人間を分類し整理し時に処分する
まさかと思わせる疑似科学ラファータ
時々思うのだけれど
無機質だけで世界が出来ていても
問題は無かったのに ....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する
見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる
悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
葉擦れの音を君と
芝生に座って聴いていた
かなしみは悲しみの密度で
虚空を舞う飛行船のように
愛されたいと誰かが言った
僕たちは鼻先で笑った
ここにいるそのことの偉大さを
認めない愚 ....
ペンネームとか筆名とか、自分の詩に自信があるならばそれで良いし、名前で詩の価値が変わるわけでもない、と思うのだけれど実際は自信もないし、詩の印象が変わる気がして、やっぱり筆名を使うことにした。匿名性 ....
過去ほど遠くない未来を
日傘越しに目にうつしていた
声はきっと涙よりも早く
乾いて消えていってしまうだろう
僕はこの体に閉じこもって
もう外の世界には触れない
緑ばかりの部屋のベランダ ....
下層にあるもの
サブストラータム
複数形は
サブストラータ
地面を引き剥がして
心の内面にいたる
荒らされた地表に
どこまでも黒い水
にごる声
滞る言葉
翳る星の上で
....
Time passes and passes and passes and passes and passes and passes.
Should I fix you a cup of coffe ....
火の星が地球に災いをもたらすと
最初に口にした男の軽薄
蟻の長い行進を眺めて
奴隷制度に思い至る男の明察
エレベータをおりてエントランスホールを抜けると
都市計画に完全に準拠した景観が広 ....
ささめきことに身を寄せて木曜日
ひらりひらりと翻る葉の裏を
手のひらをぎゅっと握って
眺めておりました
風が出て雲の流れがはやく
欄干にしがみついていなければ
心はメレンゲのように軽く ....
静謐と漢字で書くと
二文字目で迷い
うす曇りの午後に
うーんと声を出してしまう
来週の今頃はいったい
何をしているかしらと
手帳をめくっていると
もう残りページが少なく
こうし ....
水際でことばが
平静を失うのよ
あなたは底が見えず
私は落ち着きがない
ヴェールを被った朝の町で
薄い薄い水色を眺めていました
静かにとても静かに涙が零れて
次第に呼吸が苦し ....
オレンジの皮をむいて
水平線のことを考える
世界が丸いことの隠喩
果実が丸いという現象
恋人が好んだマーラー
引越しのときに紛失し
あれから探しているが
どうしてもアナログは
....
鳥たちは彼方より
不吉な報せ嘴に
たずさえ飛び来る
死の匂い羽根に含んで
闇が白んでいく都心の
明けの空に深いインディゴの
融解してゆくさまひたひたと
薄気味悪く清澄に
二重国 ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった
音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する
月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと
心に生い茂る銀色の
すすき ....
hearken to the wind of will
曇り空の下にひろがる
見慣れた世界に雨が落ちる頃
君は花のように風に髪を梳いた
言い訳ばかり机の上に
積み上げてつまんない大人 ....
おなかが空いてパニックになった
夕陽が不気味に背中を追ってくる
こういうときなんだ誰からも
愛されていないとわかるのは
こどものときからそうだったんだ
証人は僕しかいないけれど
自分は ....
群青色の空の下であなたは自転車を押していく
わたしの歩幅を気にしながらゆっくりと歩いてくれる
オリオン座の見えるころに出会ったのに
まだ一度も喧嘩らしい喧嘩をしたことがない
わたしがとても傷つ ....
らせんを描きながら
わたしとあなたは
おちていくのですね
だれにもよびとめられることなく
口を吸い合っておたがいの
すべてが分かったような
錯覚におちていくのですね
右手に左手を結び ....
散ル散ル朽チル
September, high tide 気がつけば
波高き9月になって風の音が憂鬱を
足元の砂に埋めて 耳元でいつまでも
鳴り続けていた千のアリアをそっと
水に溶いて空 ....
月乃助さんの瀬崎 虎彦さんおすすめリスト
(36)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
場合じゃない
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
12-10-16
結晶
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
1
12-9-16
12月24日、快晴。
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
3
09-12-24
_さようならとさようならの隙間
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6
09-12-11
クロマティック・ラヴ・アフェア(ガーベラの花束を手に立ち尽く ...
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7
09-12-6
The_Beautiful_Experience
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2
09-12-5
おやすみなさいという
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
09-12-3
Ridges_of_December
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
09-12-1
ああ_ここは春の公園のよう
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-11-29
眠りによせて
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
09-11-28
カスパール
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
09-11-25
Sky_/_Sound
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7
09-11-24
木漏れ日の中で出会う
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
09-11-23
瀬崎虎彦は今日も詩を書いています。
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
6*
09-11-21
If_I_were_beautiful...
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-11-17
植物的獰猛
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
09-11-16
I_wish_you_were_here.
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2*
09-11-15
ギリシア・ローマの時代から
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
09-11-14
あなたが送ったサイン
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
1
09-11-14
うす曇りの午後に
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2*
09-11-6
世界が明日消えてしまう
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
09-11-3
中間試験
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-11-2
二重国籍の悲しみ
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4*
09-11-1
少し海を見て電車で帰った
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6*
09-10-31
月鳴夜
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
17*
09-9-2
hearken_to_the_wind_of_will
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7
09-9-2
かえりみち
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
10*
09-8-31
希望のフォーナ、絶望のフローラ
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7*
09-8-31
わたしがいなくなってもあなたがそこにいる
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6*
09-8-30
散ル散ル朽チル
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
8*
09-8-29
1
2
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