からりからりと晴れた空
君は何を思うのだろう
溜まった洗濯物は風が揺らし
休日の私は君に揺らされる
いっそのこと
忘れてしまえば良いのに
忘 ....
幼き日の僕には小さな世界で
起きている出来事が当たり前だと
思っておりました
家族の団欒など妄想の域で
何所の家庭も寂しい食卓なのだと
思っておりました
自殺したいと 殺して欲しい ....
毎日を
流していこう
昨日を残して
汚さないように
小さな傷は
気にしない
ピカピカに輝く
明日のために
ふせた長い睫毛が
まっすぐにこっちを向いて
貫かれるんじゃないかと
どきどきした
ばかみたいだけど
向き合ってね
一定の距離を
大切にしていると
もうこんなに
こんなにせつない
....
私は、生かされている
豆腐に
ほうれん草に
魚に
豚に
金色に輝く麦に
鳥に
卵の未来に
これらの死に
そうして、闇と光と水に。
私は、「生きている」
自分の意志で
....
あなたは不誠実な人ですねと
言うかわりに
庭先の牡丹は
見る見るうちにしおれるのです
其れを見ながら
あなたは今日も
手の内の地球儀を
つまらなそうに
弄繰り回している
あな ....
キリストの 影も見えない 聖夜かな
もみじ葉で ツルリと転ぶ 散歩道
はれ予報 敗れて悲し 雨男
バシャバシャと 水遊びかな 溺れ人
篤姫に 水戸はここだと 地震かな
ピーポーと 明日は我が ....
寂しむザリガニが一匹、紅一点鮒達の中で泳ぐ金魚に見蕩れていた。今まで見た事の無かった金魚の美しさに唾を呑みながら、ザリガニは近寄る事のできない自分にもどかしさを感じていた。
そこに金魚が、鮒達の ....
人と話すことがあると、比べてみて友達が少ないと思う。数少ない自分を知る友人にまで、友達が少ないと断言されてしまった。
なんで頻繁に会うような友達がいないんだっけと思うと、ぶらぶらしていて一箇所に ....
春が白く垂れこめている
足元には名前を知らない薄紫の小さな花が
風に揺れている
一緒に
何処かへ行けると思っていた
何処へか はわからないまま
僕らは二人して歩いてきた
だけどもう ....
来たるべき季節に
新たなる幕を拓き
歩み来た道を
一つに重ね合って
喜びを、風のなかで
辛いことも、屋根のしたで
分かち合える喜び
最高の契根
朝起きて
朝食もそこそこ
新聞開らけば
頼んでも無いのに
暗い時代が
飛び出して
今日もスタートで
躓いた気分
思えば
暗いの明るいの
今日も昨日も明日も
会社でも学校で ....
指先でたどる
過去の先端
二股にわかれ
ぼろぼろに
とけるように
消えていく
しなやかで
なだらかな鼓動が
指先から
血管にひびく
わたしは明日に向 ....
流れ往く雲に
人を見て
自分を見て
気がつくと
薄い天幕を破って透過する粒子が
浅い深呼吸を促す
何てことのない
モールの吹き抜け
何てことのない
ありふれた日常
....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている
まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど
僕は君の傾き方 ....
ギネスブック
笑いながらめくる
くだらない
人間の記録に
涙が出る
救われる
自分の人生を笑い飛ばせるヤツほど
やっかいで
強い ....
詩なんか
書かなきゃいいのに
また携帯カチャカチャ鳴らしてる
疲れてるし
変にお腹痛いし
ストレスだらけで何も出来ない私は
やっぱりカチャカ ....
ふきっさらしのこころ
きみのしろいからだ
ぼくをとおせんぼする
珈琲にさそってみる
いたいけなオスになる
みんなのしあわせを
かんがえる立場なのに
新緑は幽霊 ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした
水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
撃て 撃て 浄化の雨眠りの中で
暴風雨 窓たたく音が心放つ
しんみりと更けた夜に点る霊
切ない夜を波濤の数だけこえて
やおら滅びゆく貌(かたち)のように虚しく、
何処までも果てのない君とともに
歌うべき僕たちの言葉が見つからない
伏せた漆黒の虚しさは朝日を浴びて
いつしか濡 ....
わたしの
話が終わる前に
あの方は去って
いかれました
あの、途中なんだけど
と言いかけて
わたしの話に終わりなんか
ないだろう
でもね
もしかしたら
勝手に
うまく終われた
かもしれぬよ
....
あなたには魅力が満ちている
この花は
告げている
星は再び巡ってくると
あなたは
告げていた
いつかまた
この道で出逢える日まで
私は花を
摘み続けていよう
星が降るまで ....
秋というには、まだ早い
風は乾いてきたけれど
地下鉄を降りる
ホームに残る夕刻の熱気
東急『Food show』
とくに欲しいものも無くて
檸檬を買った
「そのままで良いから」
手 ....
結局
無いものは流せないのだ
光る丘で寝転ぶような、広がりを
繋ぎ止めておくことは、
思い出に縋るようにして歩き
引き摺るようにして、眠る
東京は優しかったよ、と言ったあの人は ....
草木も眠る丑三つ時には
言の葉寺の鐘も鳴らない
小粒の雨が纏わりついて
糸を引いている女の
肩から背中から人形を
操る天空の指のような
月の傾き、梟の
抑え気味に笑う声とか
つがい ....
むくわれない想いに
身を震わせて
とまどう心に
もてあます春風
真っすぐにそそがれる
あなたの視線さえ
拒む理由を
淡い紫の吐息にかえて
ひとり、うつむいて ....
悲しくないように、パンを食べて
悲しくないように、体をよく洗い
悲しくないように、朝になると起き上がる
焦がしてしまった情熱の抜け殻
いつかを通して言葉が落っこちる
....
人は
その人の型に
はまるようにして
生きてるのではないか
はまってないから
という理由は
当然ではないか
僕は
今さらのように
君の型になってみる
すると君は ....
ラクダ
ラクダ
ラクダは
ラクだ
ラクじゃない
ラクダも
ラクダ
ラクダ
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