ひとにみとめられて
いきていけたら
とおもうものだけれど

このだいしぜんに
みとめられているうちは
だいじょうぶのようである

このかきのきも
ことしのあきには
みを ....
あなた
おかわり、いいですか?
どんぶり3杯だって構いません
食べてもらえると思って
夕食を
涙堪えて作ったんです

夫思いの
妻でしょう
あなたに
食べさせたい
米の飯

 ....
 
 
わたしがみてるせかいは
サンプルだ

たくさんのサンプルをみて
えらぶのだ

ひとつだけの
わたしのサンプルを

だれかのためによういされた
サンプルをすてて
 
 ....
大きな声で言う
わたしはもう大丈夫じゃない
もう一度言う
わたしはもう大丈夫じゃない
だから
安心して
わかるでしょ

雨が沖縄を通り
九州を越え
関東をすべり
東北へ行って
 ....
わたしの家族は、みなそれぞれにパソコンを持っていて、わたしはといえば、専用のものはないのだが、家族供用とされた一台はもうほとんどわたしだけが使っているので、実際はそれがわたしの占有のようになってい .... 夏の終わり

ちっと舌打ちした彼女の悪意は
秋の初めには
彼女のもとへ戻るだろう

向日葵のような少女の笑顔は
来年の桜の頃
少女のもとへ戻るだろう

悪しきの足は速く
良のもの ....
ぐれてイグアナになった友人は
何か
忘れ物でもした顔をして
酒を飲んでいた
たまたま
その夜は
人間に戻っていたらしい
挨拶をすると
眼はイグアナのままで
何を考えているのか
全く ....
 
 
土曜日はいつも
草のことを考える
誰もいないのに
ハサミで紙を切ってしまう
 
 
+
 
 
青空を両手ですくう
指の間からさささらと零れ落ちる
さっきから公民館の ....
飛べるわけでもないのに
いつの間にか
こんなに遠くになってしまった

遠ざかったのは彼らなのか
僕のほうなのか
教えてくれるはずのあなたは
昼寝をしてた椅子のように
そっけなく ....
今年の梅雨は
ながく暗く
何もかも腐らせてしまうまで
終わらないようだった

水道の蛇口をひねると
締める直前に
白いクラゲのようなものが
ぬるりと出てきて
コップの中に浮かんだ
 ....
殺してほしいと
見知らぬ奴が言った
俺は面倒なことに
関わりたくないから
目を合わさないよう通り過ぎた
そうすると奴は
俺の足を引っ掛けて
転ばせた

殺してほしいと ....
 少年の頃
 宇宙飛行士に憧れていた

 今はただ
 無重力が希望だ

 特に夏は

 マーキュリー計画最初の七人
 オリジナル・セブンのジョン・グレンは
 後年
 高齢者の長期 ....
もめんの色
出会い
かりそめ

息をつく
蒸気をとおして
戻すつながり

熱さまし
衣ずれ
目的地

季節と、契る
ちらばった雲に
指をさして
悲しみの輪郭を、そっとなぞり
この雨の行方を探してみる
黒々と光る夜空の奥深くから、
ざあざあと雨は降っていた
冷たい三月の匂いをたたえながら

指先が閉じ込めているのは
言葉を紡ぐこと ....
なにかが襲ってくるような
想いにとらわれるとき
僕の心の中にある悲しみが
また成長する気配がする

敏感な部分に
触れると知りつつ
それがヒトのものなら
僕らは割と平気だよね

指 ....
 
 
ふるさと
というものが
わからなくなって

しょもつのいえに
あなたはかえる

かえって
みたところで
わかったような
かおをして

なみだぐみ
ぺえじをめくる
 ....
撃つなら撃て!


縫いつけられた数字が
存在を証明することはない
与えられた害毒が
所在を明らかにしたりはしない


出口が見えなくても
絶壁が消えなくても
自らの尊厳に命 ....
おとうさん、
首をひねるたびに
うわごとみたいに
「痛いっ」、「痛いっ」っていうの
がなんでか、なんでなおらないのか、よくわかりません、
ほんとうにいたいときしかそういうこと、くちにださない ....
知らない遊びを怖がって
炭酸飲料で約3%に希釈した恍惚を飲み干す

最初から分かりきっていたこと、花より団子

お利口さんな日々を過ごしてきたものだから
東淀川がどうしても大きく見えすぎて ....
眠ることが
一歩だけ死に近づく
行為だとすると

波打ち際で波と遊ぶように
一歩近づいては後ろに跳びはねて

睡眠ごっこしよう
知らずに
湧き出る
美しい泉を
探す
旅から
私は
知らずに
戻っていた


「きっとまだ
 あそこにあるに違いない」


やっと戻った
夢見がちな私に
窓辺の黄色くて ....
まずは思い出話から始めさせていただく。

かつて私の父は、射撃の腕前がなかなかのものだったらしい。まぁ殺し屋だったんですがね、結婚を機に廃業したのも遠い昔のお話です。
で、子供の頃、そんな父とア ....
はい、あげる。うれしかったよあのときは あのサボテンは枯れちゃったけど いつからだろう
あたしの中の蛇が
どんどん大きくなりだしたのは

あたしの最近の奇行
はじけっぷり

何か 内なるものが
爆発するような
高揚感・・・

自分で自分を抑えることが ....
あなたのいのちをつくろって

夜は甘くなる

春はどことなく淫靡な光で

強烈に追いこされるけど

それでも

ほのあかい光で

ゆるやかにみえる身体を知って

はじめて味 ....
見た目ほどに不安定ではありません

夜には隠れてしまいます

黒い髪が短くなります

切り紙をして遊びます、手紙、文面、浮かびません


外、ここ、心

人を遠くに感じます

 ....
{引用=




深まる夕闇の中で
水底まで透きとおった
滑らかな黒の湖水に
斜めにさし通した櫂から
膨らむ波紋 滴る雫が
清澄の音階に流れつづけ・・

静かに進む二人きりの小 ....
薄暗い部屋の中で
与えられたものは
桑の葉、でした。

退化した前足では
木にしがみついて
いることができず
放たれれば、すぐ
落ち、ほぼ全滅。
家畜化された、虫
成虫ですら飛べず
大人のくせに、虫
 ....
考えれば考えるほど
何もかも嫌になってしまう3月某日
空があまりにどんよりしてやさしいから
ついつい泣き言をいいたくなってしまう昼下がり


生きるための理由がどうしても必要だから
 ....
壁にはたくさんの時計が掛かっている。
それぞれが、ばらばらな時間をさしている。

しずかな部屋に、音だけが響く。
せわしなく動いているのもあれば、
今にも止まりそうなものもある。
それぞれ ....
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