ぐらぐらと沸騰している風景の中で
レイザーライトのように蝉が鋭く
生きてる
夏の街路樹をすべて焼き殺すように
生きてる
生きてる

わたしはゆっくりと自転車を漕いで
死んだふり ....
くらけれど東の小屋は日をうけて 授業中の少女たち
夏にはいったい何をしてる?
始終しゃべり通しなお茶会
トーラス風ドーナッツとクラインのティーポット

ポケットのカラフルなチョコレートは
べたつかないマジックメンブランス ....
夢みればいつも
きみは風になっていた

ぼくの右腕をまくらに
くうくう眠っていたきみは
もう、そこに吹くことをやめ
だれも頼りにできない
だれも近づけない青空へ
鎖を断ち切り
安らか ....
いつかあたりまえのことを美しい言葉で書くことが叶うのだろうか
いつか美しいものをそのまま提示して成り立つ詩が書けるだろうか

ほんとうは人生の意味を掴みたくてたまらないのに
ほんとうは美しいも ....
キラキラと
呼吸するとうめいに
光の塵

布目に添うように
木炭
減らす線
粉こぼしながら
描きだす

なにもかもが
変わってしまった部屋で

ゆるがない強い香り
しみいる ....
たった一つ欲しいといいながら すべて腕で囲って
何にも要らないと叫びながら 手のひらに握りしめていた

こんなこと言うと笑われるんだろうか
抱きしめながら壊して笑いながら泣いて吐いた
毎日が ....
満月が
昴と
手をつないで
一晩中
コスモスを散歩する夜
狼男は
大潮の海で
赤い月を抱きしめている
赤い月は
狼男の蒼い心臓を
やさしく撫でながら
たゆとうように微笑んで
そ ....
つまらないことを
ひとつずつ重ねて

積み上がったところで
オーブンで焼いた

不満と愚痴を挟んだパイは
意外と良い出来栄えだった

ナイフを入れて切り分け
フォークを突き刺して
 ....
平均より下回っているかどうかとか

みんなができることをできないとか

お金がないとか貯金がないとかじゃなく

君が生きにくいと思っていることに問題がある

だが社会では解決方法は常に ....
電車でごじかんかかります
乗り換えはよんかいです

あんまり遠くに
いるもんだから
こっそりたくさん
泣きました

あんまりなんにも
わからないから
何度も途方に暮れました
嘘は ....
まるい空に丸い月が浮かんでる
どうしても、あの
金色のボタン押したくなっちゃう
光ってる穴のぞかなくちゃいられない

そんな満月の夜だから
モギモギして
夜更かしするのも仕方ない

 ....
君を乗せて浜辺沿いを走らせながら

白良浜と夕焼けの海が見渡せる

お願いだから今回ばかりは
素直に受け取ってください
円月島の輪っかに薬指を通して
今度こそ逃げないって誓ってください
 ....
囚われの身のわたし
監禁生活も半年に突入
憎らしいあなたの20歳のお祝いにと
行くことが許された範囲で準備した
ひまわりのブーケが枯れてから
もう2年の時
覚えていますか

ひまわりは ....
  
水槽を抱えて
列車を待ってる
水槽の中には
やはり駅とホームがあって
幼いわたしがひとり
帽子を被って立っている
ある長い夏の休みの間
ずっと被っていた帽子だった
水の中もやは ....
もう何がリアルで何がフィクションか
わからないくらい
嘘をついてきた

嘘で満たしたプールの中に泳ぐ魚たち
本当のことを言うと誰にも相手にされないから
作り笑いを浮かべて 話を作るのがうま ....
朝からの風の匂いで
前線の真下にいると気付いたところ

一晩じゅう置き去りにした鍋からは
酸っぱい匂い、残る悲しみ

部屋干しの洗濯物に引っかかる
濡れた髪の毛
湿ったタオル

鉛 ....
月が笑ってら

それがおかしくて

空手の帰り道

おいらも笑ってら

四十すぎて

空手をはじめて

どうなりたいねん、って言うけれど

やばいくらい

汗をながして ....
トカゲ手に乗せるほどに達成す


リザードや王が一日見入るもの


蜥蜴入る脳髄の古層じっと動かぬ


我感ず昔トカゲであった事


夏蚕ヒタヒタと夢の白い
青い夜は終わり
透明な朝が始まる

君への言葉は流れ
私のココロへと降り積もる

見て
あの遠くを照らす
紅いひかりたち

きんいろのオビが
君へと続いている

しろい雨粒は ....
夏休みを
金属バットで
殴り壊して進む
道の上や
軒下で
いつまでも死んでる鼠

雨の日に近づいて
瞬きごとに色の変わる彗星

君が世界の果てに逃げたら
世界の果てまで行って ....
最悪サイポーグにでもならないと

いけないらしいと医者にいわれたよ

偶然見付けた悪口でもうお腹が一杯だ

お金をいれてガチャポンを回してみたけど

出てきたカプセルには新しい

 ....
降ってこい

あっちから こっちまで
遠くで一つ 近くで一つ

早く
早く

急がなきゃ

サイレンが
大きくなる前に

浮力で浮き上がっていく
僕の学生服

雲の隙間 ....
花の後から雨が降る。
雨の中から花が咲く。
その後煙る雨が降る。

花に嵐の喩えでないが
さよならだけで死ぬものか。
さよならの後雨が降る。

いつまでたっても雨が降る。
梅 ....
あの人の奏でるベースの音が
腹に響いて

湧き上がる感情に
名前を付けるのをためらった


本当はその指で
乳首を弾いて
あたしを高い声で
啼かせて欲しかった


腹に響く重 ....
色濃く茂った
夏の葦が
黄昏の風に
さらさらと
なびき始めるのを
あなたの気配を
感じながら
他人のように
気まぐれを装い
待っている
空で迎える最初の誕生日に
どんな言葉を送ろうか


どういうわけかわたしの周りには
夏が好きな人が多くて
きみもその中の一人で
暑いのが苦手なわたしには
何度夏の良さを説かれても
賛 ....
毎日
大学病院前の
ひろいバス停で
猫背のひと

みどりはつよく
陽にあたってきみどり

おばあちゃんのズボンは
昔からサルエル

床のタイルのここは
どうして一枚だけ
はげ ....
だって生きることは辛いから
だって今私は幸せだから
だから気持ちを共感して
生きたいから

君はいつもあどけない顔をして
笑っている、力をもらう
そう貴方は私の命
そう私は自立している ....
遠雷の遠く歩みて雨匂う


開けた戸にそよ風忍ぶ夜深し


蛍光に魂遊ばせて窓明かり
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