私はニンゲンであったから
冷たい雨の下で
蛙たちと共に飛び跳ねることはない

私はニンゲンであったから
蛙たちは
安全な距離を保とうと必死になる
沼に飛び込む
水面に波紋がたつ
大き ....
そう呼ぶには勢力が強く、些か風情に欠ける感はあるものの、私はこのような秋の夜長が堪らなく好きであり、また同時にその余りにも寂莫とした暗闇にいつも堪えられない。


私を喧騒からすっかりと隔て、ひ ....
異常な口で笑い
異常な声で笑う少女
異常な聴覚を持ち
異常な音を始終聴きながら


異常な躾を受け
異常なしきたりの中で
異常な発達を遂げ
異常な涙腺を持つに至る


異常な感 ....
色々がもうどうでもいいの
哀しみのレバニラ
わたしの選択は間違っていた
わたしの選択が間違っていた
お台所で腐臭に咽び
ごめんなさいを唱えてる
明日の朝餉も残りもの
疲れたま ....
月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
んでそのメル友の女の子と電話しててんけど、どこ住んでんの?ってその子に聞いても適当なことばっかゆって全然教えてくれなかった。
「おれミナミ住んでんねんけど、どこ住んでんの?話聞いとったらユミちゃんも ....
「 赤イ羽根共同募金ノ御協力、オ願イイタシマス 」 
後輩ふたりを左右に、僕はまん中で募金箱を首から下げて 
通り過ぎゆく人々の誰かの胸へ、ひとつの声が届くよう 
道化のふりした明るさで、一心に ....
雨音と国道を走る車の音に混じって
あなたが あたしを呼んだような声がして

静かに目を開けたけど そこにあなたの姿はなくて

夢にしてはやけに はっきりした声だったとまた 
寝返りを打つの ....
母のことが なぜあんなに嫌いだったのだろう
殴られたことがあるからでもなく
押入れに閉じ込められたことがあるからでもなく
蹴飛ばされたことがあるからでもなく
わたしは母の愛情に満ちた視 ....
夜中のうちに
鍋の底で腐っていくとろけた大根が
少しでも悲鳴をあげてくれれば
わたしはすぐに火を点けて救いだしてやれるよ

*

流れる景色を見つめている
次々と集まり出すこの電車内の人、ひと、ひ、 ....
ボリス・グロイス「ユダヤの逆説、ヨーロッパの逆説 —テーオドール・レッシングの『ユダヤ人の自己憎悪』によせて—」(『思想』806、1991)という論文を読んだ。

h ....
I がない一日でした
アイがない一日でした
自分が留守な一日でした
ただ流されていくばかりでした
土左衛門なのでした

いくつもの橋の下をくぐり
今更ながら橋の憂鬱を知り
壊れたが ....
君の白くて細い素足
踏みつけてはじめて、土が息を吹くのだろう
太陽が照らす中でその頬はやわらかく緩んでいた
ようなのだけど

 ※

泉の飛沫が鮮やかに虹を創り出していると
 ....
全然気にも留めてなくてなんとなく続けてた女からのメールがある日途絶えたけど別にかまわんと思ってた。おれは以前それ系の会社にちょっとの間居たのでそこら辺の勝手は普通の人より分かっている方だ。なのでその子 .... 寝間着からもれてくる水のにおいが
夜をかけてゆく
つるつると甘皮をはぐ物音も
虫がしんと鳴くともう閉じてしまって
ぼくは波紋に収束する
ことばの様だ
電気じかけなのに
くらやみが本の ....
空一面のオーロラ
グランドキャニオンの夕陽
アマゾンの流れ
サモアの絶海

街を闊歩するゾウ
野生のホタルの群れ
求愛するクジャク
色とりどりの熱帯魚

どこまでも続く道路
天ま ....
ずっと遠くを眺めているの。
ずっとずっと昔からそうしてきたような気がする。
電車の窓から外を見てるとふいに泣きたくなってくるの。
明かりの薄れていく速度が私をどこかに連れ去りそうで、
窓に映る ....
ぼーっと
通路に座り込んで
足を投げ出して
そのまま横たわる途中で

ボートハウスの屋根の上
の丘
の上の空

見つけたんです

あと、30分
いずれ修復されるだろうと
私はただ見つめていた
やがてそれすらも忘れてしまい
背景の一つとして色を変えた

置き去りにされたもの
斜陽がそっと撫でてゆく


価値がないから捨てられるのか
捨てられて価 ....
永遠のひび割れていく音がして
半球は淵から欠けていく

美しいひとに抱きしめられ
全身でぬくもりを感じるまでは
生きていようと心に決めた
あの冬の寒い日
凍結した死の決意は
恋をしたと ....
伝えたくて
伝え切れないもの

捨てたくて
捨て切れないもの

慌てふためいて
掴み損ねたもの

握り締め過ぎて
壊してしまったもの

煩わしいものたちを
もう一度抱き寄 ....
映画『HELP!』を観るとリンゴのスティックさばきにしびれてしまう。

まず『ヘルプ!』のイントロブレイク直後のフィルイン。両腕をタムの上に真っ直ぐ伸ばして構えたかと思うと、ダダダダッと打ち鳴ら ....
草の根元
ひとつかみの声
闇を分ける
指先の青


饐えた氷のにおいがする
ほころび 川岸
小さな小さな穴のむこうに
穴と同じ世界がまたたく


したた ....
黄昏時

万世橋から昌平橋
煉瓦造りのガード下
ぼーっと浮かぶその灯かり
なぜか涙があふれ出す。

移転した交通博や
やたらモダーンな秋葉の街並に
ヤッチャバの名残を想い出し
なぜ ....
僕らの声がまだメロディであったころ

あの日の伴奏は誰であったか

幾度かの恥知らずな転調を繰り返し

レコードの針を追いかけてくるくるおどけた

胸の蓄音機が鳴らすあの、雰囲気が
 ....
白んだ月が、ビルの谷間にぼんやりと浮かんでいて、僕の想いも白けてしまったなと行くあてのない感慨を持て余してしまう。一度も君を抱きしめられなかった思い出を、缶コーヒーとセブンスターで追悼して、また歩き出 .... {引用=
よせるみちしお
いわばをわたり
にじをみにゆく
まんげつのほお
かりのとぶそら
せなかにくらく
るりいろひかる


(終わる世界、)


(青い鳥が空へと流れた、)


ようすいに集まった子供は暗くなるまえに家に帰る
こころのかたち、人のかたち、
雪を知らないアマリリスを神さまと見間違えたと ....

職場で必ず着用するエプロンには
大きなポッケットが付いています
わたしはその中に
いろいろなものを放り込むのが癖です
ポッケットが膨らんでいないと
落ち着かないのです
膨らんでいて少 ....
 
 
交差点でおもう
もしもわたしが信号だったなら
赤で人は止まるだろうか
そして青になったとき
人はわたしを通過して
行ってしまうのだろうかと

青に変わって
信号待ちの人が
 ....
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