ピアノ弾く
指先踊る
バレリーナ
君が始まる時を待ち望んで
君が終わる時にはいつもの階段を登って行こう
何か無くても
何かが無くなっても
嫌なんだ
ジグソーパズルが欲しくてたまらなかった子供の頃のような
風船を手離 ....
押し潰されそうなほど青い空
人混みを掻き分けて取り込んだO2
変化し続ける鱗雲と
味気ない駅前の広告
しゃがれ声で歌うストリートミュージシャンは
かつての少年が憧れた姿
ダイブ ....
失望のレストア
少しでも見たくない顔を見せて、
最後だけ巧く出来たって
きっとすぐに忘れてしまう
融解する手紙の背景が
何処にも流れない 鬱血を
撥ね揚げる、
残った者みなに愛されていた ....
冬だからと言いわけして
ぬるい布団に潜っている
風が冷たいから外に出る気も何もしない
小さい頃から怠けていたから
今になっても億劫で
稼ぎも無いのに働かない
インスタントで食事を済まし ....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ
波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる
夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む
あなたと
指を重む
その温度の確 ....
この世界に産み落とされてから
ずっと見てきた光
あの光を手にしたくて
必死に手を伸ばした
でも
この手が掴んだものは空気のみ
光はもっと上にいた
日々 背伸びをして悔しんだり
年々 背が伸びるごと ....
僕は何者でもなく
あるだけの影
街に 出てはみたけれど
植物ですらないのだと わかった
釣り場のある近所の港には
今日も猿たちが立つ
演技する潮風の中
家族の待つ山へ 逆立ちを
....
分光器の憂鬱
天象儀の退屈
を あざやかにうちやぶる角度で
挑むようにひらり舞い込む
あやうい好奇心
極光のように繊細な予感を追いかけて
けれど焦れても
いちばん深い記号は
そ ....
鼓膜から吸収されるドラッグに形は無い
振動による物理作用が精神をROCKするからだ
パッケージングされた{ルビ美術=アート}のみが許される社会
クラシックの{ルビ焼き直し=カバーアル ....
きのう、
おちばの海を
巨大な足でかいて
じゃさっ、じゃさっ
と、踏んだバス停まえ
みあげれば
あの葉も、あの木も
こがねいろ
あかねいろ
駅前のそら は
ももいろの画 ....
ヒロ
わたしはあなたを
尊敬します
だって
あなたは
白い
白くて
白くて
白い
わたしの心には
しょうゆみたいな
しみが
いっぱいついていて
ぬぐっても
....
ゆったりとした街は映像を買う。
その街は嫌いな歌を買う。
映像は歌を買う。
いろいろな街に映像が出てくる。
音楽はきれいな街を描写する。
いろいろな街の絵を夜に書く。
街はきれいになると本 ....
何度この道をあなたと通っただろう
初めて一緒に歩いたときは
まだ寒くて上着を着ていた
わたしの体力がなくて
ゆっくり歩いてもらったことを覚えている
トラックの巻き起こす粉塵 ....
雨粒が地面にゆっくりと落下していて
そのシズクに写る果てない未来は
僕をどうしようもなく打ちのめした
一?でも踏み込む事によって現実が駆動していく
刹那程の距離でも僕等は踏み込めないんだ
本 ....
さかなによく似た
君に寄り添って
みたこともない海の
話をする
あなた だってそうでしょう?
本物じゃない
ここにいる僕たちは
だからこそ 寄り添って
途方に暮れた
....
あの地平線へ
歩いて行こう
どこまでも
歩いても
近づかないけど
わたしは
歩いて行こう
もし
あなたが
一緒なら
嬉しいんだけど
ほら
朝陽が見えてきた
悲しいときにうたうときがある
嬉しいときにうたうときがある
少しむかしに流行ったような歌
けしてうまくはないけれど
とどめるようになだめるように
うまくはうたえないけれど
悲し ....
+ うららかな午後 +
体温が地熱と交わる午後に
ミントチョコをくわえるケダモノは
あたためたミルクを一口飲んで
青ざめた頬をバラ色にそめる
+ キラキラの夜 +
遠くのイ ....
君の歌声と
僕の弱さを標した詩が
宇宙の隅から
宇宙の果へ
届く日が来るように
アレックスの海岸へ
―君の
マイク越しでも近くにいるみたいな歌声が
....
それはとても
単純な出来事だった
君は気づいてふりむいた
犯されることを
確信するように
それが罪であることを
僕も確信した
犯罪は終わった
とても簡単なことだった
....
立ち止まる太陽
雪のピュアネス
動乱が
窓を開く
なだれに乗ってやってきた休符に
線路はすべて塞がれてしまった
(鍬を捨てよ
(鏃を追え
子らの間にはおおらかな ....
もう大分寒くなってきたし、制服で夏服を着てる人は余り見かけなくなった。
あれだ。俺が言いたいのは、女の子の下着が透けることはなくなったということです。
ブラジャー、キャミソール(俺はキャミと略さな ....
理性だと言う口は閉じているが、書いた文が多くの人の笑顔になる光景をうっすらと水で描いている。原稿を取った人の口元に微笑みを得るには指先のコントロールがいり、キーを押す目玉への問いかけの繰り返しが常だ。 ....
列車の窓が
長いネックレスのように煌き
横たわって走っている
街はもう影を落とさない夜更け
きみがほら、こころ震わす音楽を
あなたがほら、光り輝く宝箱を
見つけて、染めて、頬を ....
半生ビールっておいしいのかな
おでんも煮込みすぎてはいけないね
生きることの半分は
ただ生きることなのだけど
その半分はそれでも詩だったりする
つたわらないのは
ことばなの
あるいはぼくの
そんざいなの
あなたは
残り香になって
いつもここからいなくなる
この初雪みたいに
かたちもなくとけてゆく
てのひらのなか ....
秋晴れの空に向かって窓が開いている。本棚ばかり大きい部屋には姉と妹。
妹は死んだ小説家の本を取り出しては「これは手」「これは肺」「これはくるぶし」と姉に教える。小説家は自らの身体と臓器をそっくり文字 ....
震える指先を
ポケットに滑り込ませたら
捨て損ねたレシートが
指の間で微かに笑った
不確かな足取りで
迷子のふりをしながら
逃げ損ねた枯葉を
靴の踵で踏みにじった
丸めた背 ....
林の向こうに星が落ちた
遊びつかれたカラスが
西の方へ飛んで行った
あたりはワイン色になって
夕闇に沈んだ
遠くで一匹犬が鳴いた
町に人影がなくなった
青白い三日月がひとつ
水銀灯の上 ....
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